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ロリ巨乳美少女にTSしたら、Vtuberなお姉ちゃんにVtuber界に引きずり込まれました  作者: 九十九一
2023年 11月

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230/462

バレンタイン特別IF:メイン#3 椎菜×双子

 ラストォ!

 2月以下略。

 もう五話目なので冒頭部分は特に無し。

 というわけで、バレンタインから二週間ほど前のこと。

 美月小学校にて。


「ねえねえ、みまちゃんみおちゃん!」

「ゆなちゃん?」

「……どーした、です?」

「二人は、バレンタインはチョコをだれかにあげるの?」


 その日はなんてことない平日で、いつも通りに小学校へ登校したみまみおの神薙双子姉妹は、昼休みに友達のゆなにバレンタインのことを訊かれていた。


「「バレンタイン?」」


 が、しかし、そこは生まれたばかりの幼女神二柱。

 言葉や文字などは知識として持っているものの、バレンタインについては知らなかった。

 まあ、知らなくて当然とも言えるが。


「バレンタイン、しらないの?」

「しらない」

「……し、しらない、です」

「そーなんだ! んっとねー、バレンタインっていうのはねー、女の子が、すきな人にチョコレートをあげる日なの!」

「「すきな人……?」」

「うんっ! 男の子やおにいちゃん、おねえちゃん、パパママにわたしたりするんだよっ!」

「「!」」


 ゆなのその説明に、二人はぴこんっ! と反応した。

 もしも耳と尻尾を出していたら、耳はと尻尾はぴんっ! としていただろう。

 反応したのはもちろん……。


「おかーさんに、わたす……?」

「うんっ! すきな人だから、すきな人ならだれでもいいんだよー」

「……おかーさんに、プレゼント」

「みおちゃん、おかーさんに、プレゼントしよー……!」

「……んっ! みまおねーちゃん、わかってる、ですっ」


 好きな人なら誰でもいいと言う言葉に、二人はある意味当然と言うべきか、自分たちの大好きな母親こと、椎菜にプレゼントをすることに決める。。


「二人はママにわたすの?」

「うんっ」

「……(こくこくっ)」


 ゆなの言葉に、みまは小さな笑みを浮かべて肯定し、みおはこくこくと首を縦に振って肯定の意思を示した。


「そーなんだ! 男の子にはあげないの?」


 なんてゆなが尋ねると、二人はこてんと首を傾げた。


「んっと……おかーさんが、一ばん」

「……おかーさんが、だいじ、です」

「そーなんだね!」


 なんて言うと、それを聞いていたおませな男の子たちが、残念そうにした。

 二人がこのクラスにやって来て既に二ヶ月半。

 すっかりクラスに馴染んだ二人は、気が付くと学年でも人気の双子として有名になっていた。


 二人ともとても可愛らしい容姿をしているし、性格面も椎菜が元であるからか優しく、勘違いをしてしまう男子が多数。

 あとはまあ、頑張って気を引こうとする男子もいるが……母親大好きな双子なので、あえなく撃沈。

 というか、その意図が全く伝わっていないので本当に可哀そうになっている。


 まあ、元が椎菜という恋愛方面に疎い存在なので、二人も割と疎い……とはいえ、小学一年生なので、仕方なくもあるが。


「じゃあじゃあ、二人はなにをプレゼントするの?」

「んぅ~~……なにがいー? みおちゃん」

「……んんぅ、なにがいいです? みまおねーちゃん」

「「んぅぅ~~~……」」


 お互いに顔を見合わせて、何をプレゼントするのか、二人は考え込む。

 その様子はとても可愛らしい物だった。

 髪色や目の色は違うものの、顔立ちや背格好などは限りなく同じなので、双子感が強い。

 まあ、正確に言えば生まれた時期がやや違うので、双子とは言い切れないのだが、そんなことを知る由もないので、クラスメートたちや教職員は双子だと思っている。


「ゆなちゃんは、なにをあげるの?」

「わたしは……んっと、パパにチョコをあげるの!」

「チョコ」

「うん、チョコ! ママといっしょにつくって、パパにあげるの!」

