臨機か流されたか
いつもありがとうございます!!
それからゴーレムのことを少しでも理解しようとしたが「リカイはできる」「ヘンジはしなたくない」「でもアンシンしてほしい」「メイレイにはしたがう」と、一方的に言われて黙り込んでしまった。念話の繋がりを勝手に切られていないので、命令に支障はないとは思うが。
(……お前、ちょっと特殊だな)
(ありがとうございます)
前言撤回、少しと言うには過小評価だ。マイペースで自由気まま、琴線が動くことだけ返答してくれる。忠誠心は、まあ無くはないと思う程度。力は見た目にウェイトがかかっているのか、既にある個体に比べ見劣りしてしまう。威圧感がないので迫力に欠けるが意思疎通ができ対応力もある、狭い場所での運用ならこちらの個体の方が優秀かもしれない。
(……護衛は、こいつに任せた方がいいかもな)
(ゴエイ?)
(この知識は持っていないのかーーわかったわかった説明する)
僕は不思議と感じた”先を聞きたい”という威圧に従い、人族生存圏への潜入・監視任務についての説明をした。するとそれを聞いたゴーレムは考え込むように顔を傾け、身を震わせた。
(ゼヒ)
(あ?)
(そのニンムを)
トーンや声色は変わらなくとも伝わる熱意。その表面的には見えぬ意志は津波のようで、ひどく暑さを幻視するほど揺らめいている。
実際問題、町や村を訪れるならこの個体の方がいいだろう。見た目から怖がられることは少ないだろうし、徴集されることもないだろう。護衛としては迫力に欠ける面もあるが能力的には大丈夫だろう。僕は念話で新しく生成した個体に任せることを告げ、これまた予想以上な了承を貰い、ストーンゴーレムに個体差があるかの調査に戻った。
だが結果は不振。既にある個体の本気も見たことないので参考にならず、データの収集という結果に終わった。
(うーん、調べる必要があるか……でも周辺警戒も大事だ、戻ってきたり潜んでくる輩がいないとも限らないしーー)
(ではコウタイを)
(ん?)
(シュウヘンケイカイはおまかせを)
短時間なら問題はないだろう。僕はそう考えゴーレムの交代を調整し、来るまでの間も無駄にしまいとメニューを眺めることにした。検証で何も分からない結果になっても迷わないように、代替案や新たな可能性を模索した。見落としていたり、知らないだけで諜報に向いた種族があるかもしれない。個体差があり、変異種や亜種も闊歩しているこの異世界、僕の知らないことは多いのだ。
(……そう考えると、まだまだ秘密があるかもしれないな)
一人称寄りの視点というのは、都合が良いようで都合が悪いですね。
主観となった人の範囲しか描写できない、でもミスリードや不確定であることを理由に余白が持てるので「あれは伏線やったんや!!」ってこじ付けしやすいのかも……
でも「突拍子もないな」「御都合主義だな」と思われないようにしなきゃいけない。
きっと三人称にも固有の制約、苦労があるんでしょうねえ……




