32王宮裁判
国王「判決、死刑!」
えええ!?
国王「なんでも市井の人々を惑わせていると聞く。」
双星「誤解です。なにもしていません。」
国王「大臣!」
大臣「はっ、証拠の資料がここに。」
あれは・・新聞?
国王「今日付の最新情報では、貴殿が隕石を召喚したという記載がされている。」
双星「どこをどうすれば隕石とか呼べるんですか!!!」
大臣「静粛に!厳正なる裁判ですぞ。」
そんなこと言われたってー!
床「よく考えてみろ。国の調査ではなく新聞記事を情報として持ってきたんだ。」
床「国も調査しているはずだ。ならなぜそちらを証拠としてあげない?」
床「新聞記事と国の調査で結果が違うんだ。それを指摘してやれ。」
なるほど!さすが床だ!
・・床?
双星「王様は隕石の原因がなにか調べられますか?」
国王「これ。」
双星「新聞みたいな二次以降の情報ではなく、一次情報として原因を特定できますか?」
国王「大臣、どうだ?」
大臣「隕石を意図して落とすのなら強大な魔力が必要となり、それだけの魔力であれば落下場所に魔力が残留します。」
大臣「その魔力と同じ魔力を持つ者がいれば犯人だと特定できます。それ以外であれば天災としかいえません。」
双星「今回はどうでしたか?」
大臣「魔力の残留は確認できませんでした。こちらの判断は天災です。」
双星「で、あるならば、この新聞記事は国の調査能力を超越していることになります。」
双星「果たしてそのようなことが可能でしょうか?私は記事の信ぴょう性に疑問を感じます。」
国王「ううむ・・」
双星「あと、闘技大会のマイクパフォーマンスの件で呼ばれたと聞いていましたが。」
国王「そうだな。そちらについて、なにか申し開きすることはあるか?」
双星「いえ。謹んで罰を受けます。」
国王「ふーむ、うわさとはあてにならないな。もっと狡猾で抜け目ない男だと聞いていたが、真面目で論理的、それほど問題あるようには見えん。」
ですよねー。
大臣「王様、皆そうやって騙されてきたのです。その者は恐ろしい男、早々に始末するのがこの国のためです。」
ぶーぶー、余計なこと言うなぁ。
国王「・・ヒミカ、お主はこの者とよく接していたのだろう。お主はどう思う?」
ヒミカさん援護お願いします!
ヒミカ「見た目や言動は羊のようですが、あらゆる困難を乗り越える猛虎のような男です。使うか、殺すかの二択しかないと思います。」
そうだそう・・・・あれ!?援護じゃない?
国王「放っておけば我が国の害になりかねないほどの男か・・」
王様が俺をじっと見る。
あ、男には興味ないんで。
国王「双星よ。」
双星「はい。」
国王「お主さえ良ければ我が国に仕えぬか?」
大臣「王!」
国王「ヒミカや大臣はああ言うが、我にはお主が危険だとは思えぬのだ。いや信用していないわけではないのだが・・どう見ても一般人にしか見えないのでな。」
国王「どうだ?我の目の届くところにいれば危険もなにもないだろう。」
双星「私はその、そんな有能じゃないので・・適当に門番とか、靴磨きとか、馬の飼育員とかでよければお願いしたいです。」
国王「そうだな。それなら誰も文句は言わないだろう。」
王様の印象はそう悪くなかったから安心。最初はびびったけど。
床「お、急使が来るぞ。隣国が攻めてきたみたいだ。」
床「王様に教えてやったら?」
うん。
双星「王様、隣国が攻めてきたようです。」
国王「な!?」
双星「急使がこっち向かってるみたいですよ。」
国王「なぜわかるのだ!?」
双星「床が教えてくれました。」
国王「?」
王様が床を見るが、ただの床でしかない。
その時、兵士が慌てて入って来た。
兵士「王様!隣国が侵攻してきました!兵力およそ3000です!」
国王「・・そうか、わかった・・よく報せてくれた。疲れただろう、ゆっくり休むがよい。」
兵士「はっ。」
兵士は退出した。
国王「みな聞いたであろう。ブラスト殿が亡くなったときから予想はしていたことだ・・なんとしてもこの国を、国民を守らなければならない。」
国王「敵兵が3000程度なのを見ると、様子見の可能性が高い。撃退すれば大戦の火種になりかねないが、放置するわけにもいかぬ。」
国王「対策はこれから練るとして・・なぜ双星が報告前にわかったのかだ。」
ヒミカ「王様、この程度のこと双星なら普通です。常識で考えない方がよいと思います。」
国王「・・え、そうなの?」
目をぱちくりしながらこっちを見る。
双星「ゆ・・床が教えてくれたので。」
本当にそうなんだからそう言うしかない。
国王「・・なぁ双星、お主ならこの事態どうする?」
え?そうだな・・やっぱ国民の安全を考えると撃退だろうな。
でも危険だろうなぁ。できれば戦いたくないし。
双星「は、話し合いで帰ってもらうとか。」
国王「話し合いだけで帰るなら、最初から攻めてこないだろう。出陣は金も時間もかかるのだから。」
それもそうか。
大臣「いえ素晴らしい考えです。どうでしょうか、双星殿を友好の使者として送っては。きっと敵は退却することでしょう。」
国王「それは・・双星、どうだ?」
双星「わかりました。私が行ってきましょう!」
国王「そうか?・・なら頼もうか。」
大臣が太鼓判押してくれたなら、きっとうまくいく算段があるんだよね。
・・
・・・・
さーて、早速準備して行ってくるか!
ヒミカ「双星!」
双星「あ、ヒミカさん。さっきはひどいですよ!なんか俺のこと危険人物扱いしていませんでしたか?」
ヒミカ「事実だ。私は軍人として正しい評価をしたまでだ。」
買いかぶりすぎ。
ヒミカ「それよりなにか策でもあるのか?友好の使者など首を切られに行くようなものだぞ。」
双星「え?でも大臣さんが褒めてたから、なんかいい感じになりそうなんじゃない?」
ヒミカ「あれはどう見てもお前を敵国に始末させようって話だろうが。」
双星「・・えっ!?」
それって・・かなり俺ピンチ!?
双星「えっと・・俺、どうすればいいの?」
ヒミカ「・・諦めろ。運が良ければ殺されずに済む。」
運否天賦ってこと?
双星「運が悪かったら?」
ヒミカ「・・」
なにか言ってください!!
・・
・・・・




