72籠城事件発生!(なお解決)
のんびり散歩中。
なにもない日常がこんなに幸せだと知らなかったよ。
最近なにかするたびにおかしなことが起こるし。
平和って素晴らしい!
あれ?人だかりができてる。
双星「なにかあったんですか?」
記者「籠城事件です!人質がお偉・・双星?」
双星「あ、記者さん。」
記者「・・ああなるほど、事件解決に来たんですね。」
双星「いや通りがかっただけです。警察は?」
記者「まだ到着していませんよ。で、で、双星は警察が来る前にどうやって解決するつもりですか?」
双星「なにもしませんよ!」
こういうのは専門家に任せるのが一番だ。
素人が余計なことをして、被害が広がったら大変。
そりゃ腕っぷしとか、足の速さとか、なにか強みがあれば違うだろうけど・・俺はなぁ。
記者「ふむふむ・・なにもせず解決すると。」
双星「いやいやいや。」
どうやったらなにもしないで籠城事件が解決するって言うんだ。
警察が来るまで犯人を刺激しない。それが俺たちにできること。
・・
・・・・
強盗リーダー「野次馬が集まって来たな。」
手下「いい感じっスね。」
強盗リーダー「狙ってた人質も確保したし、計画通りだ。」
強盗リーダー「とびっきりの人質だ。くくく。」
大臣「貴様らなど警察が来ればすぐ逮捕されるわい!」
強盗リーダー「へっ、警察なんか怖くねえよ。むしろ来てくれないと困るがな。」
手下「あいつらが本当のターゲットですもんね。」
ドカ!
強盗リーダー「余計なこと言うんじゃねえ!」
手下「いたた・・それにしても警察遅いっスね。いるのは野次馬ばっかりで・・あ!?」
強盗リーダー「どうした?」
手下「あれ!あれ!双星です!!!野次馬の中にいます!」
強盗リーダー「ああ、とんでもない策士ってうわさのやつか。オレは信じてないがな。」
手下「100億の大会後に人肉事件があったじゃないですか!あれを速攻解決したのが双星ですよ!」
手下「んでその時の記事で、犯罪者に宣戦布告したんですよ!犯罪者よ、次はお前たちの番だって!!!」
強盗リーダー「バカ言うな!見てみろよ、どう見ても野次馬だろ。」
手下「でもあいつダークエルフを従えてるみたいだし、もしかしたら双星がおとりの可能性も・・」
強盗リーダー「ふざけたこと言ってんじゃねえ!!!」
ガタ。
強盗リーダー「なんだ?物音か?」
手下「誰かいたりして。」
強盗リーダー「んなわけねーよ。屋敷にいたやつらはみんな人質にしただろ。」
手下「じゃあ・・双星の計画・・とか。」
強盗リーダー「んなわけ!・・それに、こっちには人質がいる。手出しできねーって。」
手下「みんなそう言うんスよ。ずっと調子に乗ってたら、いつのまにか双星の計画通りになってるって・・」
手下「絶対不利な状況から、一気に立場逆転。それが双星の手口なんです。」
強盗リーダー「・・や、やめろ、怖がらせるんじゃねえよ。」
ドンッ!
手下「やっぱ誰かいますよこの屋敷!」
強盗リーダー「なんだよ!なんなんだよ双星ってやつは!まさかオレたちの計画がバレていたのか!?」
ガシャン!!
手下「音!音!!近づいて来てますってこれ!絶対誰かいます!!!」
強盗リーダー「お、落ち着けって!お・・お前様子見てこい。」
手下「嫌っスよ!リーダー見てきてください!!」
強盗リーダー「ちっ、腰抜けが。わーったよ。」
リーダーが廊下に出る。
強盗リーダー「★∵△■〈⇔ ̄●」
強盗リーダーは、そのまま玄関へ走って行った。
手下「ちょ、リーダーどうしたんスか?・・ひぇぇぇぇ!!!」
手下も後を追って玄関へ猛ダッシュした。
廊下には、首のない人形が落ちていた。
・・
・・・・
記者「で、で、本当はなにするつもりですか?」
双星「だから本当になにもしないって。」
バタン!
勢いよく玄関の戸が開いて、中からふたりの人が慌てて飛び出してきた。
俺の目の前でスライディング土下座を披露する。
強盗リーダー「降参します!だから殺さないで!!!」
手下「オレたちはおとりなんです!警察を引き留めて、仲間が銀行強盗する計画だったんです!」
双星「・・」
記者「・・本当になにもしないで解決した・・」
その時、玄関から一匹の黒猫が出て来た。
猫はこちらを一瞥すると、さっさとどこかへ行ってしまった。
・・
・・・・
”なにもしないという計画”
おや、早速記事になってる。
”先日、大臣宅に男たちが押し入り籠城するという事件が起きた。”
”だが双星によって男たちは降伏して事件は解決した。”
”その場に記者が居合わせたのだが、双星はなにもせず解決すると宣言していた。”
”そしてなにもしないまま解決してしまった。”
”本当になにもしなかったのだ。その場にいるだけで解決するという新しいスタイルが確立された瞬間だった。”
”いわゆる、ドミノ倒しの要領だと思われる。世の中の理を操り犯人逮捕というゴールへ導く。”
”双星は始まりのドミノを倒すだけ・・”
”もはや犯罪者に安住の地はない。震えて眠れ。”
”なお、男たちのスライディング土下座は非常に美しく、100点満点をつけていいほどだった。”
”もしスライディング土下座の世界選手権があったら、メダル獲得は間違いないだろう。”
スライディング土下座って、一般人に伝わる用語なの?
”それにしても双星の計画には驚くばかりでだ。”
”双星こそ人々を導く救世主ではないかと思ってしまうほどである。”
それはいいすぎだろう。
・・
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