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ロリ巨乳美少女にTSしたら、Vtuberなお姉ちゃんにVtuber界に引きずり込まれました  作者: 九十九一
イベント編:聖夜にはどんちゃん騒ぎ! 二日かけての狂人披露会! 吐血もあるよっ!

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イベント1日目:おしゃべりコーナー:2 春風たつなの場合:上

 コミュ障廃人ゲーマーの視点を一度切り上げて、次の人物へ。


「やぁ、初めまして。一期生の春風たつなだ」

『は、ははっ、初めましてぇっ! あのその、雪野心美ですっ! よ、よろしくお願いしまひゅっ!』


 続いての人物はらいばーほーむきっての常識人である、春風たつなだ。


 最近は、お互いに慰め合ったり、鼓舞し合ったり、励まし合ったりした仲である、ツンデレちゃんこと、デレーナ・ツァンストラもいたのだが、気が付くと、後輩の、しかもTSした元男の娘の女子高生におぎゃりだすという、常識人どこ行った状況になってしまい、それはもう、精神が死んでいる。


 あまりにも味方がいなさすぎる状況に、たつなの精神疲労は割とピークだったのだが、実はたつな的に今回のおしゃべりコーナーは一番楽しみにしていたまである。

 何せ、他の頭のおかしいライバーたち(一名を除く)のつっこみをしなくてもいいからである!


 しかもそれが、四時間半も続くと言うのだ。

 その間は、来てくれたファンとのんびり、なごやかに話すだけでもいいわけで。

 たつな的には、イベント期間における、給水所のようなコーナーなのである。


「ははっ、そう緊張しなくても大丈夫だよ。ところで、君付け、ちゃんづけ、どっちで読んで欲しいかな?」

『く、君付け一択ですっ!』

「了解した。それじゃあ、心美君、改めて今日は来てくれてありがとう。心美君はどこから来たのかな?」

『ひ、兵庫県からでふっ!』

「兵庫、さぞかし来るのに大変だっただろうね。遠い所から、会いに来てくれてありがとう。すごく嬉しいよ」

『わ、私っ……もう死んでもいいっ……!』


 突然、目の前の女性ファンがわっと顔を覆ってアレなことを言いだした。


「急にどうしたんだい!?」

『だ、だってぇ……さ、最高にカッコいい、たつな様ににこって微笑みながら嬉しいって言われるとか……死んじゃうくらい嬉しいんですぅ~~~~っ!』

「そ、そうなのか。なんというか、そこまで喜ばれると照れるね……」

『たつな様の照れ顔っ……私のたつな様専用の記憶領域に刻み込んでおきますっ!』

「あ、うん。そっか」


 たつなは真顔になりそうな表情を、なんとかしてにこやかな物に維持!

 伊達に、らいばーほーむの問題児たち(九割九分九厘問題児)に揉まれていない!


「と、とはいえ、折角来たことだし、心美君の話しを聞いてみたいな」

『わ、私の!? え、えとじゃ、じゃあ……好きな人とかいるんですか!?』

「VTuberにその話題はある意味禁句では?」

『ハッ!? す、すみませんっ!? 気が動転して……で、でも、たつな様って、女性の方が好きなんです、よね?』

「どこ情報!?」

『え? たつな様ファンクラブ、『たつな様を困らせ隊』では、常識ですが……』

「ちょっと待って? 私の知らない団体の単語が聞こえて来たんだが!? え、『たつな様を困らせ隊』って何!?」

『らいばーほーむの人たちに、日夜ツッコミ入れ困らされているたつな様を応援しつつ、困っている姿の供給を受けて、狂喜乱舞するようなファンクラブです』

「――へ、へぇ~~っ、そ、そう、なんだぁっ⤴?」


 知りたくなかったファンクラブの存在と、その活動内容に、頬が引き攣りそうになるのを鋼の意思で押さえつけ、普段の笑顔をキープした物の、声についてはキープできずに上ずってしまった。

 二年以上らいばーほーむで活動して来て、初めて知った非公式ファンクラブの存在に、たつなはものすご~~~くツッコミを入れたい気分になっていた。

 が、しかし、相手は一般人で、楽しみにしていたファンと言うこともあり、ぐっとツッコミたい衝動を飲み込む。


『そ、それで、たつな様的にはどうなんでしょうかっ!』

「ど、どうとは?」

『たつな様は……ひかり×たつななんですか!? それとも、デレーナ×たつななんですか!? あ、大穴でいるか×たつなの可能性も!?』

「どれも違うけど!?」

『エッ!?』

「嫌なんで驚くの……?」

『だ、だって、たつな様って、みたまちゃんにプロポーズしてたじゃないですか! どう考えても、たつな様は女性の方が好きですよね!?』

「――」


(あぁっ、あれかぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~!?)


 たつな、痛恨のミス!

 過去の核爆弾というか地雷が、未来の自分に向かって速達便で飛んできたッ!

