55決勝戦
そして決勝戦の日。
双星「こんないい席をとってくださってありがとうございます。」
ヒミカ「いや決勝戦だけですまぬな。お主がいると馬が言うこと聞くので、休んでほしくないという声が大きいのだ。」
まぁ馬の気持ちは全部話してくれるんで・・馬が。
ダークエルフ「決勝戦は剣士VS魔法使いか。接近戦なら剣士が有利だな。」
ヒミカ「魔法使いのアリ―選手は超短時間詠唱で近づけさせない戦法をとる。近づけなければ剣士に勝機はないぞ。」
ダークエルフ「では魔法使いが勝ちそうか?」
ヒミカ「いや・・剣士のウェルト選手だろう。実力者同士だと長期戦になりやすい。魔法使いは無限に魔法を使えないからな。」
ダークエルフ「そうだな。私もそう思う。」
ヒミカ「双星はどう思う?」
双星「まったくわからないけど、ふたりが同意見ならその通りになるんじゃない?」
ヒミカ「なんだそれは・・まったく。」
素人でごめんなさい。
・・
・・・・
受付「さぁ本日注目の一戦です!決勝戦に残ったのは剣士のウェルト選手と魔法使いのアリ―選手!」
受付「ウェルト選手は迅速正確な剣捌きで対戦相手を沈めてきました!」
受付「アリー選手は素早い魔法詠唱と時限魔法を使いこなす技巧派です!」
受付「どちらが勝ってもおかしくないこの闘い、みなさん目を逸らさないでくださいね♪」
なんか・・
双星「すごく普通に実況している・・俺のときとだいぶ違うなぁ。」
ヒミカ「元々あいつは優秀なんだ。調子に乗らなければな・・」
てことは、俺が増長させたのかな・・
受付「決勝戦・・開始!」
受付のおねーさんの掛け声で、ふたりが動いた。
剣士のウェルト選手が一瞬で距離を詰める・・が、魔法使いのアリー選手が魔法を完成させる。
透明な壁ができてウェルト選手の剣を防ぐ。
ん・・もうひとつ魔法を完成させた?
でもなにも発動しなかった・・不発?
ダークエルフ「時限魔法だ。完成と異なるタイミングで発動する魔法だ。」
ダークエルフ「この魔法は・・地雷だな。」
ヒミカ「よくわかるな。」
ダークエルフ「精霊が教えてくれる。」
精霊ってすごい!
座席「お前にはオレたちがいるじゃん。」
地面「相棒!」
そうだね(棒)
ダークエルフさんには精霊。
俺には机や椅子、壁や地面に座席・・あと馬!
俺も精霊様がいい!
受付「試合は一進一退の攻防、どちらも決め手に欠けるようです。」
受付「剣は防がれ魔法はかわされ・・まるで最初の一撃が試合の勝敗を決めるかのよう!」
受付「おおっと、前進を続けていたウェルト選手が後退した!?」
ヒミカ「決まったな。」
ダークエルフ「ああ、剣士の勝利だ。」
そうなの?
受付「あーーー!閃光一線!!!後退したウェルト選手が一瞬でアリー選手との間合いを詰めたぁ!!!」
受付「アリー選手防げない!地面に倒れました!」
受付「アリー選手起き上がれません!ウェルト選手の勝利です!!!」
わーわーと、観客が盛り上がる。
双星「ふたりともよくわかったね。」
ヒミカ「剣士は決め技を出そうとしていた。だが魔法使いは防ごうとしなかったからな。」
双星「わざと負けた?」
ダークエルフ「いや、読み間違いだろう。大技が来ると気付けなかった。」
はー、ふたりともレベルが違う。
メイドさんは・・・・観客と一緒に称賛してる。まぁ俺たちも観客なんだけどね。
受付「優勝はウェルト選手!見事な勝利でした!」
ウェルト「ひとついいか!?」
受付「はいどうぞ。」
ウェルト選手が観客席を指差した。
ウェルト「双星!オレと勝負しろ!!」
・・は?
ウェルト「貴様が出場するとばかり思って特訓してきたのに、なぜ貴様は出場しない!?」
ウェルト「もう一生分の金を稼いだか?それとも今までの闘いはただの遊びだったか?」
ウェルト「世界で最も大きな大会に優勝したんだ!貴様はチャンピオンとして挑戦を受ける義務がある!!!」
そんなこと言われても・・
双星「出なくていいよね?もう強運はないんだし。というか言いがかりつけられた時点で不幸だよ。」
ダークエルフ「ああ。そんな義務はない。」
ヒミカ「闘いの参加は自由意志だ。出たくなければ出なくていいぞ。」
観客「双星出ろよ~また偶然勝っちゃえって。」
観客「どうした?もう偶然は起こらないのかな~」
観客「みんな期待してるぞ。ほらほら。」
観客「ラッキー協会は助けてくれないのかあ?」
俺が強運なくなったって知ってるっぽいな。
新聞に載っちゃったからなぁ。
受付「う~ん双星さんやる気ないみたいですね。無理強いはできませんけどぉ。」
ウェルト「この卑怯者が!・・そうだ、オレに勝ったら優勝賞金の1億を譲ろう。」
1億とか別にいらないっていうか、勝てない闘いじゃぁね・・
受付「双星選手、早く来てください!そして私に1億を渡すように!」
あ、受付のおねーさん裏切った。
いや最初から味方じゃない気もする。
ヒミカ「また悪い癖が出たか。」
受付「1億!1億!1億!1億!1億!1億!1億!1億!1億!1億!1億!1億!」
ヒミカ「止めてくる。」
双星「いやいいよ。俺が闘ってくればいいんだろうし。」
ヒミカ「・・勝てるのか?」
双星「無理だと思うけど・・負ければ受付のおねーさんも、もう少しまともになるんじゃない?」
一応俺の責任もあると思うから・・調子に乗らせたのって俺が甘やかしたのかも・・
ヒミカ「そうか・・無理はするなよ。」
双星「サクッと負けてくるよ。」
俺は試合会場に向かった。
・・
・・・・
ヒミカ「お前は黙ってるんだな。主が負け戦をしにいくというのに。」
ダークエルフ「主が決めたことに口出ししない。勝つつもりならできることもあるが、負けるつもりなら余計なことはしない方がいい。」
ヒミカ「そうか。」
メイド「怪我しないことを祈りましょう。」
ダークエルフ「ああ。」
・・
・・・・




