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格闘聖職者の冒険譚  作者: 岩海苔おにぎり
第5章 ミズガルム共和国に迫る影
35/102

カペラ姉妹の失踪。そして東地区の秘密。

 先日、ペンネーム変更しました。一応古いペンネームも併記してますが、1カ月後くらいには古いのは消してしまう予定です。ご了承を。

 カペラは、自分たちの部屋で、ついさっきまでここにいた連中のことを思い返していた。そもそも、盗みをした対象と何度も遭遇するという体験自体が初めてだ。最初の遭遇は確か、連中の昼食時を狙ってや端だよなぁ。小銭とか金目のものとか適当に盗んでやったけど、レグルスって言ったっけか、格闘家風の男が追っかけてきたっけ。まさか、あそこから追いつかれるとは思わなかった。結局、煙玉使う羽目になったし。・・・追われている瞬間は生きた心地がしなかったなぁ。 で、今度は数日後のバルナの街の宿屋だ。その日は犯行現場を3階で見つかって、いつものように窓から飛び降りて、余裕で逃げられると思ったら、アイツらも2階にいて、飛び降りて追って来た。・・・あの時は本当にヤバかった。ただ追って来たと思ったら挟み撃ちにされてたし。奥の手の転移まで使ってしまった。それでも、もう会うことはないと思っていた。


 それがまさか自宅に帰ったら、ユーフィと一緒にいるんだもん。・・・今度こそ終わったと思ったよ。なんて執念深いんだって。おまけにユーフィ人質にとるとか、あんまりだって思った。・・・でも違った。それが偶々妹を助けただけだったなんて。・・・もう訳が分からなかった。


 なんという偶然。・・・だからこそ、連中の話し合いに応じることにした。助けてくれたんだしね、ちゃんと向こうの言い分を聞こうと思った。それに、妹は、呪いの蛇の連中ともめた格好になっている。私たちは奴らに生かされている。だからそこは不安である。とはいえ、妹が直接どうこうしたわけでもないし、今すぐここを襲撃されるとかはないかもしれないけど、呪いの蛇が簡単に引き下がるとも思えない。だからここに居続けるのは危険でもあるけど、だからと言って他に行くところもない。・・・いっそのことあの連中に相談したらいいアイディアをくれるかもしれない。・・・などと思ってしまう。・・・そう思わせてしまう魅力みたいなものをあの男レグルスから感じた。・・・まあ、気にしてもしょうがないか。明日になればわかるさ。


 既に、妹は疲れて寝てしまっている。呪いの蛇の連中に上納金が足りないって凄まれたらしいから、怖かっただろう。・・・私も今日は色々ありすぎて寝てしまいたい衝動にかられた。・・・寝るかな?・・・そう思ったとき、周囲に気配が。・・・それも沢山の。・・・何故気が付かなかった?・・・こんな時間にこれだけ眠いとかおかしい。だって、まだ夜の7時だし。・・・もしかして睡眠魔法のスリープ?・・・あ、や・ば・い・・・



 一方、女盗賊のカペラとその妹のユーフィと偶然会うことができたレグルスとエストは、もう宿に戻ってきていた。他のメンバーもすでに帰ってきていた。・・・ということで、現在は夕食時間である。


「・・・え?あの絵、そんな値段で売れたんですか?!」


 リーフの発言である。今の話はこれまでアレクが描いてきた絵を一部売ってきたという話をしていたのであるが、その金額を聞いて驚愕している。


「金貨2000枚ですよ? それも一枚当たりで、合計1万枚です! どこの画伯ですか?!」


 リーフは知らなかったんだな。ミリアムは知っていたのか苦笑いしている。


「リーフ。もしかして、アレク画伯のこと知らないで一緒に旅していたのか? 既に絵画のコレクターへの知名度はものすごいものになっていると聞くぞ。グリバールにもその名は聞こえていたぞ?」


