Review.20:あくる日。
祝・20話突破!!
この調子で頑張らせていただきます<(_ _)>
オレは登校してすぐに、綾瀬が学校に来ているか確認した。
――良かった。
自分の席にいる。
「綾瀬、おはよう」
声をかける。
……しかし、返事は無い。
窓の外の空を眺め、ぼんやりとしてやがる。
「もしもーし……綾瀬さーん?」
言いながら、次はトントンと肩を叩く。
「ひうッ!?」
こりゃまた珍妙な返事でこちらを振り返る綾瀬。
その眼の下には隈。
――まさか何かあったか。
「お、おおオハよう間クン」
動作がぎこちない。
「あ〜……ちょっと来い綾瀬」
綾瀬の手を取る。
「間君ッ!?もうすぐHR始ま――」
「放っとけそんなの。授業より、命の方が大事だろ」
学生としてあるまじき言動をとりながら、オレは教室を出ようとする。
その時、中学からの友達でオレのことを良く知っているクラスメイト――空島が、アイコンタクトで任せろといってきた。
助かる、と同じく眼で返し廊下に出る。
うん、持つべきものは友だな。
「間君ッ、一体何処に――」
決まっているだろう?
――あそこだよ。
――って事で。
当然の如くオレらは保健室に到着した。
もちろん、部長、ルナとサンも引っ張って連れてきた。
「……お前ら、授業はどうしたよ」
まだ眠たそうに頭を掻く先生は、今のところ無視しておく。
「全員、風邪引いたんす」
「嘘つけ」
「このまま授業を受けると、死んでしまいます」
「…………ハイハイ分かったよ。しょうがねェな、好きにしてろ」
先生が紅茶の準備を始めたのを確認して、オレは怪訝な表情の皆を見回し、
「綾瀬。――昨日の夜、何があった?」
単刀直入に聞いた。
「え……? あ、いや、その」
「……話してくれるかい」
部長の目が、真剣になる。
どうやらオレの意図を汲んでくれたようだ。
「…………はい」
綾瀬は観念したように一度かぶりを振り、話し始めた。
「昨日、家で〈名無しの怪〉に遭いました」
『!!』
「ッ……やはりか」
昨日の出来事を良く知らないルナとサンは驚きで目を見開き、部長は頭を抱えた。
「昨日の事は俺が教えてやる。ルナ、サン、来い」
紅茶を片手にちょちょいと手招きする先生。
紅茶を飲んで、どうにか眠気から覚醒したようだ。
ルナとサンへの説明は、先生に任せておくことにする。
「部長、やはりってどういうことっすか?」
オレは、疑問を口にする。
「うむ、これは憶測なのだが――」
――その説明は、驚愕のものだった。
話も中盤に差し掛かってきました。
イレギュラーの中のイレギュラー〈名無しの怪〉。
その驚きの力とは――?
暑さに負けぬよう次回をお楽しみに!