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34バトル!


とはいえ、ヒミカさんに状況伝えて後は待つだけ・・

王女様が逃げ出したりしないよう気をつければいい。

最初の2,3日は問題なかった。

が。


兵士「双星様。サルが現れました。」

双星「ミルカさんが!?」

ミルカ「あたしはここにいるから!!」

双星「というかサル程度がいたところで報告しなくても・・」

兵士「いえそれが、数が尋常ではなくて・・」

双星「うーん・・ちょっと見てくる。ダークエルフさん、ここお願いします。」

ダークエルフ「お互いサルの監視ってわけか。」

ミルカ「サルじゃないから!!!」

いいなぁミルカさん。もうこんなにも個性が出たよ。

王女様も天然トラブルメーカーの称号を手にしているし、俺もこう・・かっこいい個性が欲しいです!

超能力とか。


・・

・・・・


砦の上から覗いてみると、サルが50匹ほどたむろしていた。

多いなぁ。


双星「集団っぽいし刺激させるのもまずそう。ちょっと相談してくる。」

兵士「はい!では見張りを続けます。」

再び戻る。


・・

・・・・


ミルカ「それ、ブラウンじゃないか?」

双星「ブラウン?」

茶色?


ダークエルフ「集団行動を基本としていて、物凄い繁殖力からその地を体毛の白がかった茶色で染めると言われている。正式名称ブラウンモンキー。」

双星「へー。」

ダークエルフ「魔物。」

双星「え、やばい?」

ダークエルフ「この砦を繁殖の拠点にするつもりだな・・この規模だと10万くらいに増えると予想できる。」

双星「10万・・?食べ物ないでしょここ。」

ミルカ「そうだ。繁殖し尽したときには生態系は破壊され、いくつかのグループに分かれ他の繁殖地を探しに行く。」

ミルカ「ブラウンの大量発生は災害と同じ危険性を孕んでいる。」

ダークエルフ「逃げた方がいい。100人くらいで守っているのなら、恐らく勝ち目ないぞ。」

双星「それでも!ここを明け渡したら繁殖したサルたちが近隣の村々を襲うかもしれない!援軍を要請して、援軍が来るまで持ちこたえる。」

ダークエルフ「間に合わない。」

ミルカ「・・なら、もう3000人いたらどうだ?」

ダークエルフ「敵の助けなどいらない。どうせ隙を見て王女を救おうという算段だろ。」

ミルカ「ここは国境付近だ。ブラウンを放置すればお互いの国に被害が出る。これはお互いの利益に基づくものだ。」

ダークエルフ「信用できない。」

王女「え~ならー、リーダーさんに決めてもらいましょう。」

双星「じゃあリーダー呼んでくる。」

ミルカ「お前だろ!」

そうだった。


双星「えー・・どうしよう。」

ミルカ「早く決めろ!手遅れになるぞ!」

ダークエルフ「慌てさせてもお前らを信用するわけない。」

メイド「まぁまぁ、こういうときはミルクティーでも飲んで落ち着いてください。」

あぁ、メイドさんの入れてくれるお茶はおいしいなぁ。


この先どうなるかなんてわからない。

俺ができることは、今できることをすることだけだ。


双星「ミルカさんたちにも協力をお願いします。なんとなく、サルたちは食い止めないといけない気がするんです。」

ミルカ「だそうだ。」

ダークエルフ「双星の決定なら異論はない。お前らの道具を借りるぞ。」

ミルカ「なにをする気だ?」

ダークエルフ「魔法アイテムを作るだけだ・・協力、してくれるんだろう?」

双星「ミルカさん、ダークエルフさんは頼りになりますから。ここはどうかお願いします。」

ミルカ「ふん・・わかったよ。」

王女「あ、演劇の始まりですね。お互い敵同士だったけど、共通の敵が現れたから手を取り合うって流れでしょう?」

誰かこのお花畑をなんとかしてください。


・・

・・・・


俺たちの迎撃が始まった。

再度ヒミカさんに使者を送り、ミルカさんも自国へ使者を送った。


ミルカ「ブラウンはまっすぐ攻めてきているだけだ!固まっているところを効率よく倒せ!」

サルたちはたむろしているだけだったのが、今では砦を乗っ取ろうとしていた。

サル・・というか魔物なだけあって、結構体力が高い。

これは難儀しそうだな。


メイド「長期戦になりそうなので、コーヒー入れました。」

双星「ありがとう・・俺、超暇なんだけどいいのかな?」

ダークエルフさんに、なにもしないで戦況を見ていろって言われた。

前線の指揮はミルカさんがとってくれているし。


メイド「多くがミルカ様の部下ですから、任せた方がいいんだと思います。それと、後方で全体を見るのも大切な役目ですよ。」

双星「まぁ俺が戦闘に参加しても役に立たないとは思うけど、待つのも辛い。せめて負傷者の手当くらい・・」

メイド「それは非戦闘員の私たちにお任せください。他人のお仕事とっちゃだめですよ。」

さいでっか。

ん?なんだあれ?


