98救出作戦
飲み会も終わり、テントで休んで・・さあ出陣だ!
ヒミカさんに合流しようと前線に向かう。
・・途中で誰かが来た。
兵士「お仲間か!?アリス王女が大変なんだ!救援を頼む!」
双星「ボロボロじゃないか!傷の手当を早く!」
兵士「私のことはどうでもいい!!この先の城が魔物に包囲されて・・城の中にはアリス王女が取り残されているのだ!」
・・誰だっけアリス王女って?
ええと・・知識総動員!・・脳内検索結果0件。
馬「C国に救援頼むよう依頼した王女だろ。アスタ王女の妹。」
あ、そうだ。それでC国行ったらミルカさんと1万の兵を救援としてよこしてくれたんだ。
馬の記憶力ってすごい。
馬「人間の記憶力ってひどい。」
ごめんなさい。
双星「助けに行った方がいいんだよね?よくわからないけど。」
ミルカ「魔物の数は?」
兵士「恐らく・・10万ほどかと。」
ダークエルフ「行かない方がいいかもな。」
双星「え?」
ミルカ「危険だ。」
双星「なんで?」
ミルカ「魔族の総戦力は100万。その状況で1割も任せられているのだぞ。」
ミルカ「そして10万という数を統率できる実力と、敵の王女を狙えるだけの知能がある。」
ミルカ「率いているのは大物だ。まともにぶつかればこちらが全滅する恐れがある。」
ダークエルフ「他国の軍勢が危険な戦いをすると思うか?10倍の敵と戦えなんて言われたらやってられないだろう。」
戦うのは無理っぽいか。
双星「ヒミカさんところ行ってもっと兵士連れて来ないと無理かな・・」
兵士「そんな余裕はありません!城はいつ陥落してもおかしくないんです!お願いします、どうか王女を・・」
そんなこと言われてもー。
双星「んー、まぁとりあえず近くへ行ってみよう。」
ミルカ「どうするつもりだ?」
双星「お城があるんだから、隠し通路があるかも。探してみようよ。」
ダークエルフ「外から簡単に見つかったら隠し通路の意味ないと思うけど・・」
ミルカ「わかった。では近くへ行って隠し通路を探そう。」
ダークエルフ「いいのか?」
ミルカ「今はそちらの指揮下に入っている。指示に従おう。」
ミルカさん話がわかるぅ。
・・でも、ダークエルフさんの言う通り外から見つかったら隠し通路の意味ないよなぁ。
城の中から逃げ出すためのものだろうし。
そんなのあれば、アリス王女はとっくに逃げてるよね・・
・・
・・・・
でも言った以上は探さないと。
敵に見つからないような距離で待機。人数絞って近づき、隠し通路探し。
あるかどうかわからないって意味では、宝探しみたいな気分。
問題は、見つからなかったらどうしようかなっていう不安かな。
ツルッ。
彡⌒ミ「ハゲ頭が滑った擬音だと思ったやつは反省な。」
たまーに聞こえる謎の声を聞きながら、地面に滑って斜面を転がり落ちる。
平地で止まったと思ったら、そこは地下通路だった。
双星「え・・もしかして当たり?」
ジャイアントスパイダー「この先は玉座の裏につながってんよ。」
双星「魔物!?」
敵?
ジャイアントスパイダー「あんさん、ちーっと言わせてもらいますがね、わて蜘蛛という種族やねん。魔物とかひとくくりはやめてくれへん?」
双星「あ・・ごめんなさい。」
ジャイアントスパイダー「まー別にうち非難したいわけやないんや。ただ扱いが雑やって言いたいねん。そう思わへんか?」
双星「まぁ、はい。」
ジャイアントスパイダー「じゃあ言うてみ。ビューティフルスパイダー。」
双星「どこからビューティフルが出てきたんですか?」
ジャイアントスパイダー「あーだめやーこれだから人間はノリ悪いねん。みんな幸せになる魔法の言葉やろ?ビューティフルって。」
そう・・なの?
ジャイアントスパイダー「さ、も一度や。ビューティフルスパイダー。さん、はい!」
双星「ビューティフルスパイダー。」
ジャイアントスパイダー「グッドや!それ最強!忘れるんやないで。」
双星「は、はい。」
ジャイア・・ビューティフルスパイダーさんは地下通路の隙間から行ってしまった。
お、恐ろしい相手だった。
・・
・・・・
双星「よいしょ。」
石のふたを外して地下通路を出る。
確かにここは城の中・・玉座の裏っぽい。
アリス「ふぇ?びっくりした!」
雪納「お疲れ様です。」
双星「あ、はい。お疲れ様です。」
玉座の間には、アリス王女と雪納さんがいた。
双星「どういう状況でしょうか?包囲されているって聞きましたが。」
アリス「そ、そのままよ!見ればわかるでしょ!」
それにしては、捕まっているわけでもなさそうだ。縛られていないし見張りもいない。
雪納「魔族が来ないよう魔族用の罠を張ってしのいでいるところです。時間稼ぎ程度にしかならないでしょうけど。」
双星「よかった!なら俺が来た地下通路を通れば包囲網の外に出られます。」
アリス「こんなのに助けられるなんてさいてー。」
双星「嫌なら別に逃げなくてもいいんですよ。」
アリス「これだから男って嫌い。すぐへそ曲げてわがままでプライドばっか高くて。」
双星「あ・・ごめんなさい。」
アリス「死ね。」
ひどい><
雪納「無駄話していないで早く逃げましょう。魔族たちが来ますよ。」
アリス「そうね。」
双星「無事救出できてよかった。」
雪納「あなたはここに残ってください。」
双星「え?」
アリス「え?」
俺がここに残るって・・え、魔族が来てるんでしょ?罠で時間稼ぎしている間に逃げないと死ぬんじゃ・・
雪納「魔族が追いかけて来ないよう、ここを死守してください。」
双星「い、いつまで?」
雪納「魔族がいなくなるまでです。」
ん?ん?ん?
双星「で、でも魔族は10万いるんでしょ?全部倒す?え?どういうこと?」
落ち着け、落ち着いて考えよう。
玉座「王女が逃げる間、時間稼ぎして死ねってことだよ。」
えっと・・
アリス「ちょ、ちょっと!別にそこまでしなくても・・」
雪納「ただでさえ魔族の兵力はこちらの10倍。今はギリギリの士気です。なにか起これば・・軍は総崩れになります。」
雪納「なにがあっても王女様、あなたは敵の手に落ちてはいけません。どんな犠牲を払っても、です。」
雪納「軍の後ろには国民がいるんですよ。」
アリス「・・」
戦況は思ったより厳しいのか・・これが・・戦争・・
双星「わかりました。ここはできる限り死守します。」
雪納「頼みましたよ。さ、行きましょう。」
アリス「・・」
ふたりは玉座の裏にある隠し通路を通っていった。
さて・・どうしてこうなっちゃったんだろうなぁ。
ここにいたら死ぬの確定じゃん。
ダークエルフさん一緒だったから魔法アイテム持ってない。
普段から持ち歩くようにしないとダメだな・・考えが遅いなぁ。
魔剣はヒミカさんが持ってるし・・
俺の持ってる武器は、普段から護身用に持ってる短剣のみ。
詰んだ。
死んだ。
もう死んだよこれ。
10万の魔族を相手にどうしろっていうんだ。
やだよ・・死にたくない。死にたくない!
地下通路を通れば死なずに済むかも。
でも・・それはしちゃいけない。
ここを・・守らなきゃ。
涙を拭いて、短剣を構える。
さあ・・来い魔族!一匹でも多く道連れだ!!
・・
・・・・




