師匠からのギルド依頼1
レグルス少し成長しました。今回初めて自分の意思で冒険をはじめます。すぐ帰ってくる予定ですけどね。予定は未定ですが、3話位このお話は続くかもしれません。お時間ある方は是非お付き合いを。
1730年 8/18 レグルスは13歳、もうすぐ14である。まだ幼い顔つきながら、身長は伸び167cmある。同年代では普通か、やや大きい方か。だが、修行を初めてもうすぐ4年が経とうとしているからか、体つきはがっしりした体形へと変化してきている。どこからどう見ても格闘家である。もう誰も実は天職が聖職者だとは思わないだろう。服装も年中暑いせいか、いやいつも暑いのだが、上半身は半そで。但し厚手で中央を数か所横長のボタンで留めている。そして下半身は丈が長いがだぼだぼな感じのものを穿いている。いかにも格闘家風である。今現在のレグルスの成長度合いは以下のとおりである。
レグルス LV187 天職 聖職者 回復魔法の才能 空間魔法の才能 格闘の才能 現在の職業 冒険者
HP 1271
MP 2451
力 1025+100
きようさ 913+200
すばやさ 1581+150
魔力 1371
技能 格闘LV156 火魔法LV15 光魔法LV78 風魔法LV30 回復魔法LV123
空間魔法LV98 料理LV40 学問LV45
+ブレス耐性50% 混乱耐性100% 幻惑耐性100% 毒耐性100%
【幻獣の革手袋】装備中
レベルこそ下回っているものの、ステータスは師匠を大体上回っている。ところが格闘レベルの差なのか、実際に模擬戦してみると全くかなわないんだよな。持久戦になれば絶対勝てる自信はあるんだが、そもそも持久戦にならない。今まだは、ほぼ3分以内に伸されてしまう。畜生。
現在レグルスは、村から少し離れた開けた土地に来ている。視線の先には高さ10m程もある大きな崖がそびえ立っており、レグルスはその崖から15m程は離れているだろうか。崖の上にはヤン師匠がおり、その傍に、半径1m程の巨大な岩が山積みになっている。今日の修行はこれを使うようである。
「レグルスよ。やるからの。せーのー!」
岩を投げつけ始めた師匠。断じて落としているのではない。投げつけているのである。この岩をすべて破壊するのが本日のメニューのようである。全身で気を練る。インパクトの瞬間、右手に気を集中させまず1つ目を爆砕。すかさず後ろ回し蹴りで2つ目、3つ目は左正拳突きで、そのすべての一撃に気を込めるのを忘れない。しかも高いところから投げるせいか、飛んでくる岩が左右にぶれるため自分も大きく動くことになるので余計にハードである。
今のところ順調に破壊できている。初期のころであればこんなことはできなかったし、できたとしても長くは続けられなかったのだが、気を練るには自分の体力を消費するからである。だが、【オートヒール】という数秒ごとに自動的にヒールがかかるという魔法を覚えてから長時間戦闘をしても耐えられるようになったのである。最近は無意識にこのオートヒールを掛ける癖がついていて、気を全く使わない時と変わらない持久力が身についている。とそこで、
「な!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
同じペースで破壊しようとしたところ、一見、岩のように見えて、似て非なるもの。それが飛んできた。なんか嫌な感じに微妙に馨しい。いやはっきり言って臭い。ドラゴンのう〇こである。わざわざ乾燥させて岩に似せてあった。・・・認めよう。俺は調子に乗っていた。(思春期に入り口調が変わってきました。)余裕が出てきたせいか、惰性で修行をしていた。そのせいで、直前まで気が付かず、うん〇を破壊しそうになってしまった。間一髪で回避したのもつかの間、善戦はここまでだった。次なる岩に対応ができず直撃をくらう俺。10tもあるような岩の直撃である。耐えきれずにぶっ倒れる俺。ふつうは即死だよね?どうやら頑丈さも普通ではなくなったようである。
「ふぉっふぉっふぉっ。まだまだ甘いのう、レグルスよ。」
「そりゃねぇよ!! 〇んこなんて反則じゃねぇか!」
「同じ事ばかりさせても修行にならんじゃろうて。それにとっさの状況判断も修行のうちじゃ。あんなもんでびっくりしているようではまだまだ修行が足らんわい。」
正論過ぎてぐうの音も出ない。はいはい、俺の負けです。わかりましたよ。はぁ。
「というわけで、本日の罰メニューはそこの崖、フリーソロ10セットな。」
「へーい」と返事する俺。 『災難やったな。』とかゲンが慰めてくれている。素直に崖を登り始める。こんなとこジャンプで一気にいけるのだが、初めに釘を刺されてしまった。ちまちま登って、今5セット目が終わって飛び降りるとこである。ふぅ。・・・10セット終了後。今日の修行はここまでとの宣言をもらう。
持ってきていたタオルで汗を拭き、一服しているところに話しかけてくる師匠。なんだ?