双星「二回りくらい大きいサルがいる・・ひーふーみー・・5体か。」

メイド「本当ですね。ダークエルフさんに聞いた方がいいかもしれません。」

そうだな。

ダークエルフさんのところへ向かった。


・・

・・・・


ダークエルフ「それはロード種。こいつがいると群れの統率が高まるから厄介。」

双星「じゃあリーダーが出てきたってこと?」

ダークエルフ「そう。もう出てきたってことは、結構すんなり終わるな。」

双星「ふーよかった。でもリーダー5体とかサルもすごいや。」

ダークエルフ「5体?」

双星「うん。でかいのが5体いた。」

ダークエルフ「・・・・それ、やばいかも。」

え?


・・

・・・・


再び砦の上へ。みんな必死に戦っている。


ヒミカ「双星!」

双星「あれ、ヒミカさん?」

ヒミカ「こちらへ向かう途中でお前の使者に会った。まさか敵と共闘しているとはな。」

双星「なんかやばそうな相手だったんで。」

ヒミカ「で、戦況は?」

ダークエルフ「・・それは私が報告させてもらう。非常にまずい。古代種がいるかもしれん。」

ヒミカ「なんだと!?」

双星「古代種か・・古代種ってなに?ロード種とは違うの?」

ヒミカ「ロード種は強化個体。古代種は上位個体だ。古代種はもはや別種族、別次元の強さを誇る。」

ダークエルフ「ロード種が5体もいるなら、更なる統率者がいると考えるのが普通。」

ヒミカ「なるほど。確かにそうだな。」

双星「どうすればいいんですか?」

ヒミカ「倒すしかあるまい。」

ダークエルフ「魔法アイテムの製造・・もっとスピードあげる必要がありそうね。」

ヒミカさんは前衛へ行き、ダークエルフさんは砦の中へ入っていった。

そして俺は再びポツン状態。


砦「暇そうだねぇ。」

双星「ああ。」

砦「人にはそれぞれ役割がある。分不相応なものを求めるんじゃないよ。」

双星「ああ。」

砦「ワシを見てみろ。どっしり構えて迎え撃つ。かっこいいじゃないか。」

双星「・・なんでさ、お前ら俺にだけ話しかけてくるんだ?」

砦「病気じゃねーの。病院行けば?」

いやそれはそうかもしれないけど、でもそれ、お前が言うセリフじゃないよね?


砦「来るぞ来るぞ。地響きが伝わってくる・・かなりでかい!」

サルたちのボスか!


双星「サルたちのボスが来るぞ!!!」

俺は前衛へ行き、兵士たちにそのことを伝えた。


ヒミカ「あの足音はそういうことか。」

双星「聞こえるんですか?」

ミルカ「軍人なら当たり前だ。」

まぁ俺は軍人じゃないしー。


ミルカ「”あれ”を用意しろ!」

兵士「はっ!」

双星「あれ?」

ミルカ「バリスタだ。」

ああバリスタね。バリスタ・・


双星「バリスタってなんですか?」

ミルカ「超大型のクロスボウだ。攻城兵器として持ってきたのだが、こんなところで役に立つとはな。」

ガラガラと兵士たちが持ってきたのは、ひとりでは扱えない大きさの設置型の弓矢だった。


双星「でっか・・」

ミルカ「こいつがあればバジリスクすら倒せるぞ。」

超遠距離からの射撃か・・バジリスクは石化攻撃が一番厄介だからなぁ。


ヒミカ「来たぞ!!!」

木々をなぎ倒しながら”それ”は現れた。


双星「な!?」

普通のサル型魔物はサルより一回りくらい大きい。

ロード種は普通のサル型魔物より二回りくらい大きい。

でもこいつは砦と同じくらいでかい!


双星「人間じゃねぇ!」

ヒミカ「サルだ。」

いやそうだけど、サルでもありえないから!


双星「こんなの倒せるの!?」

ヒミカ「倒すんだ。敵がどんなに巨大でも、我らの背後には民がいるのだ。」

ミルカ「そういうこった。あたしらに向けられた矛は、あたしらがいなければ国民に向けられるんだよ。」

ふたりが古代種に戦いを挑んでいく。

バリスタは兵士たちが巻き上げを開始した。

滑車を使って限界まで弦を引くのか。

・・もしかして、結構規模のでかい戦いなのかなこれ?

