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65裁判開始


裁判が始まった。

つつがなく始ま・・・・らなかった。

入ってすぐ、被告人である記者さんが騒いだから。

報道の自由とか、弾圧とか叫びまくってた。

黙らないと別の罪で重罪になると2回言われてようやく大人しくなった。

裁判って大変なんだな。


国王「被告によって被害を受けた者に来てもらっている。」

記者「いるわけない」

はっきり言いやがった。なんて自信だ。

俺が間違ってたんじゃないかって一瞬考えちゃったよ。


国王「双星。」

双星「はい。」

国王「なにがあったか話してもらえるかな?」

双星「はい。」

ありのまま、取材の内容と記事の内容が異なることを話した。


国王「この件に関してなにか申し開きすることはあるか?」

記者「取材のまま記事を書くならサルにでも書かせればいいです。」

記者「あれは取材のニュアンスを読み取り、正しい形にアウトプットしたまでのこと。」

記者「それを理解できないのは低レベルな者だけであり、記事はなにも問題ありません。」

うーん、言ってる意味がわからないけど、あれは正しかったってこと?

なんかそんな気がしてきた!

記者さんは無罪!


国王「新聞というのは正しく物事を伝えなければならず、また対象は少数ではなく大勢に見てもらうものだ。」

国王「その内容に誤解があったり、正しく伝えられなければ意味がない。」

国王「低レベルな者に理解できない記事を書く記者こそ低レベルであり、高レベルの記者は、その低レベルな者でも理解できる記事を書くものだ。」

国王「被告のような記者なら、まだサルの方がマシであろう。」

・・言われてみればそうだよな。

見る人が理解できる記事を書かなきゃ新聞として意味がない!

うん、記者さんは有罪だ!


国王「被告人の矜持は記者として問題であり、本件について有罪であることは明らか。」

記者「待って!報道は自由であり制限を受けるべきではない!」

記者「王室が報道の自由を弾圧するようものなら、それは独裁も同じ。」

記者「王室が独裁をするのなら、すべての記者が王室と戦う!」

記者「偉大な者は言った!ペンは剣より強いと!!!王室が悪しき野望を抱くなら、王室はペンによって滅ぶであろう!」


国王「またそれか。間違いを正すのも王室の役目。問題のない記者まで罰したりせん。」

記者「過去の歴史を見れば明らか。愚かな支配者は報道を支配し都合のよいことを書かせる。」

記者「それによってどれだけの人々が苦しんだか。何度歴史を繰り返せば学習するというのか!」

うーん、この状況で俺はどう提案すりゃいいんだろう?

国民の利益が大切だと思うんだけど、王室も報道も自分たちの利益ばっかり・・でもそれをどう伝えたらいいかわからない・・

がやがや。


床「水臭いやつだな。任せろ!」

なんて都合のいいタイミング。でも助かるよ。


床「ま、とりあえず話を持ち掛けてみろよ。」

OK。


双星「あのー、ちょっと提案いいですか?」

国王「これ以上ややこしくしないでほしいのだが・・まあいい、なんだね?」

で、どうすりゃいいの?

がやがや。


床「みんな好き勝手言ってたら話はまとまらない。まずは状況を整理するんだ。」

床「国民の利益が大切なんだろ?その辺りを中心に話すんだ。」

ふむふむ。なら・・


双星「記者さんの言うことは正しいと思います。支配者が都合のいい報道をさせたことによって、国民が不利益を被ることがあります。」

双星「俺は今の王様を信じています。しかし次代、その次の代、そのまた次の代も信用できるとは限らないでしょう。」

・・これだと、報道は自由でいいって話になりそうな気がする。


床「それだとお前が受けた不利益はどうなる?なぜそうなる?」

うーん・・そうか、王室が問題を起こすなら、それは報道も同じことか。

がやがや。


双星「しかしながら、信用できるとは限らないのは報道する側も同じです。」

双星「王室が報道を支配して国民に不利益を与えられるなら、報道する側もまた同じ。」

双星「ペンは剣より強い。なればこそ、そんな危険なペンを自由にしてはいけないのです。」

でも王室が報道を管理しようとすると、歴史が繰り返されるだけなんだよな・・


床「なら王室以外の誰かに報道を監視させればいい。」

床「報道は王室を監視して、誰かが報道を監視する。なんなら王室がその誰かを監視して、三すくみにすれば管理システムの出来上がりだ。」

その誰かって?


床「もう話に出てただろ。王室の利益と、報道の利益と、もうひとつの利益をお前は既に言っている。」

あ!

がやがや。


双星「王室が報道を管理しては過去の二の舞・・ならば、王室以外が報道を監視するシステムを提案します!」

双星「報道を監視するのは国民。選挙によって国民の代表を選び、その者が報道に対する規制や罰を与えます。」

双星「そして報道は王室を監視します。王室から制限を受けることはありません。」

双星「最後に王室は国民の代表を監視します。この三すくみによっていずれかが道を誤ったら直していくのです。」


双星「国民の代表→報道→王室→国民の代表・・監視はこの一方向だけです。」

双星「報道は国民の代表を報道してはならず、王室は報道を規制してはならず、国民の代表は王室に口出しできません。」

おお、床のおかげでなんかそれっぽくなった!