「ギルドを通してお前さんへの指名依頼を出しておいた。一応は修行の一環だからな。拒否は許さんぞ?」
そりゃ別に構わないけど。で、どんな内容だ?
「ここより北西へ1000㎞程行ったところに【グルド山】という山がある。もちろんこの島の中央に走るガイアナ山脈の中の山じゃぞ。その中腹程に、洞窟があるのじゃが、その最奥にな、ある祭壇があって、そこには宝玉が祭られておるらしいのじゃ。なんでもあるものを封印しているものらしいのじゃが、その宝玉の色を確認してきてほしいのじゃ。その祭壇周辺はさらに魔のものが侵入できないようにさらに封印されているはずだが、聖なるものは入ることができる。でじゃ、もしも赤なら、宝玉にお前さんの魔力を注いでほしいのじゃ。さすれば色は青に戻るじゃろう。」
そもそもこの封印は何なのか聞いてみる。
「かつて、魔王と恐れられた龍王の力が封印されているといわれている。わしの遠い祖先が仲間とともに龍王と戦う際に力を封印したらしくてな、それから龍王を討伐したらしいのじゃが。」
師匠の祖先の、ガイルさんって言ったか?その人は勇者一行の一人だったのかな?
『せやで。』とゲン。 早く言えや。
「今世界は魔王の侵攻を受けているが、それはもしかしたら、過去の封印が解けかかっているのと関係がある気がするのじゃ。まあ、お前さんにそれをやってもらったところで、時間稼ぎにしかならんだろうが。・・・」
だったら意味ないじゃんとか思う俺。ところが、
「実は今言った依頼はついでじゃ。本題はこれからいう魔物を狩ってきてほしいのじゃ。」
へ?とか思っていると、「じゃから修行の一環じゃ!って言ったじゃろうが!」と怒られた。解せん。
「まずは、今回の目的のグルド山の山頂付近に生息している【雷鳥】を1羽とってきてほしいのじゃ。強さはまあまあなのじゃが、羽を除き3m程はある猛禽類にあたる魔獣じゃ。加えてコイツは雷撃の魔法を使う。くらうとマヒすることもあるから気を付けるんじゃぞ。次に、」
え! まだあるの? とポカンとしていたら、拳骨落とされた。何で!