「いっしょに、つくる……!」

「……いい、ですっ」

「二人もつくるのー?」

「んっ、つくりたい」

「……(こくこくっ)」

「そーなんだ! じゃー、がんばらないとね!」

「うんっ」

「……がんばる、ですっ」


 二人は、ゆなのプレゼントを聞いて、自分たちもチョコを作って椎菜にプレゼントすることに決めた。

 しかし、双子はどうせならバレンタインの日までは秘密にして、その日に明かしてプレゼントしたいとも思った。

 でも、そうするとお菓子が作れない。

 じゃあどうしようかとなった二人は……。


「「おばーちゃん、おかしをつくりたいですっ!」」


 おばーちゃんこと、椎菜の母、雪子に作り方を教わることにした。


「あらあらあら! もちろんいいわっ! さぁ、二人ともランドセルを置いてきて、手洗いうがいをして、早速作りましょっ!」


 そして、おばーちゃんは即答で作り始めようとした。

 ツッコミ不在。

 ともあれ、二人は雪子の言う通りランドセルを置いてきて、手洗いうがいをしてから再びリビングに戻って来た。


「うん、二人ともぴったり!」

「「おー……!」」


 リビングへ二人が戻って来ると、雪子はエプロンを二着持って待っていた。

 そしてそれを二人に着けさせると、満足げに頷く。

 二人は初めてするエプロンが物珍しいのか、お互いにくるくると回りながら似合っているかどうかを見ていた。

 とても愛らしい姿に、雪子は鼻血を流している。


「さてと、それで二人はどうして突然お菓子作りを?」


 普通は一番最初に訊くべきことのはずなのに、準備万端にしてから聞くと言う溺愛っぷりである。

 二人が桜木家に住むようになってからというもの、二人は大層可愛がられており、母の雪子など可愛い孫が二人もできたことで、早速親バカならぬ、ババ馬鹿になっており、二人がお願いしてこようものならノータイムでOKするほどだ。


 まあ、それはどこかのシスコンも大差ないし、父の聡一郎も同じだが。

 全員、双子に甘いのだ。


 とはいえ、やってはいけないことなどはしっかりと教えているし、間違ったことをしていたらしっかり注意するので、そこは大丈夫だ。


「んっと、バレンタインがあるって、しったからっ」

「……おかーさんにプレゼント、したいです……!」

「あぁ、なるほど~。二人はバレンタインのことを知らなかったのね。ということは、クラスのお友達から?」

「うんっ」

「……おしえてもらったですっ」

「そうなのね~。それで椎菜にお菓子をプレゼントしたいと。……うんうんっ! すごくいいと思うわ! むしろ、椎菜ならすっごく喜んでくれるはず!」

「ほんと?」

「……よろこんでもらえる、ですか?」

「もちろん! あの娘、二人のことをすっかり溺愛しているし、きっと大丈夫! 二人のプレゼントっていうだけで、喜んでくれるはず!」

「んっ、じゃー、がんばるっ」

「……みおもっ」

「それじゃあ、おばあちゃんと一緒に、美味しいお菓子を作りましょう!」

「「おーっ!」」


 というわけで、双子と祖母によるお菓子作りが始まった。



 お菓子作りをするのが決まったはいいものの、何を作るかという話題になる。

 お菓子作りと一括りに言っても、簡単な物から、難しいものまで千差万別。

 しかも、今回作るのは神様とはいえ、小学一年生ほどの子供である。

 雪子は二人に希望を聞きつつ、どんなお菓子を作るかを考えて考えて、考えた結果……


「色々と考えた結果、クッキーを作ることにします」

「「クッキー!」」


 クッキーに決まった。

 クッキーを作ることになると、双子はどこか嬉しそうに言葉を繰り返した。

 というのも、二人は椎菜に良くクッキーを焼いてもらっており、それが大好きなのだ。

 それに、普段から良く作ってもらっていると言うこともあり、二人は作り方に興味津々。


 雪子としては、クッキーなら子供でよっぽどがない限り火傷や怪我などをしないと言う判断で選択。

 あとは、いろんな形を作れるのもあって、楽しいだろうと言う考えからでもある。

 そして、これが雪子にとって最大の理由。


 それは……


(二人が椎菜のためにきゃっきゃとクッキーを作ってる姿が見れるっ……! 絶対型抜きしてるところとか可愛い!)


