29事件を捜査(してない)
ヒミカさんと受付のおねーさんは帰っていった。
双星「事件の捜査って、普通はどうするの?」
素人の俺がわかるわけない。
メイド「新しいお茶です。どうぞ。」
双星「ありがとう。」
ダークエルフ「被害者の足取りを洗う。聞き込みを行う。容疑者の選定。」
双星「どれからやればいい?」
ダークエルフ「足取りかな。いつ、どこで行方不明になったか、いつまで無事だったかを調べる。」
ダークエルフ「そうすると、犯行時間と場所が絞れる。」
なるほど。
ダークエルフ「当然警察が調べていると思うけど。」
・・だよね。
双星「聞き込みは?」
ダークエルフ「信用ない人間にペラペラ話す人は少ない。」
・・まぁ、うん。
あんた誰?ってなるよなぁ。
双星「容疑者の選定って?」
ダークエルフ「犯行動機があって、アリバイがない。このふたつを満たすと容疑者候補。」
動機があって、アリバイがない人か・・ああ、確かに怪しそうだ。
そういうのって、交友関係とかトラブルとか調べないといけないよな・・
双星「なんか大変そうじゃない!?」
ダークエルフ「ええ。警察の仕事が楽だと思ってた?」
・・あ、いやそういうわけじゃ・・
推理小説とかだと、そういうの当たり前にやってるから・・
双星「・・じ、地道にやればいいのかな。」
ダークエルフ「警察が信用できないなら警察と同じことをすればいい。」
ダークエルフ「だが軍人女はそういうのを期待しているわけではないだろう。」
双星「というと?」
ダークエルフ「警察にはない交友関係やネットワークがあれば、そこから情報を取り出してほしいのだろうな。」
ダークエルフ「警察を信用しない者もいる。だがその者たちが重要な情報を持っていることもあるからね。」
なるほど。よくわかった。
そしてひとつ大きな問題がある。
・・俺、そういう交友関係とかないや。
双星「あのー、俺、大会前に来たばかりで、警察にないネットワークとか知らない・・」
ダークエルフ「そう?例えば警察を信用しないのと言えば・・貧民街の人とか。」
他の都市だとスラムで寝泊まりしたこともあるけど、ここは・・
メイド「あ、私の家。」
ダークエルフ「貧民街の出身者・・メイドなら話を聞けるでしょう?」
そっか、俺じゃなくてもいいのか。
ダークエルフ「私も、ブラスト様に仕えていた頃のつながりで、闇ギルドを知ってる。」
おおお!さすが!・・って闇ギルド!?
ぐ~。
メイド「先に腹ごしらえした方がよさそうですね。すぐ用意しますから。」
双星「あ、待って。元試合会場の豚汁食べてみたい。」
さっきは食べ損ねたから。いいにおいだったなぁ。
メイド「ならみんなで行きましょうか。」
ダークエルフ「ああ。」
今まで貧乏旅だったから、炊き出しとか結構お世話になってた。
冷えた体に温かい汁物ってすごくおいしいんだよ。
カレーのときもあったなぁ。カレーは正義。
たまにカレー嫌いの人もいたけど。その辺は人それぞれ。
・・
・・・・
というわけで再びやってきました試合会場。
炊き出しは、生活に困っている人のためのだから、欲張ってはいけない。
基本的に断られることはないけど、必要ない人は利用しないのが普通かな。
たまに変な勧誘あるけど。主催者がね、うん、やばいところの人だったりすると・・
集会やデモへの参加を頼まれたり、犯罪への勧誘もあったなぁ。
まともなところはまともなんだけどね。
ここは・・宗教関係者はいないな。
政治的な訴えとかもしてなさそうだし、うん、ただの炊き出しかな。
双星「お願いします。」
ボランティア「はいどうぞ。」
双星「ありがとうございます。」
外で食事。
行儀が悪いとか不衛生だとか言われるけど、外で食べるのは好き。
コロッケ買って歩きながら食べたり、屋台でおでんとかうどんとか食べたり。
イベントがあるとたこ焼きとかお団子の屋台とか。
双星「ふたりとも、もらってきた?」
メイド「私、炊き出しは初めてです♪」
ダークエルフ「・・」
ダークエルフさん?
ま、もらってきたみたいだし大丈夫だよね?
エルフ族とかは行儀とか気にしそうだし、もしかしたらダークエルフさんも?
ダークエルフ「・・双星、事件解決したぞ。」
双星「事件?」
え?なんで?まだなにもしてないよ?
ダークエルフ「この肉・・人肉だ。」
双星「・・」
メイド「・・」
ダークエルフさんがハシでつまんだ肉を見たけど、ぱっと見て人の肉だと俺にはわからなかった。
・・もし、みんなと来る前・・俺がお腹痛くならなかったら・・この肉を食べていた・・?
・・
・・・・




