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ロリ巨乳美少女にTSしたら、Vtuberなお姉ちゃんにVtuber界に引きずり込まれました  作者: 九十九一
2023年 10月

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閑話#16 三期生の大人組の日常(笑)

「二人で出かけるのは、これが初めてでしたっけぇ~?」

「ん、多分」

「寧々さんは大学ですしぃ~、椎菜ちゃんはなんでもお出かけとのことだったのであれですけどぉ~……こうして、藍華さんと二人で出かけるのは、なかなかに新鮮ですねぇ~」

「ん、たしかに。私も新鮮」

「ですよねぇ~」


 と、電車内でうるさくならない範囲で話す、二人の大人の女性。

 片やおっとりとした雰囲気のお姉さん属性が強めな美女で、片ややたらカッコいい上に、メリハリのあるプロポーションの美女。

 というか、どう見ても雪ふゆりこと、百合園千鶴と、深海いるかこと、月見里藍華である。

 どちらも、電車内でかなり目立っており、特に男性からの視線が多い。

 しかし、二人は特に意に介した素振りは見せず、雑談をしていた。


「最近は順調ですかぁ~?」

「順調。モデリングの方も含めて」

「あらぁ~、それはよかったですねぇ~。私は資金援助くらいしかできませんし、ちょっと申し訳ないんですけどねぇ~」

「そんなことない。千鶴と恋雪の二人が資金を出してくれてるから、私たちも安心して製作が出来る」

「あらぁ~、嬉しいことを言ってくれますねぇ~」

「事実」

「そうですかぁ~。……ところで、藍華さんは次のお仕事をいつするか、とかは決まっているんですかぁ~?」

「特には。どのみち、フリーランスで活動するつもり」

「あ、そうでしたねぇ~」

「そう言う千鶴は、普段なんの仕事を?」


 訊いて来たついでばかりに、藍華は前々から気になっていた、千鶴の本職について尋ねることにした。

 らいばーほーむ内において、千鶴を除いた全員が本職が何であるかを語っているのだが、千鶴のみが一切語らない。


 ちなみに、刀の本職はインストラクターである。

 主にジムで仕事をしている。


「うふふぅ~、それは秘密ですよぉ~」

「不公平。少なくとも、他の面々は明かされてるのに、一人だけ何も言わないのはずるい」

「一応プライベートなんですけどぉ~」

「ん、気にしたら負け」

「えぇ~……?」


 やたら押してくるなぁ、なんて思いながら千鶴はうーんと一つ唸る。

 別に言っても問題はないが、配信では確実に言えない仕事であることも自負しているし、確実に普通じゃないことも理解している。


 しかし、相手は同期で一番年上だし、何よりそういうことは言わなさそうな藍華である。

 千鶴的には、ここで言っておいてもいいかなぁ~、程度に考えることにし、話すことにした。


「わかりましたぁ~。それじゃあ、耳をお借りしてもぉ~?」

「ん」

「私のお仕事はぁ~……ごにょごにょ……」

「………!? それ、マジ……?」

「マジですよぉ~。じゃなきゃ、ここまで稼げませんよぉ~」

「な、なる、ほど……」


 ふゆりの本職を聞いた藍華は、たしかにこれは言えないと納得した。

 絶対に配信したらダメな奴だし、炎上しかねない……いや、逆に炎上するどころか、らいばーほーむだから、で済まされそうではあるが……とはいえ、炎上の可能性が0ではない以上、言わないほうが安全だろうと。