 初手から、過去からの核爆弾式地雷が飛んで来て、たつなは心の中で叫ぶ!

 あと、あの時の自分を恨む!

 あの時、プロポーズしなければ、今こうして、心の中で頭を抱える必要がなかったのだから!


「い、いや、あれは、ほら。あまりにも、精神が疲弊していたところに、みたまちゃんの家庭的で最高な肉じゃがを食べたからだからっ! あの時の私が疲れていただけだから! あと、私が受け扱いなの!?」

『え、でも、元々たつな様って、ひかりさんと一緒にいる時から割と楽しそうだった気が……』

「ひ、否定できないっっ……!」


 実際問題、たつな的に、あれだけ疲労困憊、精神疲労が凄まじい状況でらいばーほーむを辞めたり、休業したり、距離を取ったりしないのは、単純にらいばーほーむで活動するのが楽しいからに他ならない。

 あと、大人になってもバカやれるというこの状況がとても幸せなことだと思っているからだ。

 大人になると、学生時代の頭の悪いノリ(いい意味で)ができなくなるものである。

 それが出来る今の環境を心の底から気に入ってるからこそ、辞めないのだが……まさか、それも理由で女性の方が好きと思われているなど思っていなかったたつなからすれば、大変ん複雑な心境である。


『やっぱり、たつな様は女性好き……! やっぱり、ひかりさんですか!? あ、でも、ひかりさんには、みたまちゃんがいますし……デレーナさん? それとも、いるかさん!?』

「どっちも違うけど!? あと、私は男性の方が好きだから!」

『――そ、そんなっ……!』


 ドタバタンッ!

