71【魔剣がヒミカさん宅へ届きますよー】
魔剣2本が手に入ることになり、その代金を販売元の冒険者ギルドに支払った。
2本で2億。金額がでかすぎてもうなにがなんだか。
受付のおねーさん曰く、そのうち慣れる!・・って、慣れるもんなの?
で、ヒミカさんに1本渡す約束だったんだけど・・
俺が持ってても仕方ないから、2本ともヒミカさんに持っててもらうことにした。
受付「その魔剣が今日ヒミカさんの家に届くそうですよ♪」
宿に受付のおねーさんが来たかと思えば、そんな話だった。
双星「まぁよかったよかった。なぜか俺はみんなから恨まれたけど。」
2本とも俺が当たったならあれだけど、うち1本はメイドさんの当たりだから。
それを俺がどうこう言うのはちょっと違うと思う。
でも結果的に総取りしちゃったから恨まれても当然かぁ。とほほ・・
受付「ヒミカさんすっごく嬉しそうでしたよ。見に行きませんか?」
双星「魔剣を?」
受付「笑顔のヒミカさんを。」
・・それはちょっと興味ある。
真面目街道爆走中なヒミカさんの笑顔!
・・
・・・・
双星「うわぁ。」
受付「うわぁ。」
ダークエルフ「うわぁ。」
メイド「うわぁ。」
ヒミカさんの家は、平屋の木造住宅だった。
ただもーんのすごく広いけど。これは屋敷かな?
池もある・・
だけど、一番すごかったのは・・玄関がものすごく飾り付けされてた。
”歓迎!配達員様!”
”魔剣様歓迎会この先奥”
”祝:新しい家族(魔剣)誕生”
のぼりもすごいけど、石畳の上にカーペット敷くとか行き過ぎじゃない?
受付「これは・・過去最高の浮かれっぷり。」
うん。もしこれが過去最高じゃなかったら怖いよ。
玄関の戸が開いてたから中に入ると、そこには着物で正座をしているヒミカさんがいた。
残念ながら笑顔ではなく、いつも通りの表情だったけど。
てか、屋敷の中も飾り付けしてある・・子供の誕生日パーティみたいだ。
ヒミカ「どうしたみんな揃って。」
双星「えーと、今日魔剣が届くと聞いてちょっと様子を見に・・」
ヒミカ「耳が早いな。誰にも報せていなかったのだが。」
玄関飾り付けて堂々と魔剣が来ること書いといて、報せていないとかちょっと意味がわからない。
もうこれ、公開情報になってるよね?
受付「ヒミカさん、熱でも出て頭おかしくなったんですか?」
ヒミカ「なに心配するな。熱はあるが遠足の日とかはよくあること!ある意味いつも通りだ!」
ヒミカさんが壊れた。
ダークエルフ「入口に書かれていた魔剣様歓迎会とは?誰か呼んでたのか?」
ヒミカ「あれは魔剣との出会いの儀を行うだけだ。誰も呼んでいない。」
俺たちも呼ばれていないし、特殊なやつだったか。
メイド「すごく楽しみなんですね。もし配達が遅れたら配達員さん無事に帰れなさそう。」
ヒミカ「はっはっはっ、遅れることなんてありえん。」
メイド「でもたまには遅れることくらい・・」
ヒミカ「遅れることなんてありえん。」
メイド「あの・・」
ヒミカ「遅れるなど許さん。絶対に許さぬ。魔剣の試し斬りしたのち、鯉のエサにする。」
配達員さん早く来て!命がかかってるよ!
ヒミカさんが、ヒミカさんがやばい!
配達員「あのーすみません。冒険者ギルドからヒミカ様にお届け物です。」
ガタッ
ヒミカ「来たか!」
配達員「こちら”武器”が二振りですね。受け取りのサインをお願いします。」
ヒミカ「名前くらいいくらでも書こう!」
今のヒミカさんなら連帯保証人にもサインしそうな勢い。
受付「試そっか?」
心を読まないでください。
配達員「ありがとうございましたー。」
ヒミカ「いつもお仕事大変だろう。私が作った茶で悪いが、良ければ飲んでくれ。」
配達員「ヒミカ様のお手製!ありがとうございます!!!」
・・おおう、ヒミカさん気のない相手にそういうことしちゃダメですよ。
受付「(ああやって男をたぶらかすんですよ。しかもお金を要求しないんです!)」
うん。ヒミカさんは、受付のおねーさんとは違うから。
双星「ヒミカさんってお茶作ったりしてるの?」
ヒミカ「自分で作った物は格別だ。味は市販のものに劣っても、心が満たされる。」
ヒミカ「人は素晴らしいな。やろうと思えばなんでもできる。可能性に満ち溢れている!」
ひ、ヒミカさんがまぶしい。俺は馬小屋で馬の世話しかしてない!
メイド「軍人さんって軍のお仕事しかしてないと思ってました。」
ヒミカ「ひとつのことをとことん追求するのも人の道。だが私はまだ道を模索している最中だ。」
そういやヒミカさんって何歳なんだっけ?
受付「(実は20歳なんですよ。もうおばさんですよね)」
双星「(受付のおねーさんは?)」
受付「(18です♪)」
双星「(じゃあ2年後はおばさんですか?あっという間ですよ)」
受付「(死刑)」
もうすぐ20代が終わるおっさん(俺)の人生は幕を閉じた。
・・
・・・・
メイド「ただいまです。」
ダークエルフ「とんだ武器マニアだったな。家の中が武器の博覧会だった。」
受付「ヒミカさんは武器が大好きですから。」
双星「お帰りみんな・・あれ?」
俺は留守番だったっけ?
メイド「ヒミカさんからお茶のお土産もらいました。」
双星「ああ、ヒミカさんが作ってるやつ。」
メイド「はい。知ってたんですね。」
・・はて、どこで知ったんだっけ?
受付「では私はこれで。」
メイド「また誘ってくださいね。」
ダークエルフ「中々楽しかった。」
・・俺は誘われなかったの?
受付「ああそうそう、双星さん。」
双星「はーい。」
受付「次はない。」
え?次?え?
・・
・・・・