「次にじゃ、道中ホーリーエイプと呼ばれる猿の魔獣がいるはずだ。こいつも倒して持ち帰ることじゃ。名前の通り光属性を持つ魔獣じゃが名前に反して狂暴で、人も襲う。そして強いぞ。じゃから、安心して倒してこい!」
どこに安心する要素があるのか、激しく突っ込みたかったが自粛する。殴られそうだし。・・・
「最後にじゃ、これも道中にいるはずじゃが、グレートドラゴンというドラゴンの上位種がいる。様々な耐性があり硬い。牙や爪も強力で、もちろん空まで飛ぶ。口から吐き出される火炎は瞬時に鋼の塊をどろどろの液体に変える。お前さんでもまともに食らったら死ぬぞ。当然倒して来いよ?中々歯ごたえがあるじゃろ? ちなみに、こいつに関しては鱗をはぎ取ってくるだけでいい。但し面倒とは思うが可能な限り持ち帰ってくれ。相当高額になるはずだからな。あ、牙と爪も頼む。」
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」 おえ。吐きそう。
「で、報酬じゃが、金貨1000枚でどうじゃ? 金貨はギルド経由でお前さんの口座に振り込まれるだろう。大金じゃしな。加えて儂の自慢の一品である、【術師の腕輪】をやろう。これはな、装備しているだけで、数分簡に1度のペースでMPを少しずつ回復してくれる一品じゃ。どんな人でも1時間で全快するようになっているから、お前さんなら一回の回復量だけでも相当なもんになるじゃろうて。今のレグルスには一番必要なもんだろう。こいつは先払いで渡しておく。大切にするのじゃぞ。」
随分大盤振る舞いだが、それだけ利益も出るのだろう。自分の修行ということも考えると大変ありがたい依頼である。喜んで受けさせてもらうことにする。早速、術師の腕輪を左腕に身に着ける。感謝を述べつつ、師匠とはここで解散し、今日は旅の準備をする。道中小さな村が1つだけあるらしいが、少なくとも何泊かは野宿だろう。2週間分くらいの食料、水、テント、その他必要と思われる道具を持っていくことにする。出発は明日だな。
翌日、ギルドで依頼を正式に依頼した俺は、師匠に見送られながら村を出立する。今の俺は移動速度も通常の人と比べると5倍程度には速く動くことができる。1日で200㎞程はいけるだろう。ゲンとつまらない雑談をしながら移動し続けること8時間。(もちろん昼に休憩はした。)特に強力な魔獣に遭遇することなく予定の距離を終了する。テントと結界を張り、ここで止まることにする。夕食は塩おにぎりに自家製ハムだ。特別うまくはないが、普通に食える。うまい。
就寝前、ちょっとした事件が発生。Gで始まる名前の黒い奴である。自宅では高床で建てられているため見たことなかったんだけど、そりゃこっちは暑いし普通にいるよね。・・・もしかしてたまたま視界に入ってこなかっただけかな? とはいっても、僕はそこまで苦手ではないので(かといって、断じて好きなわけではない。)、近くに適当なものがないためそのままはたこうとする。とそこでゲンが待ったを掛けた。
「後生や。それだけは堪忍や! ワイこれだけはアカン。 ワイにヤツの染みがついたらどないすんねん!」
泣いて許しを請うので、・・・しょうがない。俺も嫌だが最終手段だ。ゲンを手から外し、まさに素手でバシ!・・・一撃で仕留めたようだ。べっちょりついててさすがに気持ち悪い。・・・しょうがないので、洗剤を付けてしっかり水で洗い流す。でテントに戻るともう1度ゲンが騒ぎ出す。
「あんさん、その手で触ったらあかんで、な、な、な!」 ちゃんと洗ったから大丈夫だっつーの! ってか、フリだな?それ? だって片付けないと寝れないし。枕元に置こうと触れた瞬間、
「~~~~~~~~~~!」 気絶したゲン。どんだけ嫌いなのか・・・起きたら一応謝っておくか。
翌朝、ひたすら謝ってゲンに許しをもらった俺は、ヤツの聞くに堪えない音程の外れた歌?を必死で我慢する。『・・・オ~レ~は、〇ャイ〇ン~! がきだいしょ~う! て~んかむ~・・・』とか全然聞いたこともないんだが。てか、ジャ〇ア〇~!ってだれだ?! どうやらどこかから電波というものを受信しているらしい。もしかして、どこかの異世界か?・・・気が付いたら、木の上に泊まっていた鳥が落ちてきた。あ、これ美味しい奴だ。・・・ゲンの歌は念話だったはずだよね?何で鳥に聞こえたんだろう?謎である。だが、昼飯は決まった。鳥の丸焼きである。先に首刎ねておくか。逆さまにぶら下げて歩きながらついでに血抜きする。しばらく移動してちょうど昼時になったので、早速火をおこす。羽を毟り、内臓を出して、適当な棒を拾ってきて刺す。後は火の上にもっていって、回転させながらいい感じになるまであぶっていく。・・・鶏肉特有のいい香りが周囲に充満していく。出来上がった正に【焼き鳥
】を齧り付きながらパンをかじる。誠においしゅうございました。しょうもない歌を耐えていた甲斐があったというものである。
昼食後、2時間程移動すると、【ギムル】という名前の村に着いた。もともとこの辺は、目的の地点までの中間地点くらいで、シュネー村からは500㎞程は離れている。早速村にある宿(あってよかった~)に泊まる手続きを済ませる。それから1時間後、地面が揺れる。・・・地震ではないな。が、だんだん不連続な揺れが、ちょっとずつ大きくなってきている。これ、何かが近づいているな?