 というものだ。


 クッキーと言えば、様々な形に焼くことができると言う大きな利点がある。

 トランプだったり、花だったり、星だったり、ハートだったり、それはもう様々で、100均に行けばいろんな形の型抜きが売っているほど、クッキー作りは割とメジャーであろう。

 特に、子供は割と型抜きのような行為が好き。

 絶対に可愛い……!

 雪子はそう確信している。


「ともあれ、まずは練習から! いきなり本番で失敗しちゃったら、残念だからね」

「がんばるっ」

「……がんばる、ですっ」

「ふふ、いい意気込みね。それじゃあ、早速作っていきましょうね!」

「「はーいっ」」


 というわけで、クッキー作り開始。

 基本的なクッキー作りの工程は、常温に戻したバターをクリーム状に混ぜる、砂糖を入れる、溶き卵を三回に分けて入れる、薄力粉をふるいで入れてヘラでさっくり混ぜ合わせる、粉が見えなくなったところで麵棒などで伸ばす、最後に型抜き等でいろんな形にくりぬいて、最後にオーブンで焼く、となる。


 基本的に、最初のバターを混ぜるが一番大変なので、そこは雪子がやることになる。

 二人がするのは、その後の混ぜる工程から。


「いい? こうやって、切るように混ぜるの」

「どーして?」

「……んぅ、ねらない、です?」

「うん、練っちゃだめなの。もそもそ~ってしちゃうし、なにより美味しくなくなっちゃうの」

「「なるほど~~っ」」

「だから、こうやってさっくりと切り混ぜるくらいでいいの」


 そうやってお手本を見せる雪子。ちなみに、現在ボウルは二つあり、片方はお手本で雪子が作るよう、もう片方は二人が作るようだ。

 重労働だったり、大変な部分だったりは基本的に雪子がこなす。


「じゃあ、やってみて?」

「んっと、こー?」

「そうそう、上手ね~、みまちゃん」

「……みおも、やる、ですっ」

「あらあら、みおちゃんも上手~。やっぱり、元が椎菜だから、こういう料理やお菓子作りの才能も似たのかもしれないわね~」


 早速やらせてみたら二人とも上手だったこともあり、雪子はにこにこ顔で二人を褒めた。

 二人はえへへぇ、と嬉しそうにはにかむ。


「うん、それくらいでいいかな。それじゃあ、一旦冷蔵庫で休ませます」

「「やすませますっ」」


(私たちの孫が可愛すぎる件について……)