「千鶴、それは言っちゃだめ。特に、椎菜には知られたらもっとダメ」

「わかってますよぉ~。というより、これは墓場まで持っていきますからねぇ~」

「ん、それがいい。合法ではあるけど、人によっては理解されないと思うし」

「そうですねぇ~。まあ、理解してほしい、とは思いませんけどねぇ~」

「それはそう」


 などという雑談をしている内に、目的地がある街、美月市に到着。

 今日二人が行こうとしているのは、この街にあるショッピングモールである。

 一応、らいばーほーむの事務所がある街にもあるにはあるが、二人はなんとなくでこっちに来ていた。

 たまには別の場所に行きたい、的な。

 あと、見たい映画が、近場だとそこでしかやっていなかったためである。


 ちなみに、二人が見ようとしているのは、日曜日の朝に放送されている女児向けのアニメ映画である。

 原因は……どっかのロリVTuber二人が原因であることは間違いない。

 というか、あれが原因でなぜかそっちに飛び火し、興行収入が伸びていると言う情報がある。

 本当かどうかは定かではないが、少なくも観客が増えたのは事実らしい。

 何があったらそうなるのか、現実とは不思議な物である。


「普段行き慣れている場所以外のショッピングモールというのも、新鮮でいいですねぇ~。向こうにはない店もありますしぃ~」

「わかる。あ、あとで楽器屋に寄っていい?」

「いいですよぉ~。歌関係ですかぁ~?」

「そう。何かいい本があれば」

「向上心がありますねぇ~」

「当然。いつ下火になるかわからない以上、努力は必須。いつまでも今の状況に甘えていたら、取り返しのつかない状況になる。……千鶴は何かしてるの?」

「私はそうですねぇ~……そもそも、私は悩み相談と雑談ですからねぇ~。方向性は全く同じですけどぉ~。あ、でも、昔のことを思い出して、雑談のタネにしたり、昔のアルバムを引っ張り出して色々とネタを書き出す、みたいなことはしていますねぇ~」

「ん、さすが」

「そういう藍華さんもすごいですよぉ~」


 などなど、二人は楽しそうに話しながらショッピングモール内を歩く。

 相変わらず、やたら美人な二人に視線が集まるが、誰も話しかけに行こうとはしない。

 レベルが高すぎて、なかなか踏み込めないからである。


 尚、らいばーほーむの面々自体、全員レベルが高いので、大体はその状況に当てはまる。

 椎菜は……あの時の一件は特殊なので。


「あ、このアクセサリー、よくないですかぁ~?」

「ん、似合う。千鶴はそう言うのが結構合ってると思う」


 ふらふら~、と歩いている途中にあったアクセサリーショップにて、三日月がモチーフのネックレスが置いてあり、千鶴がそれを手に取ると、藍華に似合ってるかどうかを訊き、それに対して藍華は似合うと返す。


 こうして見ると、普段から頭がおかしいとか言われている二人も、普通の女性である。

 片や女版山寺○一、片や超ド級のロリコンだが。


「折角だし、買って行きましょうかぁ~。藍華さんはいいんですかぁ~?」

「私はいい」

「そうですかぁ~。じゃあ、買ってきますねぇ~」


 なんとなく気に入ったネックレスを持って会計を済ませ、再び歩き出す二人。


「それにしても、なかなかに人が多いですねぇ~」

「たしかに。平日だけど……というより、あの辺り、人が多い気がする」

「そういえばそうですねぇ~。ちょっと行ってみましょうかぁ~?」

「ん、行こう」


 ふと、妙に人が集まってる場所が目に入った二人は、なんとなくでそこへ近づく。

 よく見れば、そこのいる人たちというのは、ある場所に視線を向けており、歩くスピードがかなり遅いように見える。

 なにがあるのかと思って、二人が近づくと……。


「あれ、椎菜?」

「あ、本当ですねぇ~。お店的に、ブティックでしょうけどぉ~……折角ですし、話しかけてみましょ――」


 と、二人が折角会った椎菜に話しかけようとしたら……


「おかーさん、どー?」


 試着室の中から、椎菜のことを『おかーさん』と呼ぶとても愛らしい、白髪の美幼女が現れた。


「「!!!???」」


 その瞬間、二人に雷が落ちる!

 二人の胸の内は一致しており、どちらも、


『え、なにあの神薙みたまにそっくりな女の子!? なんで椎菜をおかーさん呼びしてるの!? というか可愛よ!? あと、椎菜もやたら母性強めな表情なんだけど!?』


 みたいな感じである。


 二人が知っている椎菜の動向と言えば、土曜日の夜に修学旅行中であるにもかかわらず、旅先で会ったと言うリリスとコラボした挙句、『ロリピュアショック』を引き起こしてからは、特に何をしていたのかはわかっていない。


 少なくとも、修学旅行を楽しんでいたことは確実なのだが……一体あの後に何があったら、あんなに小さな幼女が椎菜をおかーさんと呼ぶような事態になると言うのか!


