76賭け事
支配人「げぇ双星!?役人引き連れてなにしに来やがった!」
双星「・・お知り合いでしたっけ?」
支配人「お前を知らないやつなんかここにはいねえよ!お前を相手にしたらケツの毛までむしり取られちまう!」
いやお尻の毛はいらないなぁ。
双星「少額でちょっと遊ぶだけだから。」
支配人「・・本当だろうな?・・ああいや、オレは他の奴らと違って騙されねーぞ!」
支配人「気が付いたらお前が大勝利ってオチだろ!!!」
誰も騙したことないのに・・
客「ま、双星が相手ならしゃーねーよな。」
客「オレ、この間の魔剣抽選会行ったんだが、なにがなんだかわからなかったぞ。なお結果(ry」
客「ぶっちゃけさ、双星が勝ったら店は損するし、双星が負けたらえげつない回収してるって評判が立ちそうだよな。」
支配人「ほらお客様もこう言っておられる!」
俺の評価って高いなぁ。
調子に乗ってもいいレベル?
客「でも一度くらいは双星の敗北って見てみたいよな。負かしたらそいつレジェンドになるよな~」
客「ぶっちゃけ勝てそうなのって、最近ギルド長になったあの女くらいじゃね?」
客「ここの支配人じゃ無理だろうな。近いうちにクビって話だし。」
支配人「く、クビちゃうもん!オレの方からやめてやるだけだもん!」
双星「えっと・・馬の飼育員とか興味ある?」
紹介するよ。
支配人「んな重労働で臭くて安月給の仕事なんかやってられるか!」
俺がやってる仕事なんですが・・
支配人「ああそうだ・・お前を倒せばオレはクビにならずに済む!オレはお前に勝ってレジェンドになるんだ!!」
客「(負けフラグ・・)」
客「(どうやって勝つつもりなんだ?)」
客「(やっぱクビじゃん)」
双星「えっと、結局遊んでいいの?いけないの?」
支配人「まずはオレの挑戦を受けてからだ!」
双星「よくわからないけど、じゃあそれで。」
支配人「ルーレット台を持ってこい!」
ディーラー「はい。」
ガラガラとルーレットとマス目が書かれた台が運び込まれた。
ルーレットには、0~36までの数字が書かれている。
支配人「ああ、オレってやつはなんて優しいやつなんだ。00のない台で勝負するだなんて。」
双星「どういうこと?」
支配人「ルーレットは数字や色で賭けられる。色の殆どが黒や赤だが、0や00は緑なんだよ。」
支配人「で、例えば黒の当たりに賭けて当たると2倍、赤でも2倍だ。もし黒と赤しか色がなければ客のリターン率は100%だ。」
ふむふむ。
支配人「そこに緑が加わったらどうだ?赤に賭けても黒に賭けても外れる色が追加だ。この新しい色によって客のリターン率は100%未満になってしまう。」
よくわからないけど、なんとなくそんな気がする。
支配人「ルーレットは0と00が緑だが、0しかないものと、0と00の両方あるものの2種類ある。」
支配人「さてどっちが客にとって有利か?」
双星「少ない方が有利だよね。なら0しかないもの?」
支配人「さてさて、お客様の目の前にあるルーレットはどうでしょうか?」
おお、00がない。これはいい台だ!
支配人「これも全部お客様に喜んでいただけるよう上に掛け合った成果です!」
双星「おー。まさかそれでクビに?」
支配人「くくくクビちゃうし!あんな女のところで働けるか!」
ダークエルフ「不正だろうな。」
双星「え、不正?」
ダークエルフ「イカサマか、店の金に手を付けたか、秘密を洩らしたか・・」
双星「イカサマしてクビになるの?」
お店が儲かるからいいんじゃない?いや客としては困るけど。
ダークエルフ「イカサマする店は悪評が立つからな。まともな客が避けるようになる。頭のおかしいやつばかり来たら店もやっていけない。」
ダークエルフ「なにより、客と組んでイカサマするディーラーもいる。」
客と組む?
