黒幕への手がかり。
隠されていた水路網に潜入したレグルス達7名。そのまま直進すると、そのまま直進する水路と、北方向に曲がる水路とに分かれていて、それに付随して道もついている。ここに入ってからは、明るいとはいえないまでも、若干の明るさが常に保たれるように、一定間隔で明かりも灯っている。ここは、間違いなく何かに利用されていることが分かる。で、どちらに行くべきかだが、ふと、風の流れを東の方から強く感じる。北側からも感じないわけではないが、東側からはそれが強く感じる。それに、この東側の風は魔力を感じる気がする。・・・ということは、この風は魔法で起こした風か?・・・つまり術者がこっちにいるということ。・・・で、カペラは風魔法を確か使えたはず。・・・行ってみる価値はあるな。
ここは、呪いの蛇の本拠地である可能性が高いため、全員警戒を強めながら、慎重に歩を進める。・・・前方に2人、人がいるのを確認。見張りか?・・・向こうはまだこちらに気が付いていないようだ。レグルスは地を蹴り、瞬時に見張りに近づき、2人の見張りの首筋に手刀を落とす。直前にようやくこちらの存在に気が付いたようだがもう遅い。声を出される前に意識を落とすことに成功したようだ。直後に後方の6人に合図を送るレグルス。そのまま進むことしばし。再び道が、東と北に分かれているが、
「今度は北だな。」
先ほどから感じる風の流れは、より強く感じるようになってきている。分かれ道から先に進むこと10分程。目の前には見張りが2名。・・・さっきと同様にレグルスが意識を刈り取る。その先にあったものは、十数人いるだろうか・・・ここを管理する組織にとらえられたと思われる人たちが、牢に入れられていた。・・・そして、いた! カペラとユーフィだ。俺たちは急いでそこに行く。・・・鍵の解錠は・・・面倒なので、エストに融かしてもらう。
「人使い荒いわね・・・」
鍵穴に、威力を調整した火魔法を継続的に当ててもらうと、程無くして、鍵穴ごと融解した。・・・中で2人は痛めつけられたのか、ぐったりしていた。拷問も受けたのか、顔も含めていたるところに傷が見える。カペラには魔力を吸収する効果のある腕輪が嵌められていた。・・・よくこれで風魔法を使えたものだ。・・・腕輪にも鍵がかかっていたが、これはレグルスが引きちぎる。合わせてヒールとリフレッシュの魔法もかけてやる。・・・傷は無事無くなったようだ。そした、ユーフィの方はミリアムが対応してくれている。そっちも大丈夫みたいだな。
「・・・あんた、助けに来てくれたのか・・・流石にもうだめかと思ってたわ。・・・感謝するよ。・・・アンタには大きな借りが出来ちゃったわね。・・・」
カペラには意識はあったようだ。・・・まあ、とにかく無事(?)でよかった。・・・とりあえず何故こういうことになったのか聞いてみる。
「まあ、一つにはアンタとの会話が筒抜けで、情報を漏らした奴は許さないってとこだろうね。私たちは契約違反に当たるらしいから、私たちのことは奴隷として売ることにしたようだ。」
俺とミリアムで充分な回復魔法を掛けたうえで、必要な分の魔力回復役も飲ませたことで、何とか動けるようになった二人。さて。
「ここを出るぞ。・・・一度落ち着いて話をしたい。いいな?」
うなずくカペラ。そこからの行動は早かった。先ほど気絶させていた見張りは・・・まだ気絶していた。それをいいことに、速やかに脱出する一行。・・・無事に外に出ることができた。そのまま、宿に直行した。
現在、午後1時。すでに9人で昼食は取った。現在は一番広いラークの部屋で全員が集まっている。犯罪組織、呪いの蛇について詳しく聞くためだ。
「単刀直入に聞くが、ウルズ湖東岸に位置する都市で盗賊など多数出没するが、やはりほとんどが呪いの蛇なのか?」
ラークがこう言うが、実際別個の盗賊被害として報告されていたものが、実は1つの犯罪組織の指示もしくは誘導によるものだとしたら、そもそも根本を叩けばいいという話になってくる。
