閑話#42 柊くんちゃんの初配信を見た諸先輩方の反応
各々が短いからね! うんまあ、うん!
【俊道と冬夜の場合】
らいばーほーむ、男性陣にとってある種の期待の新人の初配信を視聴し、そしてその新人が可変式TSっ娘になったことを知った二人はと言えば……
「ぶっはははははははは!?」
「ふっ、くふっ……あははははっ!」
大爆笑していた。
二人からすれば、常識人でツッコミ担当な男の後輩が入ってくるだけでも嬉しかったし、初配信も思いっきり楽しもうと思っていたら、まさかのTSしていたというこの状況。
普通なら驚くのだろうが、二人はそうではなかった。
むしろ、その辺りはらいばーほーむというべきか、まったくもって予想もしていなかった事態を引き起こして、初配信をし始めた後輩が面白すぎて大爆笑していた。
「おい見ろよ冬夜! 柊の奴すごいぞ!?」
「そ、そうですねっ……ふくくっ」
「しかも、椎菜ちゃんみたいに一方通行じゃなくて、男に戻れるんだってよ! すっげえな!」
「ほ、ほんとそうですねっ。というか、早速ツッコミしてて最高ですねー」
「おう! いやぁ、これはマジで最高だわ!」
「あ、でも見てください。皐月先輩の情緒がジェットコースターしてますよこれ」
「ははははは! マジじゃねーか! あいつ、何気に柊のこと狙ってるもんなぁ!」
「聞きました? プールですごい迫ったって」
「おう、聞いた聞いた! うちで一番の年長者な皐月にも、ようやく春が来たか! なんて思ってた矢先にこれだぜ? マジで面白れぇし、一筋縄ではいかねぇな!」
「本当そうですねー」
二人は昨日あった、プールでの出来事を愛菜から聞いていた。
それにより、皐月が珍しく柊相手に暴走しまくって、迫りまくったということも知っていたので、それを知った時はもういっそそのままくっついちまえ! と笑いながら思っていたのである。
とか思っていた矢先に今回のこの出来事である。
「しっかし、まさか四期生にもTS枠がいるとはなぁ……ぶふっ」
「ですねー。まだ気が早いですけど、五期生を入れるとして、そこにまたTS枠が来たらいよいよですよねー」
「ま、俺らからすりゃ、面白けりゃ何でもいいや!」
「ですね。ともあれ、今後が楽しみですねー」
二人は今も初配信でツッコミまくってる司もとい、凪刃を見て爆笑するのであった。
◇
【二期生三人娘の場合】
「「「ぶふっ!」」」
三人は司もとい、凪刃が登場した瞬間、思いっきり噴き出していた。
「え、マジで!? 彼に一体何があったのよ!?」
「マジやばいし! ってゆーか、これがあの柊っち!? めっちゃ可愛い声してんじゃーん!」
「き、昨日、は男性だった、んです、けど……」
「ってことは、あれjなあい? あたしたちが最後に会ったイベントの日から昨日までの間に発症させたってことでしょこれ」
「だろうねー」
「す、すごい、運、です、ね……」
噴き出した後、画面の中で説明やらツッコミやらをしている凪刃を尻目に、三人はそんなことを話す。
ちなみに、二期生のメンバーが集まってる理由は、単純に三人で配信見ようぜ! と杏実が言い出したからである。
「でも……あれね。彼、似合ってるわね……」
「んねー。椎菜っちも大概だけど、これはこれでありっしょ」
「口調は男性、です、けど、声はすごく、綺麗です、よね……!」
「……すごくネタにしたい。メッチャネタにしたい。可変式TSっ娘……水かお湯をかぶるかで変わる例のアレみたいだけど、そっち方面の作品を書くか、キャラを出すかもあり……でも、生半可なネタじゃ面白くないでしょうし……今後の彼に期待を……」
「ミレーネっち、ネタに困ってるん?」
「大変そうです、ね……?」
「ラノベ作家は常に刺激とネタを求めているのよ……! そして、目の前にまた、面白いネタが転がってるの……! だったら、彼をネタにしなければ、ラノベ作家として恥!」
「ミレーネっちも大概らいばーほーむっしょ」
「です、ね……」
ある意味平常運転だった。
◇
【三期生三人娘の場合】
「「「お、おおぅ……」」」
柊がTSしたのを知った瞬間、三期生の三人はそれはもう……苦笑いであった。
自身の同期にはTSしている核兵器がいるので、そこまで驚くこともないだろうと思われるかもしれないが、TS病はかなり稀。
その稀な病気を発症したどころか、まさかの可変式というとんでもないネタを引っ提げて来た同期の幼馴染兼親友の存在により、三人はものすご~く困惑した。
「まさか、こんなことがあるなんてねぇ……」
「ん、驚き。というか、四期生にもTS枠がいることがすごい」