ダークエルフ「イカサマできるということは、客に勝たせることもできる。知り合いに勝たせて儲けを分ければ給料もらうのがバカらしくなるほどだ。」
ダークエルフ「それで店を潰されたやつも多い。雇われ支配人のサラリーなど動くお金に比べて少なすぎるからな。不正を働くバカもいる。」
支配人「ななな何のことやら。」
双星「じゃあこのルーレットもイカサマできる?狙ったところに入れられるとか。」
ダークエルフ「100%狙うには魔法でも使わない限り無理だろう。」
ダークエルフ「磁石を使えば多少は誘導できる。強い磁石だと動きが不自然だから、効果が低くても多少弱めのものを使ったり。」
ダークエルフ「魔法でも、多少弾くようなことはある。大勝負している客の目が出そうな時・・ボールがバウンドさせて動かしたりな。」
双星「・・やめた方がよさそうな予感。」
支配人「いやいや、不正なんて一切ありませんよ!当店はみなに愛される良心的なお店です!」
ヒミカ「良心的な違法賭博店とはこれ如何に。」
支配人「というか、双星が負けたら逮捕とかありませんよね?」
ヒミカ「私は警察ではないしどうこうするつもりはない。」
支配人「よーし、双星勝負だ!」
なんかやる気なくなっちゃったんだけど。
支配人「・・一世一代の大勝負・・双星を倒せば・・オレは英雄・・」
双星「危険思想はやめよう!・・まぁ少額なら大勝負にはならないか。」
支配人「お、お客様ルーレットのご経験は?」
双星「初です。」
昔は貧乏旅行者だったんで。賭け事してたら飢え死にしてたと思う。
支配人「では賭け事の心構えをひとつ。」
支配人「博打は勝つこともあれば負けることもあります。そんな中、楽しむためには勝ち負け以外のことを考えるのも大切です。」
双星「勝ち負け以外あるの?」
支配人「例えばルーレットなら、好きな数字はありませんか?好きな色はありませんか?そういうのに賭けると気分も違いますよ。」
なるほど。好きな数字や色に賭けるのか。
双星「じゃあ黒がいいかな。」
なんか黒ってかっこよくない?
支配人「それでいいんですか?実はですね・・数字一点勝負だと、36倍になるんですよ。」
双星「36倍?それすごい!そんな配当で儲かるんですか?」
支配人「実は私、お客様に喜んでもらうのがなによりの楽しみでして・・おいしい話をついしてしまうんですよ。」
双星「じゃあそっち賭けてみようかな。数字はなんでもいいの?14にしようかな。」
なんとなく14が好き。
支配人「ひゃーはっはっはっ、これで賭け成立だな!おいディーラー、ルーレット回せ!」
ディーラー「はい。」
支配人「お前の掛け金は1億だ!負けたら耳をかっぽじって払えよ!!!」
双星「あ、あれ?」
支配人「数字一点で当たる確率は37分の1だ!37分の36でオレがかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーつ!!!!!」
メイド「クビになるのも頷けます。」
客「(それで勝ってもレジェンドにはならんだろ)」
客「(悪名だけ増やしてるよな)」
客「(勝っても店の売上が増えるだけって気づいてないな)」
双星「でもまだ37分の1で俺が勝つ可能性が!」
支配人「バーカ。確率をなめんなよ!お前数学苦手だったんじゃねーか?」
双星「図星」
でも14の近くにボールが来た!
支配人「(おいボールを動かせ!)」
ディーラー「(はい!)」
双星「あ、ボールが跳ねた!?」
そしてボールは・・あ、14に入った。
双星「ふー、驚いた。俺の勝ちだよね。」
支配人「あんぐり・・な、なして・・?」
客「ある意味レジェンドだな。」
客「この状況から負けるとか逆にすごくね?」
客「相手が双星だから当然っちゃあ当然だが。」
双星「いくら当たったの?」
ダークエルフ「36億。1億賭けてるから儲けは35億。」
え、嘘・・多くない?
ばばば博打怖い。