「はっきりは分からないけど、たぶんそう。・・・私たちみたいなのもいっぱいいるし、呪いの蛇が直接襲っているケースもある。ヤースとかバルナとかあの辺で10人前後で出没していた連中なんかは間違いないね。で、捕まったら組織のことは絶対言わない約束なのさ。・・・まあ、私はしゃべっちまったけど。」
「そもそも、カペラの両親は何の事業をやってたの? こないだ失敗して借金をって話してたから。」
「ここアクタの街で、薬屋をやっていたのさ。回復薬とか魔力回復薬とかいろいろ。西地区の繁華街にあったんだけどね、あるときうちの商品に毒が入ってたって噂になって、役所が来たらうちの店から毒の成分が入った製品が見つかったって。・・・それで、お店取り上げられて、借金だけ残っちゃって。あとには呪いの蛇がうちの店を引き継いで、そのまま収まってる。薬の値段を上げて暴利取ってるみたいだけど。」
エストの質問にこのように答えてくれたカペラ。事実としてそういうことになっているようだが、
「そもそも、どの製品に、どんなタイプの毒が入っていたのか、説明があったのかい?」
「いや、何もなかったよ。覚えていないんじゃない。説明がなかった。問答無用だったよ。だから、未だに納得はいってないのさ。大体親父は曲がったことが嫌いで、よく連中に違法薬物を秘密裏に入手するように圧力を掛けられていたんだ。全部断っていたけど。だから、親父が毒物を普通の回復薬と偽って売るなんてありえないし、そもそも仕入れたりなんてしない。絶対アイツらが、うちを潰すためにやったんだって思っているけど、役所が絡んじゃったからどうにもならなくて・・・」
ラークの問いに対する答えである。普通は役所が絡むなら、説明が入るよな。それが無いとなれば、役所もグルということにもなる。そんな風に考えれば、この辺一帯の盗賊発生件数の多さも、分かっていてあえて取り締まってないと考えれば説明できる。では何故、わざと盗賊が発生し続けるように仕向けるのか・・・レグルスは一つの仮説を思いつく。
ウルズ湖東岸一帯での盗賊発生→街道での物流の停滞→イザヴェラへの援助物資のストップ
そして、このミズガルムでは、諸外国へ積極的に影響力を強めようとする、与党の秩序党がイザヴェル王国への積極介入を政策として掲げているが、伝統的に国内の開発に重きを置く、野党の国民党は、国民の血税を正義の名のもとに他国に譲渡するような政策に異を唱えている。逆にこの政党が与党であるときは、国内開発を理由に特定団体が利益を搾取する構図が、歴史上度々発生しているのであるが。
現在、国民党は議会において、多数派を占めている。つまり、陰で国民党の実力者の誰かが、イザヴェラへの物資の輸送をするという方針を政府に撤回させるため、盗賊を利用している。そして、それを行うため、例えば呪いの蛇のような犯罪組織と裏でつながっているとすれば説明が付く。カペラの店の件で役所も絡んできたり、先日の盗賊引き渡しの際の兵舎にいた兵士が、やる気がなさそうにぼやいていたのも合点がいく。
レグルスが自分の仮説を話している間、王族3人は黙って聞いていたが、
「レグルスはいい読みをしたかもしれないな? その考えでこの国に入ってから見聞きした問題点に大体の説明が付くのは確かだ。証拠はないがな。カペラの親父さんの件もすべて推測に過ぎない。・・・何か証拠が欲しいな。いっそ、呪いの蛇に潜入するか?」
「! アンタ、・・・ラークって言ったけか? そんなことしたらみんな殺されるよ!」
カペラが激高する。・・・まあ、普通はそういう反応だよな。だが、ラークの意見に反対なのは俺たちの中にはいないようだ。・・・あそこは、呪いの蛇は潰す。俺レグルスはそう決めた。香辛料を盗まれた恨みは呪いの蛇に返すことにする。・・・未だに忘れていなかったレグルスである。
「そうだな・・・潜入はレグルスとアレクでいいか? 残りメンバーは自宅(?)警備としゃれこもうぜ?」
