閑話#56ー2 司……ではなく凪刃の、男組初コラボ配信:下
「おっと、初手から結構話しすぎたか? 凪刃関係で。んで、今日は何すんだ?」
「今日は普通に雑談して、ましゅまろ返すくらいですよ」
「えー、何か面白いことはしないのー?」
「あの、俺まだ活動初めて一ヶ月のペーペーですよ? 何を求めてんですか……」
いやまあ、普通の企画でも、らいばーほーむならたちまち頭のおかしい企画に様変わりするんだが。
「そりゃお前……全力朗読だろ」
「うんうん、らいばーほーむに男性メンバーとして入った以上、君には全力朗読の義務が課せられるんだよー」
「あれ義務なんですか!?」
「「義務だぜ(だよ)」」
「えぇぇぇぇ……」
あの狂った企画、義務なのか……。
【そうか、全力朗読は義務だったのか……】
【まあ、一応みたまちゃんも一回やってるし】
【あったなぁ、ハロウィンだっけか】
【あんときはほんとに爆笑もんだったわw】
【オルタだったけど】
「つってもまあ、今回は女の方だしなー。男でやった方がファーストインパクトはいいだろうし、今日は無しで」
「ですねー。みたまちゃんパターンも面白いけど、凪刃ちゃんの場合は司君にもなれるから、そっちでやろうねー」
「やるのは確定なのか……」
「「当然」」
「当然ですかー……」
あの企画って、恥を全て捨て去らないとできないんだよな……。
この人達、平然と恋愛ゲームを全力朗読しだすし。
しかも、なんでキスシーンも普通に読むんだよ。
「ってなわけで、雑談だな! んで、何話すよ? ましゅまろから話題繋げるか?」
「そうですね。俺としても、まだまだそういうトーク技術とかあるわけじゃないので、その方が助かります」
「じゃあ、適当に選ぼーう」
というわけで、雑談開始。
いや、雑談に開始って言うのも変かもだが……。
何はともあれ、最初のましゅまろは……。
「えーと? 『らいばーほーむの男性コラボなのに、みたまちゃんはいないんですよね? なぜですかぁ!』」
「「あー……」」
【草】
【ピンポイントっていうか、これ絶対さっき来た奴やろww】
【みたまちゃんはなんていうか、うん。あれで元男ってのが信じられないくらいに可愛い女の子してるから……】
【あれで元男ですは無理があるレベル】
【みたまちゃんはちょっと、うん、色々と外れ値だから……】
「これに関しちゃ、まあ、なんだ……うん、あれだよあれ。あくまでも、俺と暁が純粋な男の後輩とコラボしてぇってだけだったんで……いずれ、四人でコラボはするつもり、ってか絶対やる」
「まー、今日はあくまでも、四期生の司君とのコラボする、って言う名目でしたからねー」
「ってなわけなんで、その日まで待ってくれな!」
「凪刃ちゃんもそれでいいよね?」
「いや、俺は別に構いませんよ。別に死にませんし」
「凪刃は完全耐性持ちだからなぁ。マジでその辺は羨ましいぜ」
「すっごいわかりますよー。みたまちゃん、ポンポン人を殺しますからねー。存在が核兵器ですしー」
「……そうですね」
我が幼馴染ながら、女になってからはすっかり核兵器になったな……。
何をどうしたら、あんな存在になるんだろうか。
俺は疑問でならない。
【核兵器扱いされるってのも変な話だけどな】
【海外でも兵器扱いっていうか……日本の最終兵器とか言われてんぞ】
【海外www】
【まあ、ある意味最終兵器では? なんせ、ガチ兵器がなくとも殺戮できるわけだし】
【言語関係なく殺しに来るのが一番ヤバいよね、みたまちゃんの可愛さは】
【可愛いから殺せるのがすごい】
「んじゃ、次のましゅまろ行こうぜ」
「あ、じゃあ、次はボクが引きますねー。じゃあ、これにしようかなーっと。なになに? 『男組! 男組でのコラボ、ずっと待ってましたァァァァァ! 司君は、司君は二次創作OKでしょうか!? BLOK!? OK!? OKですかぁぁぁ!?』だって」
【ぶほっ!】
【wwww】
【お前急に全力朗読すんじゃねぇよ!www】
【不意打ちで笑かすなや!】
【ホンマお前……】
【BLOKなのか気になります! すごく、私!】
【相手高校生なんだよなぁ……】
【鬼畜すぎる】
【腐の者界隈にとって、絶対に確認すべき重要事項! ダメと言われたら、仲間内で楽しむのみ!】
【結局楽しんでるやんけ】
「んで、どうなんだ?」
「……」
俺は一体どう反応すればいいんだろうか。
