閑話#45-1 ロリロリ四天王のオフ会:上
ちょっと先の時間軸。
「ん~、待ち合わせ場所はここでOKっと。よし。あとはほかのメンバーが来るのを待つだけ!」
四期生の反省会コラボから一週間後の土曜日。
うちは浜波駅前で待ち合わせをしていた。
というのも、実は反省会コラボの後のこと。
◇
『やっはろー、らいばーほーむ四期生になった、わたもちでーす!』
配信を終えて、家に帰宅したうちはどうせいるであろうと踏んで、ロリロリ四天王のグループにそんな挨拶を送った。
このグループにいるメンバー、全員イラストレーターが本業なんで、それはもうすごい夜型。
特に、雪次郎さんとかそうだしね!
まあ、全員忙しい部類なので、反応はないかもしれないけどそれはそれ!
来たら嬉しい! 程度で考えて
『お、わたもちじゃん! わたもちの配信見てたぞ。悪名高いらいばーほーむに入っただけあって、いかした配信してたな!』
『にゃは! ワタシも楽しんだよ! あと、しれっと話題だしてたにゃぁ!』
『ボク、知らなかったよ~。でも、面白かったよ~」
『おおぅ、さすがロリロリ四天王仲間だぜぃ! っと。っていうか、雪次郎さん含めた四人で話すのも久しぶりじゃねぇですかね?』
『だな。アタシらも結構売れたし、仕方ないさね。雪次郎の方はなんかTSした挙句Vになってたしさ』
『それ、ワタシもびっくりしたにゃぁ。天使で金髪のぐーたらロリはすごくよかったけどにゃあ』
『それは全員が思ってんぜー』
『そりゃ、アタシも』
『おー、褒められた~。やっぱり嬉しいね~』
実際、雪次郎さんの配信をアーカイブで見たけど、みたまちゃんに負けず劣らずの可愛さだったからねぇ。
みたまちゃんとリリスさんと組ませたらバケモンになりそうって感じはするなー。
『そんで? 急に連絡してどうしたんだい?』
『やー、ちょいと聞きたいんですがね。みなさんどこ住み?』
『ワタシは来咲市だにゃー』
『アタシは陽野市だね』
『ボクも陽野市だよ~』
『ほうほう……ちな、うちは浜波市』
『へぇ、全員近いようだね』
『みてぇですね』
ものの見事に全員が近所だった。
というか隣町。
すげぇ偶然があったもんですねぇ。
『それで、わたもちにゃんはどうしてそんなことを聞いたのかにゃー?』
『やー、一回リアルで会ってみない? って思って。あ、無理強いはしねぇですよ! ただ、個人的に一度会ってみてぇと思ったもんで。あれですあれ。オフ会!』
元々会ってみたいとは思ってはいたんだけど、なかなか機会がなかったんですよねぇ。
というか、そもそもうちが割と高頻度引っ越しするタイプの人だったって言うのもあるし。
だがしかし。
今のうちはらいばーほーむの四期生。
うちはもうこの辺りで生涯を終えるつもりなんでね。もう引っ越しはしませんとも。
で、近かったらいいな~と思って聞いたら、ものの見事に全員が近場であることが発覚。
ならば、オフ会したい! となるのがネッ友の性!
