表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
格闘聖職者の冒険譚  作者: 岩海苔おにぎり
第10章 封印された土竜
73/102

竜の封印

今回より新章です。

1734年 7/4


 6/27にシュネー村を出港したレグルス達は、1週間かけて目的地であるピラミッドのあるヘスベリス王国の王都ヘスベルの港に入港していた。


 ヘスベリス王国はレムリア大陸の東に位置し、その国土の80%は砂漠である。だが、今から200年程前までは、程よい降水量のある肥沃な土地であった。が、1514年を境に急激に砂漠化が進行し現在に至っている。当時は邪竜が出現したとされ、直ちにその竜が封印されたのだが、にもかかわらずそのまま砂漠化が進行して不毛の地と変わってしまった。現在もその砂漠化の真の理由はわかってはいない。


 レグルス達がここに来たのは、その邪竜とされている竜が、実は土竜のことではないかと考えていて、ピラミッドこそがその邪竜の封印場所であるからである。つまり、予想が間違っていなければ、土竜はピラミッドに封印されていることになる。


「ここまで来たのは良いけど、これからどうするのよ?」


 エストが聞いてきたが、実際にどう行動するか分かっているものは少ない。皆レグルスが何を言うか注目する。


「直接ピラミッドに行ってみてもいいんだが、ピラミッドの内部だけでなく、建物そのものにも封印がかかっている可能性があるから、事前に調べておきたい。ここからかなり距離があるからな、ピラミッドまでは。」


「それに、国家が絡んでいることだから、封印を解いていいものか許可を取る必要もあるな。この国の国王であるザイン王に許可を貰う必要があるだろう。」


 レグルスの返答の後、ラークが別にすべきこととしてこう話したわけである。


「ねぇ、ラーク。やっぱり黙ってやったらまずいかな?」


「許可を得ずにそんなことをすれば俺たちはこの国、いやこの大陸で犯罪人だ。それに、ここにはイザヴェルとグリバールの王族がいるのだ。下手をすると国際問題になる。」


 カペラはいちいち許可を取るのが面倒に思ったのかこんなことを聞いてくるが、当然のようにラークに却下される。


 というわけで、レグルス達はまずはヘスベル城に向かうことにする。王に許可がもらえれば、直接情報を聞かせてくれるかもしれないし、城にある蔵書の閲覧許可を貰えるかもしれない。そのように期待しながら城の城門にたどり着く。


「お前たち、この城に何の用だ?」


 城門の兵士にこのように問われるが、ラーク、ミリアム、リーフの名前を出して王と面会をしたい旨を伝えると、急に態度を変え城門を通してくれた。・・・その後、しばらく待った後、ザイン国王に面会することが出来た。互いに格式ばった挨拶を済ませた後、本題に入る。まず、この大陸にいるはずの土竜を探していて、実は200年前の邪竜と土竜が同じ存在で、ピラミッドに封印されているのは実は土竜ではないかと考えていること。そのため、ピラミッドや施されている封印に関する情報が必要であることと、200年前に掛けられた封印を解きたいことを説明する。


「・・・う~む。成程な。話は理解した。が、いくつか問題がある。」


 ザイン国王は、やはりというか難色を示している。


「まず、200年前に始まった我が国の干ばつは、当時邪竜と呼ばれた竜が原因ではないと考えているが、とはいえそのまま封印を解くのは国を預かる者として恐怖を感じる。その竜の復讐が恐ろしいからな。」


「そこは我々で何とかします。というより話せば分かってくれると考えています。」


 一つ目の懸念に対してラークがこのように答える。


「それについては分かった。ヘスベリス王国としては封印を解くことを許可しよう。あの建造物は我が国の領土にあり、すでに他国が干渉できないと考えている。許可は我が国にだけ取れば問題ないであろう。」


 それを聞いてレグルス達はまずは一安心する。最悪、3国を説得して回ることも考えていたから、この国だけで完結するなら歓迎すべきことである。だが、続けてザイン国王の説明は続く。


「問題はその封印についてなのだ。もし必要ならば、この城の蔵書なども確認してもらっても構わないのだが、我の知っている範囲で話すならば、竜に対する封印は、まずピラミッドの内部でなされている。当時、どこからかやってきた4人の術者に軍内部にいた1人の術者が協力する形で結界が張られている。何でも内部には火・氷・風・土・光・闇に対応する宝玉を載せる台座が設置されているらしいが、宝玉を設置し、それぞれの宝玉に対応する魔力が注がれると封印は解かれるらしい。」


「ということは、その宝玉は今は無いのですか?」


 レグルスの質問に対し、ザイン国王の返答は、


「そうだ。今は設置されていない。だが、土の宝玉以外は保管場所は明確である。火の宝玉はアルカディア王国、氷の宝玉はジャンナ王国、風の宝玉はここヘスベリス王国に保管されていて、光と闇の宝玉はアルカディア王国の北と南にある遺跡にそれぞれ安置されているらしい。」


