子爵の指揮能力
いつもありがとうございます!!
今回も連隊を指揮する子爵視点です。
督戦隊のおかげか進軍スピードは落ちるどころが勢いづいていた。損耗も憂慮するレベルではないようで、あがってくる報告も先鋒部隊の死傷者のみ。アンデット化する者も出ているようだが、敵もろとも焼き払うことで解決。
子爵は反発が出るようなら従軍司祭による浄化も視野に入れ、連隊に前進の指示を出す。
(従軍司祭を酷使すれば回復する術を失ってしまう。そうなれば時間をかけて育てた将兵にも被害が出る……ここは冷徹に物事を判断せねばーーしかし)
ここで子爵の頭に疑問が浮かんだ。
報告にあがってきている情報は人型のアンデット、スケルトンとの戦闘報告のみ。それらは組織立って動いているようにも感じられ、錆びた防具を装備している個体も確認できるとーー
「伝令!! 敵の動きは軽く当たるように波状攻撃するばかり、目的は不明」
その報告を聞き子爵は怒り狂った。
「馬鹿者がっ!! 敵の目的は感染による切り崩し、こちらの兵をアンデット化させることだっ!!」
子爵は「相手には知恵の回る個体、ユニークモンスターか上位存在がいる」と全軍に警鐘を鳴らす。すぐさまに副官、周辺に配置されている指揮官に伝令を飛ばす準備をさせた。
(ここは大戦時の書物にも記されていた古戦場。もしや力ある個体が彷徨っているのではあるまいな……もしそうであれば従軍司祭は温存さねば不利だ、すでに巣穴の中の可能性もある)
子爵は従軍司祭・私兵・護衛を陣中央に集結させ、進軍速度を緩めた。そして従軍司祭に指示を出す「消耗しない範囲で周囲を浄化、交代しつつ断続的に行うように」と。
(万が一にでも基幹要員を失えば包囲殲滅される、ここは慎重に進むべきか……)
その指示以降、会敵頻度は劇的に下がった。おそらく浄化による影響だろう、力なきアンデットは次々と灰となり死傷者も激減。士気の向上にも寄与し、手の余った私兵を治療に回すこともできた。
(ふむ、想定以上に損害もなく切り抜けたな。我ながら恐ろしい才能よ……進軍速度が犠牲になったが無駄に危険を冒すなど愚の骨頂、ダンジョンに時間を与えてしまうことになったが1日そこらで変わるものか)
油断なく進めたが故に、子爵はダンジョンがあると思われる場所までは辿り着けなかった。
だがそれも野営に適した場所を発見したことで、これも天運かと納得。ダンジョンから離れすぎず、見晴らしのいい平地を確保することができた。
(ここならば遮蔽物もなく奇襲の心配もないだろう。多少魔素が濃い気もするが、即応できるように警戒網を敷けば問題あるまい。地面も適度に軟らかく、野営しても疲れが取れそうなくらいだ。実に運がいい……)
スケルトン、さっそく時間を稼ぎましたね。
伏線も散りばめたので、皆さん次話を予想しつつお持ちください。
とか言いながら見破られているような気がしてプルプル震えているのは僕です。
伏線ってどの程度明言すれば丁度いいのか分からない……




