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第2.5話 いきなりシリアスクライマックス


日間ランキング、トップ30になりました‼︎ありがとうございます‼︎


今後ともよろしくどうぞ‼︎







幼い頃から虐げられて、暗殺者を向けられてきたオレ。



まぁ、竜人種というのはエルフ並みに自尊心プライドが高いという。

唯一違うのは、多種族の血を受け入れるか受け入れないかぐらいだな。

竜人種というのは、多種族の血が流れることを忌避している訳ではない。

いや、忌避はしているのかもしれないが……強さが一番とするのが竜人種だ。

他の種族を下手に見ているが、強ければ受け入れる。

母上が側室になれたのは、母上にそれなりの力があったということだ。

まぁ……それでも父上に優先される母上を正妃様が恨んでしまうのは仕方ないだろう。

番を大切にするのは竜人種の良点ではあるが、悪い面でもあるな。

竜人種の性質サガというのはなんとも言えないものだ。





まぁ、子供であるオレに八つ当たりされても困るんだがな。
















「お……お前………何者だ……」

「ん?」


豊かな鉱産物のおかげで、機械化が進み……目まぐるしい発展をした煌びやかな王都の裏側の世界。

貧民街スラムにある……廃れた酒場。



正確には、暗殺者ギルド(・・・・・・)と呼ばれる場所で。



オレは地面に倒れて呻く男達に視線を向ける。


「あぁ……挨拶が遅れたな。オレはリオン・フォン・マグノール。俗に言うこの国の第二皇子だ」

「…………は?」


驚いた顔で固まる暗殺者ギルドのマスターらしき男。

まぁ、驚きだろうな。

暗殺者ギルドに提供されている暗殺対象オレの情報は、幼い五歳児というモノだろうからな。


「生憎、情報を得ていると思うが……お前達に賄賂を渡す金がないからな。だから、力技で解決するしかなかったんだ。すまない」

「…………絶対……すまないと思ってないだろ……」

「まぁな。かなりの回数、暗殺者が送られているから……余りすまないとは思っていない」


今のところは無事だが、面倒なことこの上ないんだ。

マトモに寝れやしないしな。


「もうかなりの数の暗殺者が殺されてるだろう?まだオレを襲うか?」

「…………暗殺者ギルドは……金さえ積まれれば……」

「オレに暗殺者をドンドン殺される方がデメリットだと思うぞ。もう、結構ままならなくなってるんじゃないか?」

「…………」


ふむ…流石暗殺者だな。

顔に動揺が出ないか。

まぁ、若干瞳孔が開いたのはマズかったな。


「やっぱりか。約十年……かなりの頻度の暗殺者を殺したからな。人手不足になるのは必然だ。子供だと思って舐めていたんだろう」

「…………お前、が……殺して……?」

「オレには護衛も侍従もいないからな。自分のことは自分でしないと。あ、昨日侍女が初めて付いたかな」


オレはクスクス笑う。

あの侍女らしからぬ、マイペースな彼女を思い出して笑ってしまう。


「さて……早く始末しないとな。昼飯を頼んでるんだ。《精霊よ、この場で傷ついた彼らを癒してやってくれ》」


オレは精霊術を発動させる。

人間族以外の奴らは、その種族特有の力を有している所為で精霊術が上手く使えないが……オレは竜気を制限していたからな。

おかげで竜人種と獣人のハーフなのに、精霊術がそこそこ上手くなったんだ。

癒された暗殺者達は、驚いた顔でオレを見る。

オレはそんな彼らに笑いかけた。



「オレはやろうと思えばお前達を潰すことができる。公的にも、誰にも知られずにそっとでも……な?」



オレは制限していた竜気を放ち始める。

暗殺者達はジリッと後退るが……オレは逃げることを許さない。


「だけど、オレに手を出さないというなら……止めてやるよ」

「…………なるほど……こういう力技できたのは……脅しか」


頭が良いヤツだな。

そう……圧倒的な力量差を見せつけてから、脅すことは有効だ。



「どうする?オレの力をお前達は把握したはずだ。オレの言葉が嘘じゃないと分かるだろう?だが、お前達が引くならオレも手を出さない。さぁ、どちらがお前達にとって良いかな?」



もし、断るなら……有言実行で、この暗殺者ギルドを潰そう。

言ってしまえば、一応オレは王族だからな。

暗殺者ギルドなんて後ろ暗いモノ、国は潰したくて堪らないのだから……代わりに王族オレが潰すことは国のためになるだろう。

…………今までの扱いを考えると、そこまでしてやる義理はないかもしれないけど。

ギルドマスターらしき男は数十秒黙り込み……ゆっくりと頷いた。


「……………分かった。お前から手を引こう」

「…………即断できるとはな。利口な奴で良かったよ」


流石に、脅したのはこちらだからな。

依頼主は聞き出さないでおこう。

暗殺者ギルドは、あくまでも仕事を頼まれたに過ぎないんだから。

暗殺者というのはいかなる拷問にかけても依頼人のことだけ話さないというし。

………そんなことしなくても、やろうと思えば調べられるだろうしなぁ……。

オレは今後のことを考えながら……笑いながらその場を去ろうとする。

しかし、背後から「待ってくれ」と声をかけられた。


「なんだ?」

「どうしてここが分かった?暗殺者ギルドはいつも場所を移しているし、バレたのも今回が初めてだ」


………へぇ…そんなのか。

オレはなんて答えようかと考え込むが……ニヤリと笑う。


「そんなの簡単だ」


オレが竜人種の力だけでなく……獣人の身体能力を有していたから。

力を制限していたから、精霊術もそこそこ使えるようになったから。

だから、オレはこの王都全域の音を聞き取って………疑わしい場所を片っ端から探っただけなんだ。

しらみ潰し、ってヤツだな。

まぁ、もっと簡単に言ってしまえば……。




「オレが強いからだよ」




この一言に尽きるよな。






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