『へぇ、いいじゃないかい。アタシは賛成さね』
『楽しそう! ワタシも賛成だにゃ~』
『ボクもおっけ~』
『やったぜ! じゃあ、集合場所はどうする?』
『浜波市でいいんじゃないかい?』
『異議なしだにゃー』
『ボクも~』
『じゃあ、集合場所は浜波市! で、集まって何します? うち的にはご飯食べるとか、お酒飲むとかがいいなーって。っていうか、全員成人済みだよね?』
『アタシは26歳』
『ワタシは22歳』
『ボクも22歳だよ~』
『お、おおぅ、うちが一番年下……あ、20歳です』
まさかの年齢が判明。
うちが下っ端だった。
『ある意味中心なのに、一番年下ってのも面白いもんだね』
『そうだにゃ~』
『それで、お酒を飲むでいいのかな~?』
『いいんじゃねぇですかね? 居酒屋? それとも、宅飲み?』
『アタシは居酒屋がいいと思うかな』
『浜波市なら、ある程度遅くまで飲んでもわたもちにゃんの家に泊まれるからありだと思うにゃ~。あ、わたもちにゃんがよければね!』
『もちもち! 全然泊まってOK! むしろ、全員ロリなんだし、夜道は危ねぇですからねぇ! あ、なんだったらうちの家の近くの居酒屋に行く? 個室ですぜ!』
『ボクはそこでおっけ~』
『アタシも』
『ワタシも!』
『じゃあ決まり! 集まるのは来週の土曜日で、時間は……19時でどうよ?』
『異議なし』
『異議なしだにゃ』
『異議なーし』
『OK! じゃ、そういうことで、日付は20日! 待ち合わせ場所は浜波駅前で、集合場所は19時! じゃそういうことで! 楽しみしてるぜぃ!』
◇
――なんて、そんなやり取りがあり、今日は二十日!
つまるところ、今日がその日というわけよ!
「とりあえず、言いだしっぺが遅刻とか洒落にならねぇんで三十分前に来たけど……うぅむ、まだ誰も来る気配はない、と」
まあ、こういうのって大体十分前くらいだしね。
むしろ、うちが早すぎるわけでね。
「そう言えば、アリスちゃんくらいしかリアル姿知らねぇんですよねぇ……」
アリスちゃんは冬コミ前日に会ったけど、他二人については一切の情報がない。
雪次郎さんはコミケで会ったことがあるから知ってるけど、灯さんについてはマジで知らねぇんですよね。
とりあえず、ロリってことだけ。
雪次郎さんの方も、なんかリアルがロリになった~ってくらいなんですよねぇ。
うむむ、果たしてどんな人が来るのかっ……!
「あ、いたいた~! 小夜にゃ~ん!」
「お! アリスちゃん! どもどもー!」
「こんにちは! やー、冬コミ以来!」
「ですね!」
最初にやって来たのは金髪碧眼で巨乳な美幼女。
どう見てもエロゲヒロインみたいな属性持ちの宵闇亭のじゃろりさんこと、アリスちゃん!
今日はもふもふコートで温かそうな出で立ち!
うんうん、やはりロリはいいもんですねぇ!
まあ、ウチもロリですがね!
「今日も寒いね!」
「ほんとですよねぇ。寒すぎて布団から出たくねぇ、ってなるんですよねぇ、この時期」
「にゃはは! わかるわかる! この時期の布団は魔性だにゃー!」
「ぬくぬくで朝は出たくねぇ! ってなるんですよねあれ」
「うんうん。そう考えたら、雪次郎さんとかよく許可したね! って感じだにゃ~」
「寝るのが好き、布団が好き! って感じだし、たしかに」
配信のアーカイブを見たけど、配信中に寝落ちを普通にするし、基本的にあくびしまくりだし、よっぽど寝るんが好きなんだな理解できるくらいにはあれですからねぇ。
可愛いロリになったとのことだし、是非とも見たいところ!
「あー、そこの二人、ちょっといいかい?」
と、うちとアリスちゃんできゃいきゃいと話していると、ふと口調だけで言えばさばさばしたような印象だけど、実際の声は可愛い系の声なので、ちょっと背伸びしてるのかな? と思ってしまうような声が聞こえて来た。
そっちを振り向くと、こげ茶色のショートカットで、ちょっとだけ目つきが鋭い可愛い顔立ちのロリっ娘が。
何かを咥えてるし、スカジャンを着てるのがすごくこう……クリエイターとしての琴線に触れる!
「はいはい、なんですかね?」
「あー、ちょいとダチと待ち合わせしてんだが……間違いじゃなけりゃ、二人がそうじゃないかって思ってね」
と、スカジャンロリがそう言ってきた。
あ、もしかして……
「灯さん?」
「おっ! やっぱ当たりか! いやぁ、特徴的にそうか? って思ったんで、ちっと声をかけてみたんだが、人違いじゃなくて安心したよ」
うちが灯さんかどうか尋ねると、スカジャンロリがニッと破願して、笑いながらそう話す。
当たりだったぜぃ!