 ということであった。これに対しラークが、


「でしたら、それを集めてくればよいということなんですよね?」


 と確認するのだが、それに対するザイン王の返答は、


「これがその問題点なのだ。風の宝玉は渡そう。だが、その他の宝玉についてはアルカディア王国とジャンナ王国の協力が必須だ。両国が宝玉の持ち出しを許可しない限り、6つの宝玉が揃うことはないであろう。」


 ということだった。現時点で両国のスタンスは不明だが、少なくともどちらか一方の国が難色を示すと非常に面倒なことになるのは目に見えていた。


「土の宝玉については何かわかりませんか?」


「これも歴史書を見れば書いてあることだが、当時の術者の一人がそれをピラミッドに安置すると言っていたそうだ。」


 リーフの問いに国王はあっさり答えてくれた。なんだ、分かってるんじゃないか?と心の中で突っ込んでいたのだが、


「だが、本当にそうしたのか誰も確認していないのだ。いや、できなかったと言うべきか?」


 その先の言葉を待つレグルス達。


「ピラミッド自体に結界が張られていて、中に入れないのだよ。」


 確かにこれも知っていたことであるが、宝玉を5つ集めたとして、いや6つ集められたとして、それでも中に入ることが出来なければ、そもそも封印を解くことなどできないのである。それを改めて考えると、とても話が長いことになりそうである。


「そこで最後の問題なのだが、ピラミッド自体の封印は、当時のレムリア王家のあずかり知らぬところで、竜の封印にかかわった4人の術者が独断で行ったと言われている。ゆえに、その結界がどのような類のものか分かっていないのだよ。」


 ザイン王から聞ける話は一通り聞いた一行は、国王との挨拶を済ませ退席する。その後、風の宝玉を手渡された後、書庫に案内してもらって、関係ありそうな文献を探していく。そして分かったことは、封印された竜は土属性の竜であったこと、封印の際には土から比較的縁遠い、光・闇・火・氷の属性で4方向から封じ込め、上から土の反属性である風の魔力で押さえつけたという。そのため封印を解くためには、5つの宝玉に魔力を送り封印を弱めた後、土の魔力を加えて封印対象を活性化することで完全に結界が解けるのだとか。それと、光の宝玉はアルカディア王国北部にある光の神殿、闇の宝玉はアルカディア王国南部にある闇の神殿に安置しているらしい。その他はザイン国王が話していた内容と同様であった。


 目ぼしい資料に目を通した後、ヘスベル城を出た一行は宿に入り落ち着いた後、今後の方針を話し合うことにした。


「さて、やるべきことは沢山あるのだが、一度整理してみるか。」


 ラークはそう言うと、やるべきことを列挙し始めた。


1.残る宝玉である、火・氷・光・闇を集めるために、アルカディア、ジャンナ両国に行く。


2.アルカディア、ジャンナ両国で各宝玉を持ち出す許可を得る。


3.ピラミッドに行き、結界の正体を調べ、その結界を解く。


4.恐らくはピラミッド内部にあるであろう土の宝玉を探す。


5.土竜の封印を解く。


6.土精霊のペンダントを探す。


7.土精霊のペンダントの所有者にふさわしい土魔法の術者を探し出す。協力をお願いし、可能ならば仲間にする。


8.土の儀式を土竜に行ってもらう。


 改めて列挙していくとやるべきことの多さにうんざりする。ざっくり言うと土竜の封印を解くことと、術者を見つけることの2つなのだが、細かいことを見ていくとクリアしなきゃならない問題が多数存在していた。


「まずは、宝玉探しだろ? で、どっちに行くって話なんだが。」


 ラルフがこう言うが、この辺は流石に異論を挟む者はいない。どっちというのは、アルカディアなのか、ジャンナなのかということだろう。


「地理的に行ったら、ここのお隣がアルカディアだからそっちからということにならないかな? この国に3つ集中しているよね?」


 アレクはこのように言うが、まあ正論である。普通はそうだろう。だがここで、リーフから逆の意見が出る。


「アルカディアはヘスベリス、ジャンナ両国と現在も尚対立関係にあります。逆にヘスベリスとジャンナ両国は地理的な問題もあるかもしれませんが1度も戦争をしていなかったはずです。ですから、仮にアルカディアには反対されてもジャンナにはヘスベリス同様に許可を貰えるかもしれません。敢えてアルカディアを無視して通り過ぎ、先にジャンナを目指すのも手ではないかと。」


 リーフの意見を聞き、皆少し考える。そして、


「それって、結局は先送りよね。どっちにしろ避けては通れないんだし、先にアルカディアにある3つを回収したほうが効率がいいんじゃない?」


 カペラはこんな風に言う。さらにエストが、


「ゲルザードの封印はいつ解けてもおかしくは無いんでしょ? 少しでも早くなるように行動したほうがいいんじゃないかしら?」


 と、このように言う。皆、リーフの意見に理解はしつつもアレクの意見に賛成なようだ。


「いえ、僕も選択肢として話しただけですし、アルカディアからで全然かまいませんよ?」


 当のリーフも自分の意見には拘っていないようだ。というわけで、レグルス達はアルカディア王国を目指すことが決定するのである。




 






次回は6/13です。時間は不明ですが、15時までには何とかと思っています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