33停戦の使者
隣国との国境・・近くの砦。
メイドさんとダークエルフさんを連れて早馬を飛ばしてきた。
ふたりには死ぬかもしれないから、俺のお金分けて好きにしてって言ったら、ついてきた。
本当に危険なのに・・戦場だよ!?
メイド「微妙な大きさの砦ですね。」
双星「100人くらいが常駐してるんだって。」
ダークエルフ「連絡所と検問くらいにしかならないだろうな。」
100人って、微妙な人数だよね。全員が戦闘職ってわけじゃなさそうだし。
とりあえず中に入ってのんびりしてみた。
ダークエルフ「で、死にに行くの?」
双星「死にたくないです!ああ、なんで俺はこんなところへ・・」
メイド「逃げてもいいんですよ。双星様にとってここは外国。命を懸ける必要はないかと。」
ダークエルフ「そうそう、逃げればいい。惨めに逃げたって、死ぬよりマシ。」
双星「でもメイドさんの生まれ故郷でしょ。放っておくわけにはいかないよ。」
双星「なんとかできる能力なんてないけどさ!」
どうするかなぁ・・とりあえず話し合いに行くかな・・ああ、死にたくない。
・・
・・・・
俺はひとり、敵陣へ向かう。
メイドさんとダークエルフさんもついてくるって言ったけど、さすがに強く断った。
死ぬのは俺だけでいい。でもできれば死にたくない。
ああ、交渉が有利になる材料とかないかなぁ。
?「あらこんにちは。」
双星「あ、こんにちは。」
女の人?服装からすると貴族っぽい?
双星「あの、ここは危険なのでお家に帰った方がいいですよ。隣国の兵が近づいて来ていますので。」
?「知ってます。そこから来たんですから。」
そこから来た?ん?
?「ところでこの近くに砦があるとお聞きしたのですが。」
双星「ありますけど・・ええと、どちら様ですか?」
王女「初めまして。隣の国の王女やってます。」
・・敵国の・・王女?
交渉が有利になる材料はっけーん!確保!
双星「ふふふ、あなたには砦まで来てもらいましょうか。」
王女「案内してくれるんですね。ありがとうございます。」
そう、案内・・いや状況理解していないんじゃないかこの人?
・・
・・・・
メイド「・・」
ダークエルフ「・・」
王女「まぁ素敵。ダークエルフってわたくし初めて見ましたわ!」
王女「綺麗ですわ~、うっとりしちゃう。」
ダークエルフ「どこをどうすればこうなる?」
双星「その辺で出会ったから連れてきた(原文ママ)」
メイド「隣国の王女様ですよね・・今攻めてきてる・・」
双星「うん。とりあえず降伏勧告してみる。」
王女「降伏勧告?どうなるんですの?」
双星「お連れさんたちには・・まぁとりあえず砦に来てもらうかなー。」
王女「それは素敵ですわ。みんなでパーティしましょう。」
双星「・・敵に同情するかなー。」
いや・・もしかしてこれも運がよかったってこと?
俺の強運は、まだ続いている?
・・
・・・・
?「う、うきー!」
ダークエルフ「サルみたい。」
?「このような屈辱、生まれて初めてだ!」
双星「気持ちはわかる。」
王女「みんな集まったからパーティをしましょう。わたくし、演劇をやってみたいですわ。」
双星「心から同情する。」
メイド「私も。」
?「王女様!こいつらは敵なんですよ!敵!敵!敵!!!」
王女「そうですわよね。敵役も必要ですわ。」
双星「これがのれんに腕押しかぁ。勉強になる。」
王女「わたくし、町娘Aやりたいですわ!」
?「演目も決まってません!!!」
王女「では演目を決めましょう。赤ずき〇なんてどうかしら?」
ダークエルフ「登場人物に町娘がいない件について。」
双星「その話は後で・・えー、とりあえずそちらには捕虜になってもらいます。」
?「好きにしろ。」
王女「ダンスもしましょう。ミュージカルも楽しそうですわ。」
?「お城ではまともだったのに・・」
ダークエルフ「侮辱罪にならないか?」
?「・・失言だった。」
兵士「双星様!敵兵をいかがしましょうか?縛り付けて隔離した方がよろしいですか?」
双星「いやしなくていいよ。適当にみんなゲームでもしてて。」
兵士「は・・はい!」
ダークエルフ「いいの?敵と仲良くゲームなんかさせちゃって。」
双星「王女様はこっちにいるからいーよ。最初から戦いに来たわけじゃないし。」
王女「パーティ♪パーティ♪」
?「く・・」
双星「そうだ、名前聞いてもいいかな?俺は双星。」
ミルカ「・・ミルカだ。」
王女「ミルカちゃんとーってもかわいいですわよね~。でもお着替えさせてくれないの。悲しいわ。」
双星「捕虜にしたんですし、好きにお着替えどうぞ。」
王女「やったー♪♪」
ミルカ「ちょっと!」
双星「ごめん、俺権力に弱いの。」
なんでこう俺の周りの人は個性強いんだろう。
俺なんかいなくてもいいんじゃないかって思う。
メイド「私も自分はいなくていいんじゃないかって思います。」
心を読まれた!?
・・
・・・・




