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43【終わりよければすべてよし】


次の日、敵国の王のところへ。


国王「ご苦労であった。おかげで息子の症状も改善されてきたそうだ。」

双星「そんな早く効果が出るんだ。」

ミルカ「・・毒も盛られなくなったからな。」

毒?


ダークエルフ「双星の言った通り、大臣の部屋から毒と、毒の購入書類が出てきた。」

国王「まさか身内に犯人がおるとはの・・お主はなぜわかった?」

双星「カーペットが教えてくれたから。」

国王「カーペット?」

双星「泊めてくれた部屋のカーペット。」

国王「?」

ミルカ「・・」

まぁ誰も理解してくれないだろうけどさ。

嘘は言ってない。でも伝わらない。なにがおかしいんだろうな。


双星「変なこと言ってるように見えますけど・・俺の周りではおかしなことが起こるんです。俺の意思とは関係なく。」

双星「それで気が付いたら色々うまくいってるだけで、まぁ・・俺自身はなにもできないやつなんです。」

国王「まるで勇者じゃな。」

双星「え?いやそんな大層なものじゃないですよ!」

国王「勇者とはいえ人間が魔王に勝つなど万に一つも可能性はありえぬ。」

国王「だが勇者は魔王に勝つ。勇者は、奇跡を呼ぶのじゃ。不可能を可能にする。」

国王「そしてその奇跡も含めて勇者は勇者として高い評価を受ける。」

国王「お主も奇跡を起こせるのだとしたら、それも含めてお主の力じゃ。なにもできないなんてことはない。」

双星「そう・・でしょうか。」

国王「ワシが保証しよう。」

なんか照れちゃうな。


双星「でも山に登って花をとってくるだけなら誰でもできそうな気がするけど。」

ドラゴンやばかったけどさ、偶然うまくいくこともあるでしょ。


ダークエルフ「今の時期はレッドドラゴンの繁殖期だ。数多くのドラゴンがあの山にいて、しかも気が立っている。」

ダークエルフ「100人が山を登れば100人死ぬ。王族が薬を用意できないくらい・・な。」

・・あれ?

危険なところだとは思ってたけど、それほぼ死ぬじゃん。


双星「え、なんでそんなとこに俺行ったの?」

みんな顔をそむけた。

え?ちょっとみんな・・あれ?


メイド「双星様って、どこまで本気で言ってるのかわかりませんよね。私でも炎の山の危険性くらい知ってますよ。」

メイド「今の時期じゃなくても、100人が山を登れば帰って来れるのは5人くらいです。」

俺この辺りのことって殆ど知らないの!遠くの出身なの!


国王「うわさ通り、嘘が上手じゃな。」

双星「いや本気ですけど。」

国王「道化を演じて弱いフリをする。意味不明なことを言って偶然を強調する。」

国王「だが常にお主の望み通りの結果となる。みんながみんな騙されるそうだな。」

双星「いつも誠実を心がけています!」

国王「騙される者たちの気持ちがよくわかる。どう見てもお主は一般人と変わらぬ。」

国王「だがワシの目論見はすべて予見していた。炎の山へ行き無事帰ってきた。息子に毒を盛った者も見つけ出し証拠も手に入れた。」

国王「ああ、ワシは騙されぬぞ。羊の皮をかぶった狼とはまさにお主のことであろう。」

なんで誰も信じてくれないの?


国王「とにかく、おかげで助かった。それでじゃな、正式にお主を次の国王にしたいのだが。」

国王かぁ。ヒミカさんの話じゃ大変みたいだよなぁ。


双星「あ、今回俺がんばったんだから、報酬とか望んでもいいですよね。」

国王「お、おお。そうじゃな。」

双星「なら・・俺への王位継承の話はなかったことにすること。そっちの国なんですから、そっちの中から選んでください。」

国王「・・ふぅ、それもお見通しか・・」

双星「なにを?」

ダークエルフ「継承権は、理由がなければ取り消しできない。もし消したかったら・・大抵殺す。」

物騒だなぁ。


ダークエルフ「子供の病気が治れば双星に与えた継承権は邪魔だからな。手元に置いてそのうち殺すつもりだっただろう。」

へぇ・・ん?


双星「俺、殺されそうだった!?」

国王「また知らないフリか?もう誰も騙されぬぞ。」

双星「本当にわかりませんでした!」

国王「おお、おお、その慌てよう、真に迫っておるな。なんという演技力。」

マジです!


メイド「いつもこうなんです。」

ダークエルフ「私たちもどこまで本気かさっぱり。」

味方不在!?


双星「ミルカさんはわかってくれるよね!?」

ずっと黙っているけど、俯瞰して見てくれてるよね!


ミルカ「お前が冗談を言ってるようには見えない。」

双星「うんうん!」

ミルカ「だがそういう演技だとしたら・・これほど恐ろしいものはない。」

双星「みんな!真実はひとつだから!」

ミルカ「わかっている真実は、お前にとって都合のいい結果になっているということだ。」

いやいやいや!なら俺の言ってることが真実だって信じてよ!

結局誰も信じてくれなかった。

この状況で歴史書とか作られたらひどいことになりそうだ。

後世のみんな、間違った歴史とか信じないでね!


・・

・・・・


信じてもらえないまま国王との会見は終わった。


ミルカ「・・なぁ。」

双星「なに?」

ミルカ「大臣が毒を盛っていた件、カーペットが教えてくれたというのは本当なのか?」

双星「うん。」

ミルカ「・・あのカーペットはな、以前は大臣の部屋にあったのだ。」

ミルカ「だから・・もし、カーペットに意思があったとしたら・・毒を買ったりしていたのを見ていたのかもしれん。」

ミルカ「・・それだけだ。」

双星「本当にカーペットが教えてくれたんだよ。」

ミルカ「信じられるかそんな話・・だが、他に知る由もない・・」

双星「なんかさ、ミルカさん以前より冷たいかなーって気がするんだけど。」

以前も好かれてなかったけどさ。敵同士だったし。


ミルカ「お前がおかしいのだ!敵国から来てのほほんとして!」

のほほん?


ミルカ「・・場合によっては王へ危害を加える恐れもあったからな。慣れ合ったりなどしない。」

そっか、俺は敵国から来た人だもんな。

ミルカさんからすれば危険人物か。それで塩対応だったんだなぁ。

納得。


・・

・・・・


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