 二人は思わず物陰に隠れる。

 傍から見ると、怪しいが。


「ど、どどっ、ど、どう思いますぁ~~~~!?」

「……ん、あ、あれは、よ、予想外……けど、椎菜のアレにそっくり……!」

「で、です、よねぇ~……!? ど、どう見てもあの姿ですよねぇ~!? え、なんですかあれぇ~!? し、しかも、椎菜ちゃんが見たことないくらい、母性に満ちた表情をしていますよぉ~~~~!?」


 ロリコンが興奮し始めた。

 既に鼻血がちょっと出てる。


「わかる。こっちがやられそうなくらい、すごい母性っ……!」

「お、おかーさん呼びって言うことは、や、やっぱり父親がぁ~!? で、でも、椎菜ちゃんにそんな人はいないはずぅ~~~~っ!」

「……親戚の子供、とか?」

「そ、それが妥当、ですよねぇ~……? そ、それにしては、椎菜ちゃんも否定していませんしぃ~……」

「謎……というより、あの娘、可愛すぎ」

「ですよねぇ~!? なんですかあれぇ~!? 椎菜ちゃんと一緒な上に、乏しいながらも嬉しそうに笑う表情とか最高過ぎませんかぁ~~~!? か、可愛いっ、可愛いですよぉ~~~~っ! 是非とも、お近づきになりたいですぅ~~~~~っ!」

「ん、千鶴、落ち着く。本音が駄々洩れ。あと、鼻血出てる」

「はっ! こ、これは失礼しましたぁ~……」


 藍華に注意され、千鶴は流れるようにポケットティッシュを取り出すと鼻血をふき取り、丸めてカバンの中にあるゴミ袋に突っ込む。

 一切動きによどみがない辺り、慣れ過ぎである。


「ま、まさか、椎菜ちゃんに娘ちゃんができるなんてぇ~……い、一体何があったんでしょうかぁ~……」

「不明だけど……あ、移動を始めた」

「お、追いかけましょぉ~~~っ!」

「……ん、了解」


 移動を始めた椎菜と神薙みたまそっくりな美幼女の後を追う二人。


「はやくっ、はやくっ」

「まだまだ時間はあるから、大丈夫だよ~」

「うんっ」

「と、尊いっ……尊過ぎですぅ~っ……!」


 店を出た直後、椎菜の手を引っ張ってはしゃぎながら椎菜を急かす幼女と、それを微笑ましそうに見ながら笑う椎菜を見て、千鶴はすごくいい顔で鼻血を流した。


 あと、ちょっと口端から血が出てるようにも見える。

 が、じっと見ていたからか、不意に足を止めた椎菜がこちらを振り返ろうとしたので、慌てて二人は物陰に隠れる。


「危なかった」

「で、ですねぇ~~~っ! それにしても、可愛すぎませんかぁ~~……?」

「あれは兵器。私たちじゃ太刀打ちできない存在……!」

「た、たしかにぃ~……!」


 なんて話す二人。


「おかーさん、どーしたの?」

「ううん、何でもないよ~。じゃあ、次は向こうに行こっか」

「うん!」


 後ろを振り向いた椎菜だったが、すぐに横にいる美幼女に話しかけられると、それはもう母性に満ちた笑みで歩みだし、幼女もすごく愛らしい笑顔で頷き……


「がはぁっ!」


 それを見たロリコンが血を吐きながら勢いよく倒れ伏した。


「千鶴!? しっかり! 千鶴!!??」


 母娘(推定)の微笑ましいワンシーンを見てしまったロリコンにはとんでもない大ダメージであり、倒れ伏してしまった千鶴に、藍華は必死に起こそうとするのだった。

 最近、ロリコンのキャラ薄くない? なんかこう、前はもっといい感じに暴走してくれてたはずなんですがねぇ……うーむ、難しい。

 というか、久しぶりにこの二人を書いた気がします、コメント以外で。

 最近は一期生とか二期生が多かったからなぁ。やっぱり、三期生の出番も増やさねば……!

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― 新着の感想 ―
3期生だったがはつきっちではなかったかあ 倒れたの千鶴さんかwww まああれを見れば誰だって倒れそうな気がするけども 千鶴さんマジで何してるのかなあ だいたい何か見当はついてるけども
そういえば千鶴の仕事はなんでしょう…
まさかの被弾ロリコンが耐えられるわけがないんだよなあ
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