 二人は初めてのお菓子作りが楽しいようで、かなりうっきうきである。

 そんな二人を間近で接している雪子は、鼻血がだらっだらである。

 尚、絶対に生地にかからないように、鼻にティッシュを詰めている。

 色々台無しだ。

 そうして、30分ほど寝かせた生地を取り出すと、大き目なまな板の上に載せた、


「さて、ここは大変なので、おばあちゃんがやっちゃうね」

「「はーいっ」」

「こうやって、麵棒で伸ばしていくのよ~」

「「お~」」

「ぺったんこー」

「……ぺったんこなのですっ」

「うふふ、そうね~。……うん、こんな感じね~。そしたら、これかは型を抜きます!」

「かたー?」

「……かたって、なんです、か?」

「形のことね~。こういうので、くりぬいていくの。こうやって……ね?」


 雪子はうさぎの形をした型を手に取ると、それを使ってぐりぐりと一枚型を取った。


「みまもやるっ」

「……みおも、やる、ですっ」

「ふふっ、じゃあ、どんどん作っていきましょ。折角だし、お部屋で仕事中のお姉ちゃんに持っていきましょうか」

「「うんっ!」」

「おねーちゃん、よろこんでくれる?」

「……おいしー、っていってもらえる、です?」

「愛菜なら大丈夫。たとえどんな味でも、美味しい美味しいって食べてくれるはずよ」

「「わーいっ!」」


 雪子の言葉に、二人は嬉しそうな反応を見せた。

 二人にとって、愛菜も大好きな人の一人だ。

 一番はもちろん椎菜ではあるものの、椎菜を除外すると大好きな人はいっぱいいる。

 愛菜だったり、雪子と聡一郎だったり、どこかのおばーちゃん(20歳 ※この頃には既に誕生日を迎えているため)だったり、他にもらいばーほーむのライバーだったりと、たくさんだ。

 特に桜木家にて一緒に暮らしている三人は、二人とって身近な家族となる。

 愛菜との関係性としては、叔母にはあたるがまあ、お姉ちゃん呼びである。

 そんな愛菜に食べてもらって、美味しいと言われたいと、二人は思ったのだ。


「それじゃあ、どんどん作りましょ」

「「おーっ」」


 二人はきゃっきゃと楽しそうに型を抜いて、その横で雪子は口の端から血を流していた、とてもいい笑顔で。


 それからクッキーの型抜きが終わったので、早速焼いていく。

 ちなみに、既に余熱は済んでいるので、問題は無しだ。

 焼けていくと、甘い匂いがリビングに充満していく。


「あまいにおいー」

「……あまい、です」

「そうね~。……ん、そろそろOK! それじゃあ、早速焼き立てを、お姉ちゃんに持っていきましょうか!」

「「はーいっ」」


 焼き上がったクッキーを取り出して、半分くらいを皿に載せて、二人は愛菜の部屋へ向かった。


「「おねーちゃん!」」


 とてとてとてっ! と少し駆け足気味に二人が愛菜の部屋に入った。


「みまちゃんとみおちゃん? どうしたの? 何かお姉ちゃんにお願いごとかなー?」


 仕事中であるにもかかわらず突然入ってきた二人に、愛菜は一度作業する手を止めて、二人を笑顔で迎え入れる。


「んっとね、おねーちゃんにクッキーあげにきたのっ」

「……た、たべて、ですっ」

「クッキー……だとっ……!?」


 そんな愛菜に、みまとみおがクッキーをあげに来たと言うと、まるで雷が落ちたかのような反応を見せた。


「どーぞ!」

「……どーぞ、なのですっ」


 そんな愛菜など気にも留めず、二人は笑みを浮かべて、クッキーが乗った皿を差し出す。

 それを震える手で愛菜は受け取った。


「こ、これ、どうしたの?」

「おばーちゃんと作ったのっ」

「……がんばったですっ」

「て、手作りクッキー……!? 二人が持って来たクッキーというだけで嬉しすぎるのに、手作りとか……絶対に食べなければならないものすぎるっ! いただきますっ! はむっ――」


 一枚のクッキーを口に入れた瞬間、愛菜は滂沱の如き涙を流した。


「お、おねーちゃんどーしたの……?」

「……おいしくなかった、ですか……?」


 突然泣き始めた愛菜に、二人は美味しくなかったのかも、と不安になった。

 しかし、相手は椎菜大好き且つ、双子大好きなシスコンモンスターである。


「美味しいっ……私は、ここまで美味しいクッキーに出会ったのは、椎菜ちゃんが作ったクッキー以来だよっ……!」


 割と大袈裟な感想を述べた。

 まあ、本気で思っているのだが。


「おいしー、って言ってくれたっ」

「……んっ、せいこーっ」

「「いえーいっ!」」


 ぺちっ! と二人でハイタッチ!


(あ、やばい、メッチャ吐血しそう……鼻血もやべぇ……)


 可愛らしい二人の行動に、愛菜は鼻血が出そうになっていた。

 が、さすがに喜んでいる二人の前でそんなことはしなかった!

