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迫る時の中で

いつもありがとうございます

 一つは先ほど発見した歩哨の勢力だろう。それは理解もできるし僕が原因だ。だがもう一つ迫ってきているとは予想外にもほどがある。スケルトンに迫ってきている方角を詳しく聞くと、海洋国家側から来ているのと小国群側からの2方向。ここに到達する時間もほぼ変わらずの進軍速度らしい。


(同時多発的な進軍、包囲殲滅するような布陣、いまだ脅威ともいえない規模のダンジョンにご苦労なことだ……)


 時間が惜しい、何かしらの対策を講じる必要がある。僕は唸りながら思考を回転させた。このまま全ての戦力が集中するまで待ってしまえば勝ち目はない、だがかといって各個撃破するほどの手勢もない。

 浮かんでくるのは眉間のシワを濃くするものばかりだった。


(……普通の手段では勝てない)


 何かないかとメニューを開くが、これといって引っかかるものがない。メニューをスクロールさせて打開策をさらに探しているとーー前世の武器が流れて来た、だが圧倒的に素材が足りない、なら魔力だけで生成できないのかーー


(魔力量が不足しているだと!! なら今から魔石を集めてーーいや落ち着けっ……)


 細く長く息を吐く。

 だが落ち着く気配はない。すぐに息は浅くなり、食いしばるように力はが入り、意味もなく手足が動いてしまう。


(仮に魔石を集めることができて前世の武器が生成できたとしよう。だがこの異世界で通用するのか? そんな不確かなものを生成するなら魔物や魔道具を召喚・生成した方がいいんじゃないか?)


 だが何かを生成・召喚するには素材がなさすぎた。現状では魔力の大半を捧げても数回程度が限界だろう。周辺から素材を集めてくればもっと増えるだろうが、何が採れるかの調査も済んでいない。頭を抱えしまうほど絶望的な状況だ。


(悩んでいる暇はない。とにかく素材を集めてからどう活用するかを考えた方がいいか……手札がわかれば何か起死回生の策だって浮かぶかもしれない、魔石だって集めれば集めるほどーー)


「マスター」

「……なんだ?」

「お一人で悩まないでください」

「だがーー」

「まずは課題点をはっきりさせましょうーーとその前に、建設的に話し合えるように場を整えなければいけませんね」


 有無を言わせない語気で話し合いの場を急造するスケルトン。

 念話でゴーレムを呼び、岩製の円卓と椅子を3脚作らせ、僕とゴーレムに座るように促し、あの2人も寝かさないといけませんねと魔術を使用した。


「っと、これで話し合いに集中できますな。しかしゴーレムよ、岩で出来ておるお主が岩製の椅子に座ると違和感が凄まじいな。岩同士同族意識があったりするのか? ハッハッハッそうかそうか無いのか、岩と同じ扱いをしてすまないなーーまあそう怒るでない」


 付いていけない。


(……この状況でこの腑抜けた態度、こいつもう死んでるからって僕の生き死にはどうでもいいってのか?)


 震えるほどに怒りがこもる。

 鏡を見なくてもわかる、僕の表情はきっと……


「……マスター、こうゆう時こそ冗談やバカをして気を保つのが肝要ですぞ。笑えなくなったらそこでお終いです。生前に経験した大戦でも笑顔ができない者から先に死んでいきました。そこで私は学びましたぞ。余裕がないから笑えないのではなく、笑わないから余裕がないのだと。騙されたと思って笑ってみてください、私のように頭を空っぽにしてーーって、今や私の頭は本当に空っぽになってしまいましたがアッハッハッハッハ!!」

「笑えるかよこんな状況で!! 笑ってどうにかなるのか? 何かいい案でも浮かぶのか? 笑ったら事態が好転するのかよーー」

「しますとも」


 怒りを断ち切らせるほどの自信に満ちた声。

 そしてスケルトンは胸を叩き、もう一度安心させるように言った。


「しますとも。私の種族をお忘れですか?」

テコ入れという急制動がどのような効果をもたらすのか……

不安で仕方ありませんが、過去の自分の選択を信じるのみです。

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