がやがや。がやがや。


床「本当なら四すくみ以上がいいんだけどな。三すくみだと、この中のふたつが手を組んで不正を始めたら止められない。」

床「でも多すぎると複雑すぎて不正がわかりにくくなるから、まぁよっつくらいがちょうどいいのかもな。今回は他の勢力ないから今後の課題くらいで。」

なるほど、床すげえ。ありがとうございます!


国王「ダメだ!それでは王室が報道や国民と同列ではないか!」

記者「報道は完全に自由じゃないとダメなんです!どうしてそんなこともわからないんですか!」

完全否定だ。

まぁ別に受け入れられるとは思ってなかったけどね。


アスタ「私はその意見に賛成です。この国の更なる発展と安全のために、新たな制度が必要です。過去を超える制度が。」

あ、アスタ王女が賛成側にまわったことで、裁判に出席していた人たちがざわざわし始めた。

がやがや。がやがや。

・・というか、さっきから外が騒がしい気がする。


土門「私も賛成です。監視というのは対立軸になれば争いが避けられなくなります。間に立つ者がいてこそバランスがとれるのです。」

・・誰?


床「100億の大会で闘った土門将軍。蜂で倒した軍人さん。」

ああ、思い出した。

この試合の後で、俺はヒミカさんにフルボッコされたんだよな。


兵士「た、大変です!」

兵士が飛び込んできた。


国王「なにがあった?」

兵士「こ、国民が王宮に集まってきています!!!なんでも・・・・そ、双星を応援するとかで・・・・」

国王「なに・・?」

なにやってんの、この国の人たちは。


国王「すぐ追い払え!!!」

兵士「既に1万人を超え、王宮は国民で囲まれています!まだ増え続けており、入って来ないようにするのが精一杯で、追い返すのは難しいかと・・」

国王「そんな・・まさか!双星は国民を動かすことまで想定して・・」

してないしてない。


アスタ「既に時代は動きつつあります。この国をよりよくするため、お父様も時代が変わったと早く気付いてください。」

国王「なぜこんなことに・・はっ・・まさか・・まさか・・」

国王「大会に出場して人々の注目を集めたのも・・」

国王「亡くなったブラストに仕えていたダークエルフを手元に置いたのも・・」

国王「娘をたぶらかし支持者に仕立てたのも・・」

国王「ぜ、全部・・この時のため・・今まで政治に興味ないフリをして、誰も気付かないように支持基盤を作り、この状況を作った!」

国王「そうだ、こやつは敵国であるC国との戦争を止めた。そしてそのC国にも一目置かれたほどの存在。」

国王「ヒミカとよく会っていたのも、軍の支持をとりつけるため・・」

国王「この国を救ったブラストの後継になるため、いや、あやつを超えようとしていたのか!!!」

双星「いや・・完全に偶然ですけど・・」

国王「や、やめろ・・お前の口から”偶然”が出たらそれは・・それは・・全部計画通りじゃないか!!!!!」

アスタ「お父様とて、神様に敵うはずありませんのに。くすっ。」

国王「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

どう考えても誤解。


・・

・・・・


アリス「なんなの?なんなのこれ・・」

雪納「1万の動員ですか。事前に悟られないようよく集めましたね。」

アリス「あいつは革命でも起こすつもりなの!?」

雪納「少なくとも今はしないでしょうね。」

アリス「じゃあなに?このまま政治に口出しするの!?」

雪納「それもないでしょう。」

アリス「なんでよ!なんでそんなのわかるの!?」

雪納「彼が外国人だからです。もし本気で政治をするのなら、本気で革命するのなら、国民を導くなら・・この国に帰化するでしょう。」

アリス「あ・・」

雪納「この国は昔、外国によって支配されていました。外国人による統治は国民が受け付けません。」

雪納「今はまだお祭りのようなもの。様子見の段階・・まだ誰も彼の本当の目的を知らない。」

アリス「全部わかっててこれを演出した・・なら、帰化していない今はまだ、計画の段階・・」

雪納「恐らくは。王様はこの時のために計画していたとおっしゃいましたが、この時すら計画の途中段階なのでしょうね。」

アリス「・・お姉様はそれに気付いたから・・」

雪納「アスタ王女は彼を利用するつもりでしょう。もっとも、お互いが利用し合う形になると思われますが。」

アリス「私・・なにもわかってなかった・・」

雪納「今気付いたでしょう。ならば次の手が打てますね。」

アリス「次の手・・?」

雪納「気付かない者は無能です。気付いてなにもしない者は害悪です。」

雪納「アリス様、国民を見捨てないようお願いします。」

アリス「・・わかってるわよ!部屋に戻って作戦を立てるわ!」

雪納「お手伝いします。」


双星「どこかでまた誤解されている気がする。」


・・

・・・・


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