 シスコンも日々進化していると言うことなのかもしれない。


「じゃー、おばーちゃんのところにいくねっ」

「……んっ、いっぱい、たべてくださいっ」

「もちろん! 大事に食べさせてもらうね!」


 そう言って、双子は部屋を出て行き……


「ゲハァァァッッッ!」


 シスコンは耐えていた分の血液を全て噴出して死んだ。


 尚、クッキーには一切血がかからなかったところを鑑みるに、よっぽど大事だったようである。

 それから双子は喜んでくれたことを言うと、自分たちも焼き立てのクッキーを食べて、愛らしい姿を見せて祖母が死にかけた。



 そんなこんなでクッキーの練習をして、バレンタイン当日。


「んん~~~っ! はぁ……なんだか疲れちゃったなぁ」

「クラスメート全員分とらいばーほーむのメンバー全員にチョコを作ったら、そりゃ疲れるだろうに」

「椎菜ちゃん、バイタリティーがすごいよねぇ。特に、調理方面に」

「あ、あははは、女の子になったからつい……」


 その日はバレンタインパーティーで、例によって椎菜がクラスメートとらいばーほーむのメンバーにチョコを作って渡していた。

 ちなみに、らいばーほーむのメンバーに渡す方は、今日行われる配信の時に全員に渡すつもりだ。

 そうして、バレンタインパーティーを楽しんだ三人は、今は帰宅途中だ。


 尚、例によって柊は鬼ごっこをしたが、年々上達している事、そしてどこかのシスコンの魔改造とも言うべき修行によって、全く問題の無いくらいに鍛えられているので普通に逃走に成功。

