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妙案?

いつもありがとうございます

 だがゴブリンをアンデッド化して戦力を確保する計画はあんまりよろしくなかった。スケルトン達に指摘されて穴に入りたいと感じたが、アンデッドに特化する危険性や駆除するために高位の聖職者を派遣されると。しかも規模や勢力次第では大規模に派兵、完全な除去をするために徹底した行動を取られかねないと。


「もし派兵するのを悩んでくれる布陣を整えられるのなら悩みはしないのですが……」

「高位の存在もいないゴブリンの集団ですからね、数だけなら揃うでしょうか……」

「中途半端に脅威だから即、殲滅されちゃいそうだよねえ……」


 手がつけられなくなる前に断つ、相手がそんな思いを抱きダンジョンに攻め込んで来るのが想像できた。

 しかしそうなると僕の頭では良い策は浮かばない。短絡的で簡単なことも気づけなくなっているのは追い込まれているからか、それとも知能が低いのか。個人的にはというか僕自身、賢いですと胸を張れないので後者が濃厚だ。ここは大人しく知恵者である彼らに任せるのか正解だろう。僕に出来ることはこの世界では未知の知識、作り出せる前世の物品の提供かもしれない。もちろんーー


「ですがマスターの発言は良い刺激をくれます。こちらだけでは考えが巡るばかりで遅々として進まなくなりかけます」

「そうですね、マスターにはどんな意見であろうと仰ってほしいです」

「うんうん、問題点が明確になるだけでも大助かりだよ」


 釈然としない気持ちが芽生えるが、足りない僕の意見が必要とされるらしい。まあ言わんとすることは分かる。聞かれて初めてその事柄に対して真剣に向き合うような、言語化して初めて自分がそうゆう気持ちや考えを抱いていたのかと気づくような。そんな感じだろう。

 だがこれではまるで前世で思っていた甥の立場だ。幼稚園にも行っていないのに、行ってないが故だろうが核心をついた質問をしてくる。それはとても答えにくくて、大人になれば分かると誤魔化したくなるようなものだ。


「……わかった。なるべく何かを、意見を言うようにするよ」


 しかし詰まりかけているような、袋小路のような議論だ。とてもゴブリンが奮闘している内に片付くとは思えない。軍事面から見て勝利は果てしなく遠く、事前に派遣したゴーレムや使い魔達の効果が出るのは期待できない。


「戦って勝つのは難しい、なんか召喚できればいいんだけど魔力もない。なんか他に方法がないのか」


 呟くように言葉を転がしてみても、妙案が浮かんでくるほどの才気はない。考えてはいるが時間だけを浪費しているような、そんな風に思えてくる。

 とここで妙に静かだなと感じて視線を動かすと、自分以外も何かを考え込むような仕草を取っていた。各々がよく出ている姿勢、表情で固まっている。僕よりも望みのある彼らがこんなにも考え、詰まってしまうことを打破できるんだろうか。こうなってくると悲観的というか、自分にはどうにもならないと死の覚悟も静かに固まってくる。


「もういっそ戦えないなら戦わない方がいいのかもな……」


 そのほうが楽で、絶望も苦しみもしないだろう。足掻いて足掻いてダメだったら折れそうだ。まだやれるはずだという後悔を抱きながら最後の時を迎えるかもしれない。それとも全てを諦めて心も死んでしまうのだろうか。

 もしそうなら、今この瞬間に死んで、もしこうしていたら輝かしい未来があったかもしれないという希望を持って幕を閉じるのも一興かもしれない。それはそれでこの命の軽い世界では上等な死に方だろう。


「……マスター、それ盲点だったよ」


 吸血姫の声に響く。打って変わって芯が通ったような少し低い声だ。


「うん、悪くないかもしれない」


 そして確かめるように頷く吸血姫。

 スケルトンは言葉を静かに待ち、魔女は本当かと少し眉に力が入っている。


「戦って勝てないなら戦わなきゃ良いんだよ、別に防衛しなきゃいけない訳じゃない」


 どうゆうことだろう。興奮冷めやらぬ、漏れ出さないように努めて平静に声を上げる吸血姫。

 全くもって容量を得ない。


「それはどうゆうことですか?」

「早く言ってください、分かりやすく考えをちゃんと言葉にしてですよ?」


 早くしろと言わんばかりの気持ちが透けて見える。スケルトンも魔女も明かさない吸血姫に少し怒りなりもどかしさを感じているのかもしれない。

 僕だってそうだ。時間の限られている今、もったいぶっても仕方がないだろうに。


「そうだ。一体何を、どうしてどうするんだ?」

「ダンジョンを、みんなでこのダンジョンを離れましょう!!」


 僕らの問いに吸血姫は端的というか、色々とすっ飛ばして素っ頓狂なことを口走った。

 天啓を得たように仰々しく、でも軽い口調で明るく言い放った言葉は理解が染み込んでもよくわからない。ダンジョンを放棄したら終わりじゃないか、僕以外は生き残るかもしれないがーーってこれはまさかの裏切り、放棄宣言だろうか。 

ここまで読んでくれている読者さんにはネタが割れているんでしょう……

伏線なりなんなりは裏付けに機能する予定。。。それと今後の展開にも・・・

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