BL、BLかぁ…………。
いやまあ、ある意味慣れてるんだがな……なんせ、みたま……っていうか、椎菜が男の時、俺と椎菜のBL本を書いた奴がいたからな……しかも、ちゃんと人気あったのがほんとに酷かった。
なんだったら、学園内の女子の間で出回ったらしいのがな……。
そう考えると……。
「まあ……人に迷惑がかからない範囲ならいいんじゃないか?」
「へぇ、そこはいいんだな?」
「てっきり、アウト判定すると思ったんだけどなー」
「……まあ、慣れてるんで」
「「あっ……(察し)」」
遠い目をしながらの俺の発言に、二人は色々と察したらしい。
「あぁでも、さすがに18禁は勘弁してください。未成年なので」
「ま、その辺の線引きは大事だな。俺と暁は両方とも18歳以上だからよ」
「ですねー。あ、普通のが届いたら、全力朗読するからねー」
「なにが悲しくて、自分が題材のBLの朗読をしなきゃいけないんですかね!?」
【草】
【草】
【さすが愉快犯。しれっととんでもないこと言ってて草】
【お前www】
【普通に考えて、自分たちが題材にされてるBL本を朗読できるのがイカレてんのよ】
【司ちゃんはBLOK! 司ちゃんはBLOK! ヤッタァァァァァ!】
【18禁は……くっ、だ、だめっ……いやでも、手元で、自分で楽しむ分にはOKのはずっ!】
【板でならセーフ! 露出しなければセーフ!】
【最悪だァ……】
絶対に自分のBL本の朗読はしたくねぇ……!
っていうか、コメ欄の方も色々と酷いことになってるんだが。
らいばーほーむの男性ライバーファンはまともなのがいないのか……いや、そもそも女性メンバーのファンもまともなのがいない気が……。
「そりゃお前、自分の欲望と妄想と願望を闇鍋という名の魔女窯にぶっこんで、ドロドロ且つねちゃっとした液体にし、それを本と言う形に頑張って形成した、汗と涙とその他色々な体液が込められた本だぜ? そりゃ、読まなきゃ可哀そうってもんだろ」
「言い方が最悪なんですが!? っていうか、本当に最悪だ!?」
【言い方ァ!】
【最悪の表現で草】
【でも、腐の者の本的には間違いじゃないのが……】
【っていうか、BLはマジでこう……なんでそれを全年齢の棚に置いて売ってんの? って思うレベルで内容がドギツイのがあるからね……それくらい、中身がねちょい】
【らいばーほーむに男として入る以上、これは避けて通れないと言う問題なのだ……】
【可哀そうだなー】
「と言うわけで結論、司君は18禁じゃなければOK。18禁は表に出ないようにこっそりやってねー」
「……俺の目に触れないようにしてください」
【わっかりましたぁ!】
【仲間内で楽しみます!(意味深)】
【頑張りますね!】
【満足していただけるようなBL描きます! 絶対に見せます! 読んでくださいね!】
【うへへへぇ、やってみたいシチュがたくさんあるんだぁ……うへへへへへ……】
【絶対ヤバいのしかいない】
【ぶっちゃけ、らいばーほーむファンの中で一番ヤバいのは腐の者界隈だからね……】
【可哀そうに……】
できることなら、俺の目に触れないでほしい……が、普通に無理だろうけどな……。
なんせ、先輩二人が嬉々として朗読しようとするからな。
「んじゃ、次は俺が選ぶかな! 『司くんちゃんはなんで好みが年上なんでしょうか』だそうだぜ。なんでなんだ?」
「いやまあ……最初の原因は初恋がな……」
「何かあったの?」
「……外見が異性にしか見えなかった、当時小学一年生だった今の親友が初恋相手だったんですよ。まあ、男だったんですけど」
「それ絶対みたまちゃんだろ」
「100%みたまちゃんだよねー」
「あの、わかってても言わないでくれませんかね!?」
【草ァ!】
【初恋が男の娘www】
【業が深すぎる】
【つまり……司ちゃんは男の娘とのBLをご所望……!? よっしゃぁ! それで描くわぁ~~~~!】
【しまった、初恋ネタがとんでもない方向に!】
【これは酷い】
「んで? 最初の原因はそれって言ってたが、他に何かあんのか?」
「しれっと流さないでほしいんですが」
「気にしたら負けだよー」
「気にしますが! ……って、まあ、いいですよ……。それで、違う理由ですよね。まあ、大した理由じゃないですよ。俺が次に好きになった人って言うのがまぁ……親戚のお姉さんが結構年上だったんですよ。具体的に、10歳近く。小さい頃はかなり遊んでもらってましたし、かなり優しい人だったんで、ちゃんとした、初恋はそれですね」