 ええ~! って驚いてるし。良い反応だな。 しかし、ラークもなかなかいじってくるね。


「多分、買った商人はホクホクだろう。数日後にはこの10倍の値で売れることになるからな・・・」


 続けて言うラークの発言に、幼馴染組の、レグルス、エスト、ラルフ、アレクが驚愕する。てか、何故アレクが驚愕する?・・・どうやら、本人は自分の絵がそこまで高騰していることを知らなかったらしい。・・・むしろ一枚金貨2000は、随分高く買ってもらったな。くらいに考えていたみたいだ。・・・それに、画伯呼びも単なるネタと思っていたらしく、普通に画伯呼びされていることにショックを受けているようだ。・・・


 ラーク、ミリアム、リーフの王族3人はというと、街の散策に行っていたようだ。ミリアムの旗振りで、スイーツ巡りをしていたそうな。・・・ミリアムの生き生きした顔。それに対する、ラーク、リーフの自分の胸をさすりながら、ため息をついて今晩の夕食を食べる姿からして、推して知るべきだろう。・・・ミリアム・・・どんだけ食べさせたんだ?・・・どんなスイーツがあったのかちょっと興味があるレグルスである。


 で、今度はレグルスとエストの報告である。全員何を考えているのか、ニマニマしながら、聞いている。まず、リーフに先日、自身が使った魔法に関する情報の写しを手渡す。リーフの表情が引き締まる。俺たちは遊んでいたんじゃないんだぞと、ドヤ顔をかますレグルス。だが直後、エストに同情的視線が集中する。何故だ? その後の買い物の話をしているときは全員にこやかだったのだが、スラムでの話で表情は一変する。 街中での少女のスリ。スラムでその少女を助ける。・・・そしてその子の家に行ったら、そこに例の女盗賊が帰ってきたと・・・で、明日10時にここに来ることになっているわけである。余りの急展開に困惑する他メンバーである。・・・




 夕食時も終わり、寝る前の時間を利用して、図書館で借りてきた本を眺めているところである。勿論、明日には返しに行かなければならない。ということで、流し読み気味に、この街、アクタの水路について書かれている部分に目を通している。何でこんなのを見ているかというと、この街に来た瞬間、街の美しさを気に入ってしまったからである。だから、この街特有の水の利用法に関心を持ってしまったのである。・・・読んでいるうちに特に気になったのが、現在の水路はスラム街を除いてすべてに張り巡らされているが、嘗てはスラム街である東地区にも水路が張り巡らされていた。だが現在はない。何でも、盗賊の逃走経路に利用されたから潰されたなどの説明がされていたが、何故わざわざ街の景観を損ねるような真似をしたのかが納得できないレグルスである。エストと2人で舟に乗っているときも、東地区との境界に差し掛かった時に、綺麗ではあるのだが不自然さを感じたものである。これは、昔の景観を取り戻すべきだな!と一人、評論家気取りで悦に入りながら眠りにつくのだった。




 次の日、10時頃には来客があるということで、今日はもう一泊することに決めている。昼過ぎに出立しても大して移動できずに夜を迎えてしまうからだ。それはそうと、朝の支度を早めに終え、来客の登場を待ちわびる一行。・・・だが、待ち人は訪れず、時間が30分も過ぎたあたりでしびれを切らしたレグルスは事前に渡していた念話石で連絡を取ろうとする。が、応答はない。・・・まさかすっぽかされたか?