なんか、エストは行きたそうだったし、ミリアムは言い出しっぺなんだからお前も行け!って視線を向けるが、ラークは取り合うつもりがないようだ。まあ、俺とアレクってことはスピード優先ってことだろう。あとは、ユーフィもここにいるし、この宿の襲撃は絶対に警戒しなければならない。この宿に一切の被害が出ないようにするには妥当な配置かもしれない。・・・妙なリーダーシップを発揮しているラークである。
「あんたたち、本気で行く気なの? 正気?」
「まあ、俺に喧嘩吹っ掛けてきたら、死ぬのはあっちだしな。そこまで気にしなくてもいいんじゃないか?」
「・・・大した自身ね。・・・いいわ。それなら私も行く。人任せは嫌だから。それに道案内いるでしょ? 全部は知らないけど、少しなら分かるし。」
「そんじゃ、こっちはユーフィ姫様の護衛ってことで。レグ、アレク、カペラ。頼んだぜ。」
まだ困惑しているカペラを引き連れ、3人は元のスラム街地下に突入していく。レグルスが発見したポイントは未だ進入がバレていないようだ。そのまま進み、最初の分かれ道に来ると、カペラが、
「本部はたしか、少なくとも直進したら行けないはずさ。だから北だと思うよ。」
さっきとは異なり、言われた通り北に進むことにする。東側には何度か顔を出しているらしいが、目立った施設はなかったそうだ。実際、レグルスは昨日のうちに頭に入れていた、過去の東地区の地図からいって、旧市街の拠点になりそうなポイントは把握しており、方向的に北で間違いないと思っていた。
このアクタの街の、旧東地区にあった施設といえば、東区役所、兵舎、牢獄なんかがあったはずだ。当然今は無いが、嘗て東区役所は東区の中央、兵舎は北のはずれ、そして牢獄は東地区の中でも北東のはずれに位置していたはずだ。それぞれの地上の様子を聞いてみる。
「スラムの中心には、一応そのまま役人が常駐する建物があるね。そこからまっすぐ北に行ったはずれには・・・あそこは普通に貧民街だ。あんなところに拠点はないよ。人の目があるからバレると思う。あと、北東かい?・・・そっちはがれきの山があるだけだね、だれも住んでないし近寄る奴はいないよ。」
カペラの話を聞きつつ、周囲の人の気配を探すレグルス。この地下でなるべく人が多いところは・・・北東に多くの人の気を感じることができる。ここが一番怪しいのかもしれない。
30分程歩いただろうか? 目的のポイントまで到着した。特に見張りもいない。そしてここで行き止まりのようである。・・・ハズレか?・・・とりあえず横の壁に手をついて考えてみる。・・・手をついたと思ったら、レグルスの体がその方向に傾く。壁があると思ったら、またも幻影である。今回は正面ではなく、真横1m程度の幅だけだった。・・・どうやらここから侵入できそうだ。
中に入ってみると、そこは非常に狭い空間だった。縦横高すべて2m程の空間である。でよく観察してみると、足元には取っ手が付いており、ここを開けられるようだ。早速蓋を取ってみると、・・・居た。恐らくは呪いの蛇の構成員だろう。レグルスはすかさず飛び降り、声を出される前に意識を刈り取る。そのまま2人に下りてくるように促す。
周囲を見ると、そこは漆喰で塗り固められた白い壁で被われた通路だった。床も綺麗な石畳で清潔感がある。ここを見る限り、元の建物を利用しているのならば、牢獄部分ではなく、管理棟の方なのかもしれない。そのまま気配を殺して進むことしばし、階段が現れた。ここのボスがいるとすれば、普通に考えて最奥だろう。一気に最下層にまで下りて行く3人。
ちょうどその頃、この建物内の最奥の一室にて、呪いの蛇の首領ヤコブと国民党の議員であるマデロが極秘の話し合いをしていた。
「何だとあの姉妹を逃がしたというのか? あいつらは正確には知らないはずだが、こちらの情報を色々話す可能性がある。詳しくは知らなくとも、我々があの姉妹の父親をはめたのは感づいているはずだ。だからこそ、盗聴を仕掛けさせたのだ。」
「どうやら、協力者がいるようですな。恐らく、あの家に訪れた旅の者でしょうが。・・・まあ、じきに捕まえますよ。ついでにその旅の者も消しておきます。」