「っと、まずは自己紹介だな。帯刀時雨だ」
「うちは四月一日小夜ですぜ!」
「アリス=リー=リトルだにゃ~」
「んじゃ、小夜、アリスって呼ばせて貰うよ」
「じゃ、うちは時雨ちゃんで呼ばせてもらいますぜ!」
「じゃあ、ワタシは時雨にゃんって呼ぼうかにゃ~」
「もちろんだ。そんで……あと一人はまだ来てないのかい?」
「まだだねぇ」
「たしか時雨にゃんとは住みが一緒なんだよね? なら、一緒に来ようって思わなかったのかにゃ?」
「いや、こういうのは集合場所で初めて顔を合わせるのがいいって思ってね。ま、そういうことさね」
「「すっごいわかる」」
一緒に来なかった理由が納得だった。
なんかこう、複数人で、それも初対面で! となると、集合場所で顔合わせたくなるんですよねぇ。
なんでだろ。
「おっ、二人もわかる口かい? こういうのはやっぱり、サプライズ的な面もあるってんで、どうしてもね。とはいえ、もう来てもおかしくないような気もすんだけどね」
「ですねぇ。ま、ぐーたら好きでも時間に遅れるような人じゃねぇとは思うんで、時雨ちゃんの言う通り、そろそろ……」
と、うちが言いかけた時だった。
「えーっと、そこの人たち~」
ぽわぽわ~っとした可愛い声が聞こえて来た。
もしかして、と思ってうちたちは一斉に声の主の方に視線を向けると、そこには薄桃色のもこもこなポンチョのような物を着て、ぽわ~っとした笑みを浮かべた銀髪ロングに碧眼で……巨乳なロリっ娘がいた。
おぉ、ロリ!
ということはこの人は……!
「んっと~、実はきょーここで待ち合わせがあって~……とくちょーがっぽいな~って思ったんだけど、そーだったりするかな~」
相変わらずの間延びした話し方!
元々可愛い系な男の人だったけど、ロリ化してさらに可愛くなっているぅ!
「そういうそっちは、雪的なアレかい?」
「わ~、やっぱりそーだ~!」
雪的なアレで通じると言うことは、やっぱりこの銀髪ロングのロリ巨乳さんは乃ノ宮雪次郎さん!
なるほど、すっごい美幼女!
TS病はさすがだー。
「ん~っと、わたでもちな人とは会ったことあるけど、他の人はリアルでは初めまして~。初代陽っていーます~」
そして、すごくぽわぽわ~っとしてるね!
個人的に、ちょっと眠そうな表情がいいと思います!
「四月一日小夜です! あ、小夜でいいですぜ!」
「アリス=リー=リトルだにゃ~。ワタシはアリスでいいよ!」
「帯刀時雨だ。時雨で構わないよ」
「んーと、じゃー、小夜さんに、アリスさん、時雨さんって呼ばせてもらうね~。あ、ボクのことは陽でいーよ~」
「おっけぃ! ならば陽ちゃんで!」
「ワタシは陽にゃんで!」
「アタシは陽って呼ばせてもらうよ」
「どーぞどーぞ」
「それじゃ、全員集まったところで、早速行きますかね! あ、全員身分証は持ってますよね?」
「もちろんさね。アタシらみたいなちんちくりんじゃ、間違いなくスーッと入れないだろうからね」
「ワタシもあるよ!」
「ボクも持ち歩いてるよ~」
「ならばヨシ! じゃあ、しゅっぱーつ!」
「「「おー!」」」
やー、楽しみだぜぃ!
というわけで、ロリロリ四天王さんたちです。
全員身長が140センチ台という奇跡みたいな人たちです。
当人たちがロリなのに、なぜかロリ系のキャラクターを好んで描くとか言う変わった人たち。
余談ですが、スカジャンロリこと、時雨ちゃんが咥えているものはチュッパチャプス的な飴です。味はラムネ。ラムネ味って美味しいよね!
あと、一応上下構成になります。
本当は一話で収めたかったけど、クッソ長くなりそうだったので……。




