52三度ラッキー協会1
双星「ところでおふたりはなにしに来・・」
こんこん。
今日は訪問多いなぁ。
双星「はーい。」
ドアを開けると、なんか見覚えのあるおっさんがいた。
誰だっけ?
男「入るぞ。おいお茶!」
受付「飛び蹴りでも食らわせちゃいましょう!」
それご褒美ですよ。
ダークエルフ「ラッキー協会か・・私がお茶を入れよう。」
双星「ラッキー協会!?」
男「久しいな。まったく、新聞読んだぞ。100億を国に渡すなど契約違反だ!」
双星「その件は断りましたし、第一、決勝に参加してたら俺も隕石で死んでましたよ。」
男「お前はなにもわかっていない。例え決勝に参加していてもお前が勝利する。」
男「お前以外が全員死んでもお前だけは勝者となる。」
男「それが強運というものだ。」
説得力があるのかないのかわからないなぁ。
双星「で、今日は苦情ですか?」
男「いや、近々小さな大会が開催される。このまま強運が欲しいのなら・・参加しろ。そして優勝賞金の8割をよこせ。」
前と同じ話か。
賞金1億は小さい大会じゃないと思うけど・・
うーん、参加すれば強運は残るってことだよな?
双星「そういえば、他にもラッキー協会を名乗る人がいたんですが。」
男「あーいるんだよな偽物が。そんなのを信じたりするなよ。」
男「連中は、本物のように見せかける。それが詐欺ってもんだ。」
男「オレだけが真実だ。」
つまり一見偽物のあなたが本物だって言いたいんですね。
偽物っぽいって認めてる?
ダークエルフ「粗茶ですが。」
あ、ダークエルフさんがお茶持ってきてくれた。
男「うーんまずい。草にお湯を入れたのかこれ?」
よし、この話断ろう。まず一緒の部屋で空気を吸いたくない。
ヒミカ「ひとつ聞きたい。強運で優勝できるならば、お前が強運で優勝すれば済む話だ。引き受けるかどうかわからない双星に強運を与える理由がないのでは?」
男「オレ様の体はひとつしかない。オレが稼いでもひとり分。だが無能なやつらに強運を授ければいくらでも稼げるんだよ。」
男「他人を使って大金を稼ぐ。それがホワイトカラーってもんだ。」
ヒミカ「引き受けるかわからない者に与えてもしょうがあるまい。」
男「優しさというサプライズだよ、や・さ・し・さ。」
男「恵まれない子供に愛の手をって言うだろ。恵まれない人生を送っているかわいそうなやつに強運という幸せを与えてやるんだ。」
男「なんという善行、なんという善意、ああ、そんなオレって最高の男だ。」
受付「(ぼそっ)・・気持ち悪い・・」
受付のおねーさん、マジ発言だな。
男「だからお前らクズは、オレ様に感謝して優勝賞金の8割をよこせばいい。2割でも大金だろう?」
1億の2割は2000万。確かに大金だ。
俺の実家なら土地付きの家が買える。
双星「んー、お断りします。」
男「は?なんでだ!?また貧乏生活に戻りたいのか?みんなから称賛されてるのは誰のおかげだ!」
男「周りを見てみろ。強運がなければこの女共はいたか?お前は・・もっとオレに感謝するべきだ。」
双星「貧乏でもいい。認められなくてもいい。ひとりでもいい。」
双星「失敗ばかりの人生でも、理不尽な世界でも、他人に支配されるのは嫌だから。」
双星「だから、自分の人生は自分で決めたいです。」
男「・・もうお前なんか知らん!事故に気を付けるんだな!」
ラッキー協会の人は帰っていった。
・・これで俺の強運は終わりかぁ~。
ヒミカ「相変わらずこっちのラッキー協会は不躾だな。」
受付「こっちの?」
そっか、受付のおねーさんは初めてだっけ。
双星「ラッキー協会はひとつじゃないっぽいんですよ。」
受付「ああ、この間のギロチン協会?路上パフォーマンスしてた。」
そんな名前だったっけ?
双星「あれは間違いなく偽物だと思うけど・・前の大会期間中、ラッキー協会を名乗る人がふたり来たんです。」
双星「毎回さっきの男の人の後に、佐藤さんって人がやって来て、似ているけどちょっと違う話をしてきたんですよ。」
こんこん。
受付「へー、さっきの男の人の後にやってくるのね。」
まさかな・・
ドキドキしながらドアを開けた。
佐藤「お久しぶりです。ラッキー協会の佐藤です。」
ああ、これは誰の意図でこうなったのだろう?強運?
・・
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