「ふむぅ~……声は綺麗ですし、私のロリセンサーには引っかからないということはぁ~……おそらく、身長は160センチ程度……顔立ちは多分、ロリ系ではなく高校生系美少女タイプ……十中八九、可愛いと綺麗の中間くらい……範囲外ですねぇ~」
ものすごく困惑していたのだが、困惑から一転して、ド変態のロリコンがやけに真剣な表情で凪刃の中身を見抜いていた。
何こいつ……。
「千鶴さん、なんでそこまでわかるの……?」
「ん、ちょっと……かなり怖い」
「私ほどのロリコンともなれば、声から色々と判断ができるんですよぉ~」
「それはもう人間じゃないぞ」
「化け物の一種」
「一流のロリコンの必須技能ですよぉ~」
「お、おう……あたしたちの同期、やっぱおかしいぞ……」
「ん。椎菜は核兵器且つ天然のおかしさだけど、千鶴の場合は頭のおかしさが異常。というか、愛菜さんに近しいレベルで人間辞めてる」
同期からも人外認定を食らってる千鶴だが、そんなものはどこ吹く風とでも言わんばかりの表情である。
まあ、本人的には特に気にしてもいないのだ。
「それにしても、びっくりですよねぇ~。まさか、椎菜ちゃんの幼馴染で親友な高宮君が女の子になるなんてぇ~」
「昨日は普通にイケメン男子って感じだったのに、びっくりだぞ」
「ん、しかも可変式。あれでまだ変身をもう一段階残してるということ……」
「やー、らいばーほーむもすっごいファンタジーになってきてるぞ」
「ですねぇ~。まあ、私たちの方も、高額当籤させた宝くじもありますけどねぇ~。あれも十分すぎるほどファンタジーでしょうしぃ~」
「ん、あれは間違いなく、椎菜が原因」
「椎菜ちゃん、ほんとに運がいいしねぇ~。おすそ分けとか?」
「なんじゃないですかねぇ~」
「ん、それにしても、ツッコミがすごい」
「うんうん。これでもっとボケても大丈夫そうだぞ!」
こちらもまあ、いつも通りであった。
◇
【椎菜と愛菜の場合】
「( ゜д゜)」
「おおぅ、椎菜ちゃんのぽかん顔とかいうレア顔ぉ! 写真10枚パシャリ!」
突然知らされた、幼馴染で親友な柊が、まさかのTS病を発症させたことを知った椎菜は、それはもうぽかーんとしていた。
そして、そんな顔をさらす椎菜に対し、愛菜は驚く……などということはなく、実に平常運転であり、ナチュラルに椎菜のぽかんとした表情を写真に収めていた。
「って、お、お姉ちゃん!? え、何あれ!? どういうこと!?」
「何って……そりゃ、柊君が女の子になっただけでしょ?」
「だけ!? え、あれってだけで済ませていい物じゃないと思うよ!? だって、女の子になっちゃったんだよ!? すっごく困っちゃうんだよ!?」
「まあ、椎菜ちゃんがそうだもんね」
「そ、それに、それに……! 柊君ずる~~~~~いっ!」
「ごふっ」
なぜか冷静な愛菜に対して色々と言っていた椎菜だったが、突如としてずるいと叫ぶ。
手足をバタバタさせて、まるで駄々っ子のよう。
愛菜と椎菜父は吐血した。
「僕なんて、男に戻れないのに、柊君は男に戻れるなんてずるいよ~~!」
「ま、まあ、柊君の場合は特殊な病気だしねぇ……」
「羨ましぃ……」
椎菜の場合、柊を心配するのもそうなのだが、それ以上にずるい、という感想が一番強かった。
まあ、それはそうだろう。
椎菜とて、今はもう慣れて来たし、ある程度の心の整理がついているのだが、自分の親友がTS病にかかったどころか、男女両方になれるという椎菜からすれば羨ましすぎる状況なのだ。
あれだけ元に戻りたいと願っても一切戻れない椎菜からすれば、嫉妬の対象になっても不思議ではない。
「まあでもほら、今の柊君は椎菜ちゃん的には色々と後輩じゃん? 女の子としても、ライバーとしても」
「はっ! たしかに!」
「いつもは柊君の方が椎菜ちゃんに色々と教えたりしてる柊君だけど、今は椎菜ちゃんの方が先輩!」
「先輩……!」
「ということはだよ? きっと柊君も色々と困っているはず」
「た、たしかに……うん、そうだよねっ! 僕、柊君よりも先輩さんで、お姉さんだもんね!」
「その意気その意気!」
「色々と教えてあげないとだよね! 頑張りますっ!」
ふんすっ、と両手で握りこぶしを作って、意気込む椎菜を見て、愛菜は……
(椎菜ちゃんという可愛い可愛い先輩ができる柊君よ……女になれるようになったのならば、さらに強くしなきゃだよねぇ……? あぁ、別に椎菜ちゃんという可愛い可愛い先輩がいるのが羨ましいとか、殺したいとか、そういうわけじゃないから……ふふ、鍛えないと……)
とかある意味怖いことを考えていた。
こちらの姉妹も、ある意味いつも通りである。