 まあ、さすがに裏技(窓から飛び降りる)を活用したが。


「それじゃ、俺はこっちだからな。また明日な」

「あたしも! 椎菜ちゃん、チョコありがとう!」

「ううんこちらこそ! また明日ねー!」


 いつもの場所で別れて、三人はそれぞれの家路に就いた。

 椎菜も真っ直ぐ家へ。


「ただいま~」


 そうして、家の中に入って……いつものように、双子が抱き着いてこないことに疑問を覚えた。

 いつもなら、帰ってきた瞬間に抱き着いてくるのだが、なぜか今日は来る気配がない。


「どうしたんだろう? ……すんすん、あれ? なんだか甘い匂いが……とりあえず、着替えてこよう」


 ふと、ふわりと甘い匂いが漂ってきてこてんと首を傾げたが、一度荷物を置いて着替えるために自室へ。

 部屋着に着替えて、甘い匂いがしているリビングへ行くと……。


「「おかーさん、おかえりなさいっ!」」


 ばふっ、と二人が抱き着いて来た。


「ただいま。でも、どうしたの? いつもなら玄関で抱き着いて来てたけど……」


 いつものように抱き着いてきたので笑みを零すと、椎菜はどうして玄関に来なかったの二人に尋ねた。


「んっとね、おかーさんにこれプレゼントっ!」

「……がんばってつくった、ですっ!」

「え、これって……クッキー?」


 椎菜の疑問に答えるように、二人は可愛らしい包みに入ったクッキーを椎菜に差し出して来た。

 まさかのクッキーに、椎菜は思わずきょとんとする。


「うふふ、椎菜にバレンタインのプレゼントがしたい~、って言って、頑張って練習したのよ~」

「ふぇ!? そ、そうなの!?」

「えへぇ、おかーさん、すごいー?」

「……ど、どう、ですか?」

「うんっ、すごいよっ! へぇ~~~、二人が僕のためにクッキーを……うんっ、ありがとうっ! すっごく嬉しいよ!」

「「わーいっ!」」


 椎菜が満面の笑みでお礼を言うと、二人はすごく嬉しそうな反応をした。

 大好きな母親に褒められご満悦だ。


「じゃあ、早速一枚……はむっ…………わっ、すっごく美味しい!」

「ほんとっ?」

「……やった、ですっ」

「うん、すごく美味しいよ! 二人とも、本当にありがとう!」


 そう言って、椎菜は二人を抱きしめた。

 二人は美味しいと言ってもらえたことと、椎菜から抱きしめられたことに対してとても嬉しそうだ。

 その奥では、雪子と聡一郎が鼻血を流しており、よく見ればシスコンが床に倒れていた。とても安らかな表情である。


「それじゃあ、そんな二人には僕からのバレンタインのプレゼントです」

「「ほんと!?」」

「うん、はい、これ」


 そう言って椎菜が二人に差し出したのは、色とりどりのグミが入った包みだった。

 赤、黄色、オレンジ、緑、紫と様々であり、よく見れば形も色々。


「わーっ! きれー!」

「……きれー、ですっ。かわいーっ」

「ふふっ、甘い物よりも酸っぱい物が好きだから、試しにグミを作ってみたの。いろんな味で作ってあるからね」

「「ありがとー、おかーさんっ! だいすきーっ!」」

「僕も大好きだよ~~」


 さらにぎゅぅぅ~~っと抱き着く神薙母娘。

 そこには、ひたすらに微笑ましく、そしてとても尊い光景があり……。


「「ごふっ……」」


 それを見守っていた雪子と聡一郎が吐血してぶっ倒れた。


 ちなみに、秘密の特訓をしている間、雪子はそれはもう血を吐きまくり、味見で食べまくった聡一郎と愛菜も、双子の愛らしさ、そして双子が作ってくれたクッキーが原因で血を吐きまくって、既に体力はレッドゾーンに入っていたが、今この瞬間の光景によって、更なるダメージを負い……安らか~~~な笑みで、死ぬのだった。



 そして、毎年バレンタインになると、神薙母娘の尊い光景が繰り広げられることになり、この期間の桜木家の食卓には毎日のようにレバニラが並ぶことになったそうな。

 はい、以上! バレンタインIFでした!

 いやもう、マジで疲れた。書き始めたのが大体土日くらいでしたが、いやもう、ほんと頑張ったわ、私。

 最後の、ロリピュアと双子の話を描いてる時なんて、風邪引いて三日休んでた時以上の頭痛がありましたからね! 頭使い過ぎたぁ! まあ、なんとかなったからヨシ!

 はい、ここから裏話。

 今回5話になった理由ですが……まあ、アンケートが思った以上に来ちゃったのと、結構いい勝負してたんですよ、票数。当初は2話だけの予定でしたが、最終的に「もうこれやれるところまでやろうぜ」になって5話になった。まあ、最初の2話に関しては、小話セットなので、実質7話みたいなもんだけど。

 あと、とんでもねぇ話をすると、実は麗奈編と栞編の二つはセットで、双子編と皐月偏がメインの予定だったんですが……諸事情で皐月編は切ることに……理由としては、既に小話の方で柊×皐月でやっちゃったからですね。さすがに、同じキャラを別キャラで組ませるのは……あと、出番多すぎ、って考えた結果が今回。

 それから、麗奈編と栞編は本当は5000文字くらいで終わらせる予定でしたがクッソ超過した。

 そして最後。実は2話から5話になる間ですが、割と本気で8話くらいにしようとしてましたが、さすがに無理だったので5話になってます。

 まあ、実際は5話でも割かしギリギリだったので正解だね! ナイス英断! 私!

 あと、個人的に麗奈編がちょっと強引過ぎてね……まあ、仕方ないとします。あれはもう。

 ともあれ、これでバレンタイン話は終わり! 明日からいつも通りに本編ですのでね!

 あ、どの話が良かったか、みたいなのがあったら教えてもらえると嬉しいです! 正直、どれがうけてるかわからんからね! 以上、クソ長いあとがきでした!

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― 新着の感想 ―
どのIFでも柊君の鬼ごっこと椎菜のバレンタイン配布はほぼ変わらないwwあと恋人特典(魔改造)もかw 麗奈ちゃんの場合IFじゃなくてもいずれ魔改造が待ってそうな気がするんですが•••
いやぁどの話も良かったけどあえて1番を選ぶなら…やっぱり母娘の話かな!椎菜ちゃんと双子ちゃんが尊すぎて…リアル血のバレンタインになりかけた…
まだ進化するのかシスコンw
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