「とにかく、先生のおっしゃる通り、この地区において混乱を高め、イザヴェラへの物流を止めさせ、その責任をネルヴァ大統領に取らせなければならない。そして、その後釜には先生が当選されるはずだ。そのためにはもうしばらくお前たちに暴れてもらわないとな。」
「もちろんですとも。その代わり我々組織に対する安全保障さえしていただけらば、いくらでも協力致しますぞ。・・・当然そのキックバックもご用意させてもらっています。」
「議会の方は、国民の血税を守るとのお題目で、盗賊取り締まりに掛ける予算は限界まで絞らせる。各都市に余計なことをさせないようにな。・・・どうせ国民も細かいとこまでは予算案に目話通さない。議員も正義感で行動するようなものはごく少数だ。採決の時だけ数がいればよい存在だ。多数はこちらにある。我々が思うように進められるよ。」
2人で笑いながら話していたその時、ドアがけ破られる。レグルスの我慢が限界だった。アレクは思う。コイツ子供のころと性格変わったよな?と。本しか読まなかった奴がどうしてこうなった?と思ってしまうが今更ではある。
「色々聞かせてもらいましたよ? マデロ議員。」
「キサマ! どこからこの建物に入ってきた?! クソ! 連中は何をやっている?」
そう問いかけたのは呪いの蛇、首領のヤコブである。マデロ議員は固まっている。まあ、そう聞かれて正直に答える奴はいないんだけどな。連中ってのは警備してたやつらだよな?
「ああ、アイツらなら眠ってもらったぜ?」
当然襲ってきた構成員。なるべく気づかれないように来たが、さすがに階段を下りてるときに襲ってきた。勿論撃退したけどね。・・・ここで我に返ったのかマデロが動揺しだす。
「俺は知らん!知らんぞ!」
そう言って、ゲートを使って、慌てて逃げようとしたマデロの首を落としたのはヤコブであった。
「もはやこれまでだな。先生に泥をかぶせるわけにはいかん。お前たちにも死んでもらうぜ。」
そう言うと、壁に埋まっていた真っ赤なボタンを押すヤコブ。すると、けたたましいサイレンが建物全体に響き渡る。
「この建物は数分もしないうちに爆発する。俺たちの拠点はここだけって訳でもないんでね。オメーら、一緒に死んでもらうで。」
ヤコブはそう言うと、レグルスに短刀を構え、首を横薙ぎにしようとするが、・・・レグルスに通用するわけはなく、カウンター気味に放たれた右拳によって、ヤコブの首は胴体と離れ、壁の染みとなる。それよりも・・・
「脱出するぞ!」
アレクの掛け声に、一斉に駆け出す2人。アレク自身もそれに続く。混乱している構成員を無視してどんどん来た道を戻っていく。構成員たちは自分を犠牲にしてまで俺たちを足止めしようという気は全くないようだ。サイレン音に動揺しまくっている。・・・さっきは階段を下に降りてきたのだが、確か上にも階段は続いていたはずだ。時間もないしそのまま上る。・・・案の定、外へつながっているわけではなかったが、レグルスは両手を上に突き上げて、気を集め始める。・・・直後大爆音とともに天井が崩壊する。その後、青い空が見えた。・・・その後無事3人は外に出て走ること1分程。さっきまでいたところが大爆発を起こす。その爆風で吹っ飛ばされる3人・・・だが、地上には叩きつけられず、フワッと下りることができた。カペラの風魔法である。
「何というか・・・アンタらめちゃくちゃだな・・・」
その直後、僅かにニヤッとする、レグルスとアレクであった。
その後、起きた一部始終を報告するレグルス。爆音はここまで聞こえてきたらしく、兵やら市の役員やら大慌てで東地区へ向かったらしい。・・・あそこの犯罪組織は終わりだろうけど、他にもあるって言ってたしな。それに、先生と呼ばれていた存在も気になる。きっと公権力を握っているような存在ではあろうけど、・・・わからん。
しかし、こうなってみると俺たちに火の粉が飛んできても嫌だな。実際、俺とアレクはあそこにいたわけだし。いっそのこと、予定を変えてこの街を出てしまうか?
