88解決?
門の外に放り飛ばされた。
馬「お帰り。」
双星「ただいま。」
ワッ・・と歓声が上がった。
見ると、いなくなってた人々がいた。
事件解決!?
騎士「おお、あなたは噂の双星殿ではありませんか!」
双星「え、ええまぁ。」
騎士「さすが噂に違わぬ実力。あの悪しき門を退治したのですね。」
双星「やっぱみんなあの門に?」
騎士「はい。夜、休んでいたところを襲われ・・数が尋常ではありませんでした。」
わかる。俺も追いかけられたけど、空を覆う勢いだったもんな。
馬「逃げたオレ優秀。」
はいはい。そう報告しとくよ。
騎士「しかし本当に恐ろしいのは・・私たちは門の中で気を失い、気が付いたら・・魔物として人間を捜しまわっていたことです。」
双星「じゃあ門から現れた魔物って・・」
騎士「連れ去られた人間でしょう。」
やばい相手だったんだな・・あの女の子が助けてくれたから簡単に終わったけど・・
そういえば、あの女の子はどこだろう?
双星「あの、この町に顔がサメみたいな女の子っていますか?」
騎士「・・さあ。私は町の人間ではないので。」
双星「その子がすごく助けてくれたんですよ。おかげで簡単に解決できたというか。お礼言いたくて。」
騎士「町の人となると、町長が詳しいですよ。」
町長「私が町長です。そういうことなら捜してみましょう。」
町長「それと、ささやかですが宴を用意します。どうぞ休んでいってください。」
馬「精々オレをもてなすんだな!」
多分馬は対象外だと思う。
馬「平等に扱ってください!」
ニンジン頼んでおくよ。
馬「甘いやつな!超甘いニンジンがいい!」
はいはい、あったらな。
・・
・・・・
ささやかとは言ってたけど、料理おいしい!女の子かわいい!超楽しい!
馬「いいニンジン作ってるじゃねーか。もう止まらん!」
馬も満足そうだ。
ふふ、帰ったらヒミカさんたちが計画通りかって言ってくるんだろうな。
残念!普通にクリアしました!
町長「双星様。」
双星「町長さん。」
町長「お捜しの・・顔がサメみたいな女の子ですが・・そんな人はこの町にいませんでした。」
双星「え、でも・・」
町長「特徴的な顔ですから、いれば目立つと思います。ですが誰も知らないと・・」
双星「そうですか。わかりました。」
町長「お役に立てず申し訳ございません。その分しっかりもてなしますよ!」
どういうこと?
本当にいたんだよ。
双星「馬も・・見たよな。」
馬「あ?ああ。でも町にいなくて当然だと思うぜ。」
双星「なんで?」
馬「あの子も魂がなかった。門の一部かなんかだったんだろ。」
え?でも・・
双星「あの女の子が・・あの女の子が危険を教えてくれたり、門の心臓部を教えてくれたり・・したんだよ・・?」
馬「そんなの知らね。でも魂がなかったのは本当だから。」
つまり・・
つまりあの子は・・
馬「門と一緒に死んだんだろ。」
馬「いいじゃないか。それ以外・・99%は救えたんだから。」
・・99%・・ああ、なんて微少な被害だろう。
きっと俺はこのまま帰れば褒められる。
みんなよくやったと言ってくれる。
でも、残りの1%は?
俺は・・喜んでいいのか?
馬「喜べ喜べ。もう終わった出来事だ。」
まぁな・・
猿の手「やり直したくありませんか?100%救いたくありませんか?」
猿の手?
猿の手「願いましょう。そうすればもう一度門に挑む直前まで戻しますよ。」
双星「お前、こんな時に・・」
猿の手「助けたい人はいませんか?後悔していませんか?素直になりましょう。」
・・確かに・・本当に救わなければならなかったのは・・あの女の子じゃないか?
きっとなにかあるんだ。
だから俺を助けてくれたんだ・・今度は俺がキミを助ける番!
双星「猿の手よ、やり直・・ぱちんっ」
え・・?
馬が、猿の手を持っていた俺の手を叩いた。
猿の手が地面に落ちる。
馬「戻ってどうする?どうやって助ける?考えはあるのか?」
双星「いやないけど・・」
馬「もし失敗したらこの町の人はどうなる?せっかく助けたんだぞ。」
馬「もう十分じゃないか。お前はよくやった、誰もお前を責めない・・いや、むしろ褒めてくれるさ。」
・・なんだろうな。この気持ち。
このままの方がいいのはすごくよくわかる。
町の人も調査隊の人も救えた。門はいなくなった。完璧だ。
なのになんで・・こんなに切なくなるんだろう。
猿の手「救いたい人がいるなら救えばいい。他人に気を遣って自分を抑えるなんて不幸の始まりですよ。」
馬「既に結果は出ている。時を戻すなんて人間のエゴだ!現実を受け入れ、前に進むのが正しい姿だろう。」
ど、どっちが正解なんだ?
猿の手「他人に気を遣え・・そんな言葉に騙されていませんか?あなたはあなたの事情を優先していいんですよ。あなたの権利です。」
馬「自分の力量を考えろ。この結果だって十分すぎるほどじゃないか。これより上を望むなんて無茶だ。」
確かにそうだ。俺の力量なんてたかが知れてる。
やり直したら、今より悪い結果になる可能性だってある。
双星「それでも、俺はあの子を助けたい。すべてを台無しにしても!」
俺は地面に落ちた猿の手を拾った。
馬「・・ヤメロ・・」
地面「ヤメロ」
テーブル「ヤメロ」
椅子「神が作っていない異物など」
料理「助けるな」
なんだ?周りの様子が・・
町長「過去に戻るなら」
町の人「お前に与えた」
猫「力を没収する」
家「この世界に」
飾り「神によらぬ創造物など」
垂れ幕「いらない」
これは・・もしかして、俺を強運にした・・
うさんくさいラッキー協会とは違う。
・・人間よりはるかに高度な存在・・
メガネ「世界は」
犬「神で」
山「満たされるべきだ」
コップ「人は」
空「ただ」
空気「従っていればいい」
参ったな。
俺、とんでもないのに見込まれてたんだ・・
なんで俺なんだろうな。
言う通りになんか・・ならないのに!
双星「猿の手よ、俺を過去に連れて行ってくれ!!」
猿の手「ひゃーはっはっはっはっ、全部わかってたよ!お前は必ず願い事をするとな!!」
猿の手「いいぜ、天使の加護なしにがんばりな!!!」
天使の加護?
・・
・・・・




