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エッセイアラカルト

脳内トーク

作者: 降井田むさし

 中学時代の、体育祭の綱引き終了後。

「倒れたりしてたけど、ちゃんとやってた?」とクラスメートに言われた。

それは誤解だ。


綱を引っ張っているときに、左側にいた友達が原因だ。

右側にいた僕の左手が、左側にいた友達の右手と縄の間に挟まれた。


そして、激痛が走った。

痛い痛いと言ってるのに友達は、全然直そうとしてくれなかった。

ずっとずっと、痛いまま終わった。


その結果、負けた。

そして、負けた原因にされそうになった。






 あることを、ふと思った。

【えーっと、しいていえば、Bですね】。

一見、普通の文章に見える。

だがこれは、かなりヤバい文章だ。


AとCに似た言葉がある。

そして、本物のBもある。

それに、惑わされてしまう。

Aなのか、Cなのか、Bなのか。

もう、何がなんだか分からなくなる。


アルファベットを、言う予定の時。

『えーっと』は、言ってはダメだ。

『しいていえば』も、言ってはならない。






 最近、なりたいものがある。

少し前から、なりたいと思っている。

でも今世では、たぶん叶わないものだ。


来世でなりたいと、少し思っているもの。

それは、樹木だ。

水分量の多い、樹木だ。


森林火災を、食い止めるような。

そんな水分量の多い、樹木に僕はなりたい。


水分量の多い、横並びの樹木たち。

その、一員になりたい。

なれれば、英雄だ。






 マスクを外すのは、恥ずかしい。

そう思うように、なってしまった。

こんな時代だから。


パンツを脱ぐ、恥ずかしさ。

その、やや下くらいかもしれない。

ほぼ、同じ感覚だろう。


それと同じ感覚が、他にも表れた。

それが、手袋だ。

あの、手袋だ。

かなりの重症だろう。


手袋を外すのが、なぜ恥ずかしいのか。

なぜ外すのを、ためらうのか。

自分でも、よく分からない。


コンプレックスがある顔を、見られたくない。

そんな感じで、手を見られたくない。

そう思ったことは、一度もない。

だから、謎だ。






重症だな、と思ったこと。

それはまだ、いくつかある。

これは、そのひとつだ。


【カーテンを閉めて】と言われた。

でもそれが、【丹田を締めて】に聞こえた。


丹田の詳細を、知らなかった。

丹田知識が、それほどなかった。

なのに、そう聞こえてしまった。


それはもう、丹田さんが乗り移ったんだろう。

それか、寝ているときに【タンデン、タンデン、タンデン、タンデン】。

そう、誰かが耳元で囁いていたのだろう。

違うか。


丹田は、へその下あたりらしい。

そこに、力を入れることが【丹田を締める】だろう。

家で指示されることは、ないやつだ。

絶対に、言われないやつだ。

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