35【ゲームメーカー】
王様「ご苦労であった。古代種まで現れるとは想定の範囲外であったが、よく収めてくれた。」
双星「みんなががんばってくれたおかげです。」
王様「ブラウン戦は隣国の兵が殆どだったからな。優秀な敵は無能な味方より役立つものだ。」
王様「いや我が国が隣国より劣っているわけではないぞ。ヒミカも、わが兵たちも我の自慢だ。」
王様「予定外の戦闘で疲れただろう。ゆっくり休むがよい。」
双星「はい。」
堅苦しい会見を終えて廊下に出る。
ヒミカ「終わったか。」
双星「ヒミカさんも王様に用ですか?」
ヒミカ「いや、お前に聞きたいことがあったのでな。」
双星「なんですか?」
ヒミカ「お前はどこまでやった?」
双星「・・何の話ですか?ちょっと意味が・・」
というか、俺は殆どなにもしていないから・・
ヒミカ「王女を捕らえたのはお前がなにかしたからか?」
双星「偶然会ったというか、いたというか、俺は別になにも・・」
敢えて言えば強運だったから?
ヒミカ「そうか。」
双星「それを聞きたかったんですか?」
ヒミカ「ああ。」
双星「・・なんで?あんまり重要なこととは思えませんが。」
ヒミカ「いや、誰がゲームメーカーなのか考えてただけだ。」
双星「ゲーム?」
ヒミカ「人は己の意思で行動しているに非ず。環境に沿った行動をしているに過ぎない。」
双星「???」
ヒミカ「誰が停戦に導いた?誰がシナリオを作った?」
双星「言ってる意味がよくわからないんですけど・・」
ヒミカ「・・停戦が起こる要素などなかった。誰かが作ったのだ。」
はぁ。
ヒミカ「隣国との戦争・・お前は話し合いで解決すると思っていたか?」
双星「まさか。運がよかったとしか。」
ヒミカ「誰が停戦を仕組んだ?」
双星「誰って・・さぁ。」
ヒミカ「もし、誰かが和平を望んだとして。」
俺?
ヒミカ「もし、誰かが和平の使者が来ることを知って。」
ん?俺が来るのを知ったってこと?
ヒミカ「もし、誰かが自分の価値を知っていて。」
はぁ。
ヒミカ「もし、誰かが自分を人質にすれば和平できると信じていて。」
え・・それって・・
ヒミカ「もし、誰かが行動したのなら。」
ヒミカ「どうなる?」
双星「・・ヒミカさんは、隣国の・・あの王女様が仕組んだって言いたいんですか?」
ヒミカ「ブラウンの襲来は別としても、停戦までの道を作った可能性がある。」
双星「そんな!下手すれば殺されるかもしれないし、捕まったまま解放されないかもしれないのに!」
ヒミカ「だからこそ誰も疑わない。命を懸けて戦争を止める行為だ。」
双星「お花畑にしか見えなかった・・」
ヒミカ「優秀な敵は無能な味方より役に立つ、まさにその通りだ。」
ヒミカ「お前が仕組んだ可能性もあるからな。そのための確認だ。」
ヒミカ「もっとも、お前はいつも嘘をつく。」
双星「俺は嘘なんてつきませんよ!」
・・あれ、だとすると・・あの戦場で無能だったのは俺だけ?
仲間がいたと思ったのに!
・・
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