1 いつもの始まり
プロローグとほぼ同時に投稿したかったのに、次話投稿の仕方がわからなくて少し間が空きました。
「おい!!どこにいる!!」
·····あ~、また村長ジジイが喚いてる。
あんなにでかい声で呼ばなくたって聞こえてるっての。まぁ、呼ばれたって行かないけどね。
あたしは自分の寝床にいた。寝床っていっても、馬小屋に積んである藁ん中。
五年前、父さんと母さんが馬車の事故で亡くなって、村長の家に引き取られてから、あたしの寝床はここだった。
村長への感謝の気持ちは正直無い。部屋は馬小屋。食事は毎食古くなったパンと牛乳のみ。服はボロボロの古着。おまけに、朝から晩までこき使われる。
それでも村長があたしを引き取った理由が、あたしへの同情とか、村長としての責任とかだったら、多少の感謝はしていたと思う。
でも、残念ながら、理由はそのどちらでもない。
「おい!!」
埋まっていた藁が乱暴に払い除けられた。
「お前は···っ!仕事もせずに何をしている!!」
目の前に、怒り狂った村長の顔がある。老体の身で、よくもそこまで青筋が立てれるもんだ。血管切れるんじゃないか。
そんなことを考えてると、村長があたしの短い髪を掴んで無理やり立ち上がらせる。
「痛っ!!そんな乱暴に引っ張るなよ!皮膚までちぎれんだろ!!」
「仕事だ!!来い!!」
あたしはそのまま小屋の外へと引きずられていった。