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格闘聖職者の冒険譚  作者: 岩海苔おにぎり
第11章 邪神ダグナーガ
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神域での決戦2 

『ここを丸ごと吹っ飛ばしてしまうのは、色々不都合なのだが・・・致し方あるまい。』


 この世界の管理権限を持つセフィル神を倒して、その管理権限を奪い取る予定だったダグナーガ。だが、今だその管理権限は奪うには至らず、奪えたとしてもこの世界を自らにとって都合よくコントロールするためにはこの神域の存在は欠かせない。そして、このままこの魔法を発動させれば、ここにいる者達を滅ぼせる代わりに、この場である神域そのものを失ってしまう。その結果、この世界は滅びに向かっていくだろうし、生命力を搾取することなくこの世界を放棄することになってしまうだろう。だが、自らの生存のために力を行使することを選択する。


『異世界人が開発した究極の魔法の威力、存分に味わうがいい・・・』


 そう言って、出現させたウラン235を含んだ金属球に魔力を注ぎ、核爆発をさせようとしたダグナーガであったが、いくら魔力を注いでも金属球に変化の兆しが出ないのである。それどころか、先ほどまで怪しげな力・・・放射線を出し続けていた金属球は、その放出さえも停止していたのである。


『・・・どういうことだ?! 何故だ・・・』




 時間は少しだけ遡る。レグルスがダグナーガと戦闘を始めたころ、カノーは自身も魔法で戦闘に参加しながら、ダグナーガが発する魔力を頼りに次元空間を捜索していた。そして数あるそれらの空間の中から強いエネルギー反応を発するそれを特定する。そして自身の魔力でその空間に無理やり干渉したカノーは、その中にあった放射線を放つ金属球を探し当て、事前に話を聞いて用意しておいた偽の金属球と取り換えておいたのだ。勿論、ごく短い時間だけエネルギーを放つように小細工済みで。本物はカノーの次元収納の中に移動済みだ。直接触れてもいないので被曝もしていない。


 このダグナーガの動揺を見逃すレグルスではなかった。ここぞとばかりに連打を続けると、


 ゴボゥア・・・


 大量と体液を吐き出すダグナーガ。体全体がわずかに痙攣している。ここで掌を当て、限界までエネルギーを収束して・・・解き放つと、ダグナーガの胴体に人が通過できるほどの大穴が貫通する。


『・・・・・・・!!!!!!!!!!!!』


 その痛みからなのか、人間に致命傷を与えられたからか、驚きの表情で固まったままゆっくり後方に倒れるダグナーガ。それまで保持していたエネルギーを急速に霧散させながらその体は消滅していったのである。




「・・・・・人の身でありながら見事であった。我はお前たちに救われたようだ。」


 そう発言したのはセフィル神であった。


「この世界を、いや、数ある並列世界を滅びに導こうとしていた元凶は、お前たちの働きで滅することが出来たようだ。・・・礼を言おう。」


 一様にほっとした表情を浮かべる勇者一行。


「・・・終わったんだな・・・」


「もう侵略者は来ないんだよな?」


「・・・多分な。」


 ラークは独り言のように呟き、アレクは確認するかのように問いかけ、レグルスがぶっきらぼうに答える。


「ここまで働いてもらってこちらとしては何も出来ないのは心苦しいが、神とは本来、ただ世界を見守るだけの存在。褒美のようなものは渡せないが許せ。・・・がせめて、望む場所には送り届けよう。」


 ここで、皆、顔を見渡し・・・カペラが、


「皆帰るべき場所があるものね? 一旦ここでお別れしましょうか?」


 こんなことを言ってくる。・・・反対意見も特にない。


「だったら俺はグリバールに戻るか。」


「あたしはシュネー村ね、妹のユーフィを迎えにいかないとね。」


「僕は自宅でいいかな?」


「私もそうね。モルダビの自宅で。」


 ラーク、カペラ、カノー、コーネリアが口々に言う。そして、


「イザヴェル王国組は、イザヴェル城でいいかしら?」


「・・・いいけど、ミリアム? 何で城?」


「それは世界を救った英雄たちに報いるためですわね。・・・ここでお別れする皆さんは後日改めてということで。」


「そういえば、アイツから奪ったあれどうする?」


 カノーが言ったのはダグナーガから奪った金属塊である。


「それは悪用されることが無いように、我が保管しておこう。」


 そう言ったセフィル神は、カノーから次元空間で受け渡しをしているみたいである。


「では、名残惜しいが、さらばである。望む場所に転送するとしよう。」


 その言葉を最後に各自望む場所に移動していった。このような形でレグルスの、勇者一行の旅は終わったのである。



次回最終回です。明日8/22にアップします。時間は夜遅くになるかもしれません。

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