 たつなの言葉に、なぜかショックを受けた女性ファンがその場に音を立てて、大袈裟に崩れ落ちた。


「え、大丈夫かい!?」

『ま、まさか、たつな様が男性の方が好きだったなんてっ……!』

「どこにショックを受けてるんだい!?」

『まあでも、たつな様も乙女ってことですよね』


 ショックを受けていたと思ったら、なぜか速攻で復活。

 けろりとした表情である。


「切り替えが早すぎて、私のツッコミと情緒が追い付かないっ……!」

『いつものたつな様って感じの表情、ありがとうございますっ! ファンクラブの同志たちにも自慢します!』

「しなくてもいいよ!?」

『いえ、それはダメです! ファンクラブ、総勢30万名の想いを背負ってここに来てるんです!』

「非公式ファンクラブなのに、アホみたいな人数がいることが驚きだし、どうしてそんなに集まってしまってるんだい!?」

『なので、この後は自慢させてもらいます!』

「あ、うん、そっか……うん、よかったね……」


 あまりにもらいばーほーむなファンに、たつなの精神的ライフゲージがゴリゴリ削れていく。

 既に三割消し飛んでしまっているが。


『あ、最後に一つだけ、お願いしてもいいですか?』

「ん、あぁ、もちろんいいよ。なにかな?」


 ファンからお願いと言われると、たつなはすぐににこやかな表情で承諾。

 プロである。


『その、イケボで、心美ちゃん愛してるって言って欲しいんです!』

「あぁ、それくらいな構わないよ」

『え、いいんですか!?』

「あぁ。そこまで大変なことでもないし、折角来てくれたんだからね。それじゃあ、準備はいいかい?」

『はいっ! いつでも準備はできてます! たとえ、隕石が落ちて来ても、ここから動きません!』

「それは逃げてほしいかな」


 まともなボケが飛んで来たので、たつなは安心して普通のツッコミをする。

 さっきまでがおかしかったのである。


「それじゃあ、言うよ?」

『はいっ!』

「――心美君、愛してる」

『はきゅ~~~~~んっ!』


 リクエストのあったセリフを、それはもう男女関係なく思わず聞き惚れてしまうような、甘いイケボでセリフを言うと、女性ファンは謎の声を出して胸を抑えだした。

 心なしか、表情がヤバイ。

 具体的には、公衆の面前で女性が絶対に見せられないような、そんな表情である。


「っと、そろそろ時間か。心美君、今日は来てくれてありがとう。ツッコミだらけではあったが、とても楽しかったよ」

『こ、こちらこそ! 幸せな時間をありがとうございましたっ! 今日のことは死んでも忘れませんっ!』

「死んだら記憶が残らないんじゃないかなぁ……」


 そんなこんなで、最初のファンとのおしゃべりが終了。

 その後も、同じような人種の人たちが来た。

 心なしか、男性ファンよりも女性ファンの方がやや多かった気がしたが。

 一応ランダムでライバーが決まるのだが。

 そんなこんなで、時にはツッコミをし、時にはイケボリクエストを受け、時にはイケボで相手をノックアウトしていたたつなだが、途中でまさかの人物と遭遇。


「やぁ、今日は来てくれてありがとう、春風たつなだ……って、ん!?」

『あー、どうも、たつなさん』


 柊である。

 柊は、苦笑い交じりにどこかそっけない挨拶をする。


「え、あ、え? ちょっと待って? え? なんで君がここに!?」

『まあ色々ありまして……あ、俺がここにいることは、しい――じゃない、幼馴染には内緒で』

「それは構わないが……いや本当にどうして? もしやチケットを当てたのかい?」

『あー、まあ、そんなところです』


 何かを誤魔化すような柊の様子に、たつなう~ん? と訝しむ。

 何か裏がありそうだ、と思ったものの、相手は今は一般人。

 まだらいばーほーむ入りが確定しているだけの、一般人なのだ。

 根掘り葉掘り聞くのも、マナー違反だろうと思い、聞かないことにする。


「まあでも、君が来てくれたのか……なんだろう、ここまでの間に、色々あって疲れた私からすると、とても心が安らぐよ……」

『……そ、そうですか』

「一応防音にはなってるし、一番前に並んでるファンとは離れた位置ではあっても、あまり大きな声では言えないが……心変わり、してない? らいばーほーむのイベントや、普段の私の配信を見て、あ、やっぱり辞退します、とか思ってないよね? ね? 頼むから、私を一人にしないでよ? いや本当に。ね?」


 どことな~~くヤンデレっぽい雰囲気を漂わせながらの発言に、柊はやや苦笑い。


『……正直、未来のことを思うと胃が痛くなりましたが、辞退する気はないですよ。というか、あの、なんか目のハイライトが消えた様な話し方、ちょっと怖いんですが……』

「す、すまない。今の私のモチベーションは、君が入って来ることだから!」

『いい笑顔で何言ってるんですか……いやまあでも、入ったら頑張りますよ』

「私の目に狂いはなかったっ……! 本当に運命だよっ……!」

『ここで運命とか言うのは危ないですよ!?』

「おっとすまない。つい、感極まって」


 この人も大概壊れてきてない? 柊はそう思った。


「とはいえ、君が来てくれてよかったよ。君の番になるまでに間に、色々あったものだから……うん、癒される」

『俺よりも、三期生の癒し枠の方が癒されると思うんですが』

「それはそうだけど、あっちは命の危険が伴うからね。下手に癒されると、速攻で臨死体験に移行してしまうから」

『俺の幼馴染、死神か何か……?』

「間違ってはいないんじゃないかな。ひかりやふゆり君などが最たる例だし、デレーナ君も壊れてるし」

『あー、はい。正直、クラスメートもそんな感じですよ……』

「やっぱり?」

『常にキルスコア稼いでます』

「ねぇ、みたまちゃんって別に、殺人鬼……じゃなくて、殺人姫ってわけじゃないよね?」

『どこを言い換えたのかはなんとなくわかりますが……素です』

「素かぁ……とはいえ、みたまちゃん、だからね……うん、いいと思います」

『何に対してですかね、それ』

「人生?」


 やっぱりこの人も大概壊れてるのでは……?

 と柊は思ったが、同時にあることを思い出す。

 世間一般で言う常識人とらいばーほーむで言う常識人は決定的に違うと。

 世間一般での常識人は、突拍子な行動はしないし、何より普通に、平穏に毎日を過ごす人なわけで。

 だが、らいばーほーむの常識人の場合、ルビが「じょうしきじん」ではなく「バーサーカー」になる。

 まあ、あんな頭がおかしくなる環境に身を置きながら、常日頃から楽しいと言う原動力だけで、頭と精神と心をバッキバキにぶっ壊しながら突き進む様は、まさにバーサーカーだろう。

 まあそもそも、普通の常識人やツッコミ担当では、らいばーほーむに入れないのだが。


「何はともあれ、うん、君の口からやる気のある言葉が聞けて良かったよ。期待してるよ」

『何とか頑張ってみます』

「うん、私もサポートするので、頑張ってほしい。そして、らいばーほーむらないでほしい」

『すごい圧力を感じるんですが』

「念願のまともな常識人の到来だからね。私も感極まってしまってるんだよ」

『そ、そうですか』


 ……俺の胃、持つだろうか、と目の前のたつなを見て、柊はそう思うのであった。

 残り時間は、なんてことない雑談をして、二人のおしゃべりは終了となった。


 現在のたつなのライフ 89/100 柊との会話で50回復。

 この回を書いて、実はたつなはヤンデレ属性を兼ね備えているのでは? とか思うようになりました。

 やっぱりこう、美人が苦労してる様ってなんかいいよね! なので、たつなには頑張ってもらいます(邪悪な笑み)。

 次回もルーレット! 誰が来るか私にもわからんよ!

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― 新着の感想 ―
結局ツッコミ役をやる羽目になるのかw
まさかの2人目で常識人がぁwww これからデスマーチかぁ、、、 柊くんやっぱりそうよなあ というかたつな様知らないということは 全ライバー知らないサプライズかあ ヤンデレたつな様ちょっといいと思ってい…
ヤンデレたつな×柊か・・・・・・楽しみだ!
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