「それはどうかしら? 少なくとも昨日はそうは見えなかったわよ? 逆に何かあったのかもしれないし、心配だからもう1回あの家に行ってみない?」


 エストがそう言うので、全員でカペラの家に向かうことにする。・・・全員で移動すること30分程。カペラ宅へ到着。だが、いる気配がいない。一応ノックしてみるか?と玄関前に行ったところ、少し戸が開いていたのである。そこで、つい戸を開けてしまったのだが、・・・中には誰もいなった。


 レグルスは、単に施錠もせずに外出したのか?とも思ったが、ではどこに行ったのか?元々、レグルス達が止まっている宿に行くはずである。レグルス達から逃げたという可能性も考えられなくはないが・・・そこで、よく部屋を見ると、女性のそれとは異なる足跡が見つかる。その数からいって、男数人のものだろう。・・・ということは、昨日俺とエストがここを去った後、襲撃されたということか?・・・一体だれが・・・さらによく見ると、昨日渡した念話石が部屋に落ちていた。


『レグよ。そこの戸棚の影の方、見てみぃ。』


 ゲンに言われるがままに見てみると、・・・あ、これは盗聴装置か・・・昨日の会話を聞かれていたのが呪いの蛇だとすれば・・・ここは元々呪いの蛇の所有する建物のはずだし・・・彼女たちが俺たちに情報を漏らしたのがバレたということなんだろうなぁ。


『たぶん、このスラム街の地下とちゃう? この部屋に漂っとる気配と似た感じの気配が、詳しくはわからんけど、どこからかは感じるで?』


「だったら、探しに行きましょうよ? カペラもユーフィも助けましょう? ある意味私たちのせいでもあるし。」


 もちろん俺もそのつもりだ。他の面々も協力してくれる雰囲気だ。・・・とはいえ、どこから地下に入ったらいいもんか見当もつかない。・・・。・・・・・、何か違和感を感じる。・・・ふと引っかかったのが、昨日読んでいたこの街の水路の件。過去はスラムがあった地区にも水路があったと書いてあった。今は無いと書いてあったが、もし、今もあるのだとしたら・・・!!・・・そういえば、昨日エストとともにボートに乗ったとき、東地区に差し掛かった時違和感を感じなかったか?・・・


「・・・なあ、ちょっとついてきてくれるか?」


 レグルスがそう言うと、その後を追随する一行。そのままスラム街を出て、水路沿いを歩く。昨日ボートで通った水路だ。ここで違和感を感じたのだ。・・・もう一度よく観察してみると、昨日は水路の西側からここまでやってきた。ここより東には行けないので、水路は北側に曲がる道があるのだが、その曲がるポイントの3m程先まで水路が直進方向に続いていて、石垣で塞がれるような格好になっている。昨日は特に深くは考えなかったが、景観的には不自然さを感じていた。・・・後から塞いだんだろうな?くらいに考えていたが・・・


『レグよ。ビンゴやな。・・・ここから、空気の流れを感じるで。石垣から風が来とる。』


「「「「「!!!!!!!!」」」」」


 レグルス以外のメンバーも驚いている。もしかしたら、魔法か何かで、視覚をごまかしていたのかもしれない。・・・当然それを確かめてみる。


 この東方向にほんの少しだけ続く水路の横に人が歩ける通路があったので、そちらから歩いて石壁に触れる・・・ことはできなかった。そのまま、レグルスの腕は石垣の中にめり込んでいるように見える。 が、レグルスに接触感はなく、代わりにひんやりした空気の存在を感じる。


 意を決して、石垣の中に突入するレグルス。中はそのまま、水路の続きがあったのだ。・・・やはり水路は無くなっていなかったのだ。むしろ、このスラム街が、水路を隠すように乗っている感じである。・・・埋めたのではなく、保存したうえで、その上に街を構築したということか。改めて考えてみると、東地区に行く際は、なだらかなスロープがあった気がする。つまり、スラムにとって、ここが地下に当たるわけか?・・・そうすると、ここは、犯罪組織、呪いの蛇の拠点への入り口の可能性が高い。カペラ、ユーフィ姉妹を助けられるかもしれない期待感と、いつ襲われるかもしれない危険を感じながら、一同は隠された水路沿いに歩いていくのだった。




 今回は中途半端なところで切ってしまいましたが、続きは明日15時までには更新しますので、是非お楽しみに。

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