Review.9:揺れるカウントダウン。
毎度毎度遅れて申し訳ありません(苦笑)
と、とにかく、どうぞッ。
気付くと、時刻は午後十時を回ろうとしていた。
「そろそろ……か?」
部長がつぶやく。
演劇部のメンバーも、そわそわとし始めた。
先日の恐怖を再び味わおうというのだ。
無理もないだろう。
「間君」
「……天井にいるんでしょ?ちと、キツイっすかね」
オレは相棒である日本刀――刀身およそ三尺の打刀を握り締めながら言う。
美しい碧色の柄巻き、沙羅樹が描き刻まれた楕円の鍔を持つこいつとは、もう一年半ほどの付き合いだ。
〈現象〉に絡みつくこの世のしがらみを断ち切る『導具』。
それがコイツというわけだ。今回は、相手が手の届かない高さにいるので、ん?いや……
「いけるやもしれない……」
――間流古典斬鬼術。
オレが、己の生家、神鳴寺の今は使われていない古井戸で見つけた匣、その中に入っていた書物に書かれていた剣法である。
オレん家が、どういう家系かは知ったことではないが、助かる。
その書物曰く、邪を断ち鬼を斬り、混濁した魂魄を浄化したという。
――今、オレはそれにアレンジを加え、有効に使用しているのである。
「何かあったら、頼むぞ」
無言で、頷く。
「綾瀬君、演劇部に通達して、照明を」
「はい」
紳妙な面持ちで、綾瀬は舞台に駆け寄り、谷本さんたちに話しかける。
谷本さんは一瞬怯えたような表情をしたが、すぐに決心したようで、こくりと頷いた。
「照明係!私のカウントで明かりを落として!」
谷本さんの声が体育館内に響く。
「五!」
〈現象研究会〉が、動き出す。
「四!」
皆が、緊張に包まれる。
「三!」
ぎり、と何かが軋むような音がした。
「二!」
刀の柄に、手をかける。
「一!」
皆が、息を潜めた。
「落として……ッ!」
谷本さんの一声で、全てのステージライト、スポットライトが、ガウン!と音を立てて切られる。
視界が暗転し、それと期を同じくして館内に何かの気配が、暗くなるのを待っていたかのように満ち満ちてきた。
眼が薄暗闇に慣れるのを待つ。
―――ぎしィぃぃ
皆が、息を呑むのを聞いた。
はい、緊張のカウントダウンパートをお送りいたしました。
あのような書き方で、緊張感は伝わってきますでしょうか?
こうしたらよいのではないか、という感想いつでもお待ちしています!