よし、ちょっと後ろに下がろう!危なそうだもんね。


ダークエルフ「現れたか。ぞくぞくする。」

双星「ダークエルフさん。」

ダークエルフ「魔法アイテムができた。あとは使うタイミングと、どこを狙うかだな。」

砦「喉元が弱点だよ。」

親切だなぁ。


双星「喉元が弱点みたいです。」

ダークエルフ「なぜ知ってる?・・いや、ありがとう。」

兵士「双星様、敵の動きが激しくて・・狙いがうまく定まりません!」

バリスタを準備していた兵士が報告してきた。

んなこと言われても、どうしたらいいかわからん。


ダークエルフ「私が合図をする!お前たちは私の合図と同時に発射しろ!」

兵士「はっ!」

ドンッ!!

古代種の体当たりで砦が激しく揺れた。


砦「痛い。」

うん、一部壊されたからね。


ダークエルフ「発射しろ!」

ダークエルフさんの合図で巨大な矢が古代種の首に突き刺さる。

古代種が痛みで巨大な咆哮を発した。


双星「なにこれ・・耳が痛い。」

砦「ハウリングボイスだ。遠くだから痛いだけだが、近くにいると吹っ飛ばされるぞ。」

古代種の方を見ると、兵士たちは吹き飛ばされヒミカさんとミルカさんだけで相手していた。

やっぱあのふたりは別格かぁ。

3000いた兵士もだいぶ戦線離脱している。負傷したらすぐに退避してもらってるからだけど・・サルつええ。


ダークエルフ「二発目を用意していろ。少し前衛に行ってくる。」

兵士「はい!!」

ダークエルフさん、なにしに行くんだろう?


砦「魔法アイテムを前衛の嬢ちゃんたちに渡すんだろうな。後衛じゃ使いづらいんだ。」

へー。


砦「にしても、さすがウィンドラスは強力だな。」

双星「ウィンドラス?」

砦「バリスタ(巨大クロスボウ)の種類だ。」

双星「種類って、色々あるんだ。」

砦「他にもクレインクイン、ゴーツフットなどがある。バリスタは使いやすくて強力だが発射まで時間がかかる。改良を繰り返すうちに種類も増えたんだ。」

へー。さすが砦さん、詳しい!

あ、ダークエルフさんが戻ってきた。


兵士「二発目準備完了しました!」

ダークエルフ「よく訓練されてるな。お前たちと戦わなくてよかった。」

兵士「上司が厳しいんですよ・・我々も、あなた方と共闘してその強さ身に染みています。」

兵士「力を合わせればどんな困難も乗り越えそうですが、争えばお互い屍の山しか生み出さないでしょうね。」

なんかわかり合ってるし。

ヒミカさんとミルカさんも連携して古代種と接近戦こなしてるし・・あれ、俺孤立してる?


砦「I’LL BE WITH YOU.(俺がいるじゃん)」

サンキュー。


ダークエルフ「発射しろ!」

二発目の巨大な矢が的確に古代種の首を捉えた。

咆哮くる?

古代種が口を開けた瞬間、ヒミカさんがなにかを口の中に投げ入れた。


双星「あ、ファイア。」

古代種の口内が爆発して口から火の粉が噴き出した。


砦「精霊魔法のファイアストームだな。炎の嵐を内部からやられちゃ厚い皮膚も関係ない。」

ダークエルフさんの魔法アイテムか!


砦「口内で使えば火事の心配もないだろうし。」

そんなのを作るダークエルフさんもすごいし、無駄なくタイミング合わせるヒミカさんも怖い。

みんななんでそんなにすごいの?


砦「訓練と実践経験だな。生まれ持った才能なんて僅かな差でしかない。一日一日を本気で生きたやつは年月を重ねるほど高みへ昇るもんだ。」

砦「クズは年月を重ねると体が衰える分、よりクズになる。」

双星「俺も本気でがんばれば・・ああなれるかな?」

砦「本気でやるやつは考える前に行動する。そこはなれると信じるんだ。お前自身が自分を信じなくてどうするよ?」

耳が痛いなぁ。


ダークエルフ「発射しろ!」

三発目も古代種の首を襲い・・古代種は地面に伏した。

すげー、砦くらいでかいやつを倒したよ。


砦「・・あんなやばいの、俺には使わないでね(ハート)」

いやむしろ攻城戦で使うためのもんじゃないの?


・・

・・・・


王女「はーい、ではお互い停戦合意の署名してくださ~い♪」

両軍が満身創痍で戦いどころじゃなくなったからか、合意は滞りなく進んだ。


ミルカ「・・」

ミルカさんも大人しくサインした。


双星「これでひと安心。」

ダークエルフ「また準備が整ったら攻めてくるかもしれないのでは?」

ミルカ「・・まぁな。だがしばらくは無理だろう。ここまでされてはな。」

双星「やばいサルだったからねー。」

ミルカ「そうではない。」

ん?


ヒミカ「では我々も引き上げるとしよう。王へ詳細を報告しなければな。」

はーい。


・・

・・・・


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