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送り出す前に

いつもありがとうございます!!

 スケルトンから近くまで来たと連絡を受け、僕はダンジョン外で待ってもらうようにお願いした。そして合図と同時に術を解いてもらい、話し合いというか準備を済ませたら再び気を失わせる魔術を行使してもらう流れを説明。もしゴタついても介入はしないようにと念を押した。


(とまあ、そんな具合で頼む)

(お任せください、マスター)


 敬礼でもしてそうな声だーー声といえば、どうやってスケルトンは念話なしで会話をしているんだろうか。興味深い、これも落ち着いたら研究してみよう。ゴーレムにも応用できないだろうか、野良の魔物とも意思疎通ができたら選択肢も増えるに違いない。

 そんなことを考えている間に、僕はダンジョン奥地で眠っている二人の場所まで移動。それを完了した。


(いまだに気を失っているようだな……)

(当然ですぞ)

(いや別にそうゆう意味ではなくてねーー)

(わかっておりますとも)

(……じゃあ術を解いてくれ)

(では、恙無く終わることを祈っております。マスター)


 やはり念話が繋がっているとやりにくい、呟く半歩手前くらいの表層意識が筒抜けになるーーというかアンデットが祈ると口にすると妙に引っかかる。語感の問題ではあるが”呪う”という方が似合うーーというか何でこう思考がフラつくんだろうか。

 そうして転がる思考の中、二人の意識が覚醒する。呻くような声を上げながら身をよじり、痙攣するようにまつ毛が動き、ゆっくりと認識するように目を薄く開くと、機敏さを取り戻した。あおるように事態を飲み込み、第三者視点でも伝わる速度で頭を回し、周囲を確かめる。

 僕はいまだ落ち着かぬ二人を無視するように話を進めることにした。


「混乱していると思うけど、これで体を洗ってくれ」


 僕は術を使い、すでにあった甕に水をなみなみと注いだ。そうして布が手に入ったのでこれを服の代用にして欲しいこと、そしてキトンのように巻きつけて欲しいことを軽く実演、好きに使って欲しいと袋から金貨を取り出す。

 二人は混乱冷めやらぬ様子だが早く洗うように急かし、ここは隠れアジトだから位置がバレたくないことを説明。決定事項として街道まで送るがそれまで眠ってもらうか、気を失っててもらうことを一方的に通達する。


「おいおい、いきなり言いたい放題言いやがってーー」

「黙れタコっ!! 俺たちはそれで構いません。ですが確認させて貰いたいことがあります」


 当然文句が出てくると思っていたがスクイドが封殺。確認したいことがあると、目の奥を透かすように見てきた。


「なんだ?」

「そのまま殺したりはしない、ですよね?」


 僕はその問いに疑問を感じた。わざわざ聞く意味がある質問とは思えないし、信用できるのだろうかと。

 だが問われてしまえば、そんな空気にされてしまっては答えない訳にはいかない。


「ああ、無事に街道まで届ける」

「……分かりました、信じます」


 そう答えると二人は受け入れたように手早く体を洗い、濡れた体を着ていたボロ布で拭った。男の裸を鑑賞する趣味もないので、目線を外しながら護衛のゴーレムについても事情を説明した。紹介した個体ではなく、細身で威圧感も控えめで街中でも連れて歩けるような個体にしたと。


「お気遣いありがとうございます」

「……ああ」


 どうも調子が狂う。全幅とはいかないまでも相手をこうも信じられるだろうか。すでに諦めているのか、なるようになれと悟っているのか見当がつかない。ただ大人しくこちらの意図に従ってくれる。


(……こいつら、なんか妙だな)

(殺しますか?)


 流石というか、アンデットであるスケルトンの価値観はシンプルだ。生者である人間は糧であり忌むべき相手。殺して殺しつくすのが本能であり、存在意義であり、芯に刻まれた在り方だ。

 だがそうやって戦い続けても未来はない。身の丈以上に危険視されれば滅ぼされてしまう、短慮や無計画に行動はできない。


(いや、それはゴーレムの判断に任す)

(不確定な要素は潰しておくのが良いかと思いますが……)

(かといって物資を手に入れるルートを、可能性を潰したくはない。大都市に潜れればその量も桁違いだ、リスクを負う価値はある)

(左様ですな)


 手のひらを返すような肯定、ちぐはぐしているような本能と知性のバランスだ。思念からはどちらも本気で思っていることが伝わってきている。もしかしたらスケルトンには二面性があるのかもしれない。それの原因は素材となった魂か、骨、それとも僕の魔力だろうかーー

 キャッチホンが入り、スケルトンに一言入れてから念話を切り替えると相手はゴーレムーー新しく召喚。生成した個体だった。僕は監視対象に紹介するから奥まで来るようにと告げ、彼ら二人にも代わりに護衛となったゴーレムが来るから警戒しないでくれと声をかけた。

 程なくしてゴーレムが姿を現し、顔見せも滞りなく終わった。怯えた様子もないし大丈夫だろう。念のために危険性がないことも再度デモンストレーションしつつ、今後の話を詰めることにした。

ブックマーク件数がまた増えました!!

追加してくれた方、本当にありがとうございます!!


今回は地の文で展開を早めることに挑戦しましたが、羅列しているだけ感がすごい……

魅力的な文章を書ける人たちの尊敬度が深まりました……自分、まだまだですね。

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