ちなみに、椎菜母は普通に驚いてはいたが、すぐにあらあら、と流した。
◇
【皐月と栞の場合】
一方、柊を狙う肉食動物、城ケ崎皐月はと言えば、
「ホァァァァァァァァァ!?」
発狂していた。
「え、は、はぁぁぁぁぁ!? な、なんっ、なんで、なんで柊君が女性に!? ワッツ!? ホアァ!? んぬあぁぁぁぁぁぁぁぁあ~~~~~~!」
「お、落ち着きぃや! 皐月ぃ!」
「これが! 落ち着いて! いられるとでも~!? あばばばばばばば!?」
「おおぅ、こらあかん……! 皐月が壊れてしもうた……!」
突如として発狂、壊れた皐月と一緒にいた栞は、どうしたものかと頭を悩ませる。
なお、二人が今いる場所は皐月の自宅で、栞がそこにいる理由はまあ……
『栞、私が歓喜で倒れてもいいように、ウチに来てくれ……!』
と頼んできたためだ。
その結果はまあ、見てのとおりである。
最初こそ、
「~~~♪ ~~♪ おっと、お酒とおつまみも出して……よし、準備万端! ふふふ、私の愛しい常識人後輩君の初配信……楽しみだなぁ!」
と、それはもううっきうきだったのだが、オープニング映像が流れ、そこで凪刃が出てきた途端、皐月の動きが停止。
まるで時間を止められたかのようにぴたっ! と止まった皐月に襲い掛かった次なる爆弾は、そう、女性アバターの登場であった。
「( ゜д゜)」
それにより、皐月の脳は処理堕ち。
いやこれは夢だ、と思い込もうとしたのだが、その女性ライバーは自身を凪神司だといい放ち、そしてTS病を発症させたと告げた。
そして、先ほどの発狂へとたどり着く。
「お、女の子……柊君が、柊君が、女性にぃ!? なぜだっ! なぜ、私の春が遠のくっ……! 私のライバー名、春風だよ!? どう考えても、もう春が来てもいい頃じゃないか!? おぉっ、神よっ! 何故私には春がないのですかぁ~~~~~!」
「皐月、ほんまにおかしいで!?」
「君はいいじゃないかっ! 好きな人が最初からTSしてたんだからっ!」
「椎菜さんとそうゆう関係やないで!?」
「ホアァァァァァァァァァァァ!」
「こらあかんわぁっ……!」
皐月の情緒が不安定になりまくる。
ようやく出会えた理想の常識人であり、マジで好みドストライクな年下イケメン男子という存在を最近狙い始めたために、ショックは大きかった。
いや、大きすぎた。
今なんて、四つん這いになって拳を床にたたきつけているほどである。
あと、ついでに発狂した言葉をトワッターに呟いた。
私の春はもうおしまいだぁっ……なんて思っていたら、なんと柊が男女両方になれるTS病であると告げた。
そう、男にもちゃんと戻れるのだ。
「ヤッタァァァァァァァァァ! 神は私を見放さなかったァァァァァ! ホアァァァァァ!」
「皐月の壊れ方が、ほぼ愛菜や千鶴さんになっとるなぁ……」
皐月の壊れように、栞は苦笑い。
と、ここで皐月のスマホが鳴る。
「ん? 愛菜から? えー…………こ、これはっ……!」
「どないしたん? 皐月」
「しゅ、柊君の女の子の写真が愛菜から送られてきた」
「…………胸が、大きいっ……!」
「な、なんという可愛い姿っ……! え、どうしよう、すっごい好みのタイプの女の子! すごく可愛い! いっそモデルに引き込みたいくらいに可愛い! 男の子の姿でも好みで、女の子の姿も好み……これはもう、運命では……!? ハッ!? つまり、神は言っている……彼と添い遂げろと……!」
「皐月!? おかしなことになってんで!?」
「いやぁっ、なんて素晴らしい後輩君なんだろうねっ……! なんかもう、柊君の存在があれば、私はどこへだって行ける気がする……」
度重なる心労もそうなのだろうが、それ以上に柊という存在全てが自分の好みドストライクであるという事実に、皐月がついに壊れた。
「……もう、だめやなぁ、こら……」
そんな皐月を見て、栞は遠い目をしながら、そう呟くのであった。
ちなみに、発狂したり狂喜乱舞したりしていた時の皐月の呟きは、ものすごい反響があったとかなかったとか……。
柊くんちゃんは、ぞくり、と謎の寒気を感じたが、まあ、もう諦めてもろて。
あれで常識人はもう無理があるでしょ。
柊くんちゃん関連になると、頭らいばーほーむになるのが皐月です。
ちなみにですが、柊くんちゃんの写真の出所は、いつぞやの大晦日の時にばったり出くわした時に写真を撮ってました。
あと、その時の女性だったということに、情緒ジェットコースターしてる皐月は気付きませんでした。
まあ、そのうち気付くでしょう!
尚、四期生の方々は配信前に知った感じですが、全員普通に受け入れました。