「ちゃんとしたをすげぇ強調したな」
「同性が初恋はかなりあれですしねー」
「そこは本当に触れないでください。黒歴史なんですよ、あれ……」
体育祭の時もえぐられたからな、俺の精神をな……。
【そりゃ黒歴史にもなるわw】
【うんまあ、うん】
【さすがみたまちゃん。男時代から罪な存在だったということか……】
【まあ、本当に罪作りな人だよw 神様だけど】
【設定的に神様見習いだから、人じゃないけどね!】
「じゃあ、次のましゅまろだな。凪刃、どれにするよ?」
「適当に……じゃあ、これに。『司くんちゃんと凪刃ちゃんの最大の違いは何でしょうか』性別以外ないだろ!? いや、すっっっっっごい! 当たり前のことしか言ってないんだが!?」
「あれじゃね? 体の動かし方とか、肉体とか、そう言う系」
「でもそれ、既に冒頭で話してますよねー」
「そうだなぁ……あー、じゃああれ。凪刃」
「なんですか」
「自分の裸見た時ってやっぱ興奮すんの?」
「何とんでもねぇこと聞いてんですか!?」
【草】
【草】
【草】
【ナチュラルセクハラで草】
【こいつ怖い物知らずか!?】
【お前さぁ……】
【ドストレートな質問はやべぇだろ】
【気になるけども!】
「あ、それボクも気になるなー。ほら、TS系の作品だとそう言う感じの描写あるじゃん? ナニをするとか」
「それはエロゲでしょうが!」
「TS物でそう言うシーンが最初のアレアレなシーンなのは確定的だからねー! あ、個人的には百合系だと嬉しいかなー」
「別に聞いてませんが!? っていうか、俺まだ18未満! できねぇんですよ!?」
「で、実際のとこどうなんだ?」
「…………興奮はしませんよ……。いや、たしかに、普段の自分じゃないし、まず異性の裸を見ることなんてないですから、ドギマギしたというか……変に緊張はしましたね。でも、そう言う意味での興奮はしませんよ。体が変わったからと言っても、普通に自分の体ですよ? 自分の体に欲情するとか、ただのヤバい奴じゃないですか」
「「それはそう」」
むしろ、そういうのはそう言う作品だから挟まってるだけであって、自分はまずないんだよ。
っていうか、どういう話題だこれ!?
【まあ、ヤバい奴ではあるな】
【なるほど、司くんちゃんは健全な生活を送ってるらしい】
【そりゃ、見ることないよね、異性の裸】
【マジで赤裸々すぎるぞこの話題】
【男だけになると普通に変な方向に話が飛ぶんだなって】
【↑昔からだぞ】
「ま、やっぱ現実はそんなもんだよな! ちなみに、凪刃は将来的に結婚とかしたいとか思ってるのか?」
「話があらぬ方向に旋回飛行してきたんですが」
「でも、男女両方になれる面白体質だし、そこは相手の理解が必要だよねー」
「結婚って言われても、俺まだ学生だからななんとも言えないが……まあ、いい人がいれば、したいとは思いますかね。そう言ったことを知った上で、好きになってくれる人はいないような気もしますが」
「「おっ、そうだな」」
「あの、なんで生暖かい目を俺に向けてるんですかね」
「いやぁ、まあ、なんだ。さすが、鈍感朴念仁とか言われるだけあるな!」
「苦労しそうですよねー。ボクとしては、ちょっかい出したくなりますがねー」
「やめとけやめとけ、こういうじれったいラブコメ、そうそう見れねぇぜ」
「ですねー」
「いや何の話!?」
【おっと】
【これは何かあったか?】
【司くんちゃん、イケメンで美少女らしいから、普通にいるのでは……?】
【二人の言い草からして、身近に何かいそうな気がするなー】
【これで恋人出来たら笑う】
【っていうか、話題がなんかおかしいw】
【話題が旋回飛行は草】
【ツッコミがキレッキレでいいわーww】
【男組にツッコミ担当が入った、やっぱいいな!】
この後も、俺がツッコミを入れまくったり、俺の精神がえぐられたり、色々あった物の、無事に配信を終えることができた。
……いやこれ無事じゃないな気がするんだが、BL関係で。
投げっぱなしジャーマンみたいになったけど、まあ、いつも通りと言うことで……。
やはり、ツッコミ役は動かしやすいもんです。
椎菜がいなかったら、柊が確実に主人公だったと思いますが、その場合って、あんまり人気出てなさそうですよね、この小説。