「いや、急に予定変更なんかしたら、逃げましたと言わんばかりだしな。やめておいた方がいいだろうな。と、いうことで、出立は明日の朝だ。あとは・・・カペラ姉妹の問題か。」
呪いの蛇の拠点は無くなったが、少なくともそれに連なる犯罪組織は存在するわけで、いつまたカペラが狙われないとも限らない。とはいえどうするかっていえば・・・
「ねえ、カペラ。あなた私たちについてくる気はない? 割と危険な旅ではあるけど、気のいいメンバーばかりだしね。」
エストはそう言うが、・・・まあ、悪くはないのか? この女、戦力にはなりそうだし。
「・・・ねえ、あなたたちって何者?そういえばちゃんと聞いてなかったし・・・」
そう言って来たので、改めて自己紹介。勿論、旅の目的も話す。
「・・・まあ、なんというか、開いた口が塞がらないというか・・・魔王退治? 勇者の育成? 話が大きすぎるわよね? 面白そうだし、引かれる気持ちもあるけど・・・ユーフィ連れてはいけないわ。」
まあ、そりゃそうか。・・・!・・・一つ妙案を思う着いたレグルス。
「一か所、絶対に安全な場所を知っているんだが、ここからは少々遠くてな。転移ならいけるんだが、一回行ってみるか?」
カペラ姉妹も含めて全員うなずく。まだ、どこか行ってないけどね。決断速いね、皆。ということで、ゲートを開いて転移した先は、・・・シュネー村だった。 まず、2月なのにクソ暑いこの村に全員驚愕。基本、みな冬服を着ていたので一斉に暑がった。そして、場所がガイアナ島のシュネー村と聞いてさらに驚く。ここに住む魔獣的にかえって危険なのでは?と問い返されたが、俺を鍛えた人がいる村だといったら、全員黙った。そりゃそうだ。ヤン師匠にかなう魔物はいない。・・・で案内したのが、元の自宅である。家財道具一式残しておいたから、いつでも生活できる。で、本人ユーフィがここを気に入るかどうかなんだが?
「ここのうち綺麗~。それにひろ~いね。・・・あ、いっぱい本がある~。・・・」
うん、割と気に入ってくれたようだ。問題は一人暮らしでもいいのか、お姉ちゃんと一緒じゃなきゃ嫌なのか?・・・いずれにせよ、姉妹の安全は確保される。
「私、ここに住みたい。・・・本当はお姉ちゃんと一緒がいいけど・・・でも、お姉ちゃんはレグルスさんたちと行きたいんだよね? それに行くべきだと思う。」
「でも・・・」
姉の方がぐずっているようだ。
「その気になれば、いつでも様子見に来てくれるよね。今まで見たいなつらい生活しなくていいなら天国だよ。ここ。だから、お姉ちゃんをお願いします。」
そう言って、俺たちに頭を下げたユーフィ。これで逃げられなくなったな。カペラも腹を決めたようだ。
「分かったわよ。アンタラについていく。・・・まあ、よろしくしといてあげる。」
加入の挨拶まで上から目線かよ! と思ったが言わないでおく。一応村長のとこに行ったら、都合よくヤン師匠も一緒だった。事情を説明したら、快くOKを貰った。なるべく目を掛けてくれるみたいだ。あとは、イルザさんとかアスカさんとかが面倒を見てくれることだろう。若い男衆もきっとかまってくれるだろう。・・・ユーフィは随分気に入ったのか、戻らずにこのままいるそうだ。
「レグ。 また時間がある時にでもゆっくり来なさい。待ってるぞ。」
「あれから、少しは強くなったかのう? 仲間に迷惑かけるんじゃないぞい。」
「お姉ちゃん! 頑張って!」
「うん、行ってくる!」
今のは、ホセ村長、ヤン師匠、ユーフィ、カペラである。そう挨拶を済ませると、再び転移でアクタの宿に戻る一行であった。その際、村長から、この村ではいくらでも手に入る胡椒の瓶を数本、忘れずに貰っていたレグルスである。
翌日、アクタの街を出立する一行。宿に戻ってから今に至るまで、特に役人が取り調べに来ることも無く、ほっと一安心する一行であった。
ようやく、カペラ編終了です。次は首都ラバナ編になります。更新は4/8の夜には。