と思っているうちに、村の入り口から200m程離れたところに、10mはあるだろうか?・・・やばい。あれグレートドラゴンじゃん! この島は、強力な魔獣がホントに多く、ドラゴン種も多数生息しているのだが、ことドラゴン種に関しては、普通は人里を襲撃したりはしないのだ。だからこそ、コトナ村もドラゴンの襲撃などは想定もしていなかったのだ。・・・ってことは、最近シュネー村でもうわさされるようになった魔王が力を増して世界中の魔獣たちが活性化・狂暴化しているというのは本当なのかもしれない。・・・って、そんなことを考えている場合じゃない。すぐに、村を飛び出し、グレートドラゴンに向かっていく。
『とにかく、ヤツは炎がやばい。気いつけな!』
向かっていった傍から、ドラゴンのテイルが俺を薙ぎ払おうとする。が、ジャンプ1番それを躱す。そこへ灼熱のブレスが襲う。それを、気を使って空に膜を張って蹴り、高速で地面に降り立つことで躱す。間髪ドラゴンの右手の爪が俺を襲うがこれも躱し、一旦十分な距離を取る。しばしにらみ合いをした後、今度はこちらから動く。地面を左足で蹴る。直後自分の体が水平に飛んでいき、グレートドラゴンの腹部にめり込む。その際に気を練っておくのを忘れない。そのまま激突の勢いが死なず、レグルスの体はドラゴンの背中から出現する。
「グルルルルルゥ・・・」
口から少しだけ炎を吐きつつ苦しんでいるドラゴン。チャンスだな。右手に十分な気を込めてグレートドラゴンの後頭部に移動し、そこに叩きつけると、前方に倒れ掛かり地面に沈んだ。間違いなく絶命したな。『生命反応は感じないで。』とゲンも言ってるし。・・・宙返りしながら地面に降り立つ。まあ、こんなもんか。・・・
ギムル村に戻ると、村長をはじめとする村人に出迎えられた。「おかげで助かりました」とか「あんちゃん、若いのにすごいな」とか感謝されているっぽい。まあ、悪い気もせず、正直言って嬉しんだが。お礼をくれるとか言って、金貨100枚とか寄こそうとするのでさすがに断った。こっちも依頼達成兼ねてたからはっきり言ってついでだったんでかえって申し訳ない。そしたらせめてもの感謝の気持ちってことで、村長持ちで宴会することになった。・・・食事は最高にうまかった。俺はそっちのほうがずっとうれしいとか言ったら、「食いしん坊か!」と突っ込まれた。ああそうともさ。悪いか! その後楽しい時間を過ごし、翌朝、ギムル村出立前に村長から、【吸気の腕輪】というものを貰った。なんでも、攻撃した相手のダメージの一部を吸収できるらしい。これも非常に有難かった。早速右腕に身につけさせてもらう。師匠から貰ったものと合わせて、HPとMPがほぼ自動で回復するようになったってことだ。
1【気を使って攻撃】→2【HPの減少】→3【回復魔法の使用】→4【MPの減少】というのがレグルスの戦闘中に起こる変化だが、2と4のステータス減少が大幅に改善されることを意味する。つまり、HPやMPの減りすぎを考慮しながら戦わなければならなかった(もちろん使いすぎた場合は死ぬ)のが、ほぼ気にしなくていいようになるということである。これはレグルスにとって非常に大きなことであった。
『レグ! いいもん貰ったやん?』とか、ゲンが言ってるけど、これは本当にそうだと思う。思わぬ戦力増強ができたことを喜び、最終目的地のグルド山へ向かうのである。
3/19の夜までには次回分投稿したいと考えています。無理なら次の日3/20までには必ずアップします。




