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25再びラッキー協会2


こんこん。


双星「はーい。」

また訪問客か。朝から大変だ。


ドア「いや昼だし。」

え?寝すぎた?

がちゃ。


佐藤「失礼します。明日の試合についてお話させていただきたいのですが、今お時間よろしいでしょうか?」

双星「おや佐藤さん。大丈夫です、ささどうぞ。」

佐藤「お邪魔します。」

ダークエルフ「メイド寝てるから私がお茶淹れるね。」

双星「ありがとう。」

佐藤「よいお仲間さんですね(にっこり)」

双星「ええ、自慢の仲間です!(にっこり)」

佐藤「ふふ・・まずは決勝進出おめでとうございます。見事な勝利でした。」

・・あ、もしかしてテーブルが喋ったりしたのって、強運のおかげなのかな・・


双星「いえいえ、さすが強運です。驚くような勝ち方ばかりで凄すぎでしたよ。」

佐藤「お役に立てたのなら幸いです。それでですね、明日の決勝戦ですが・・」

双星「確か棄権してほしいという話でしたよね?」

この国の王様が、優勝賞金100億を出したくないと考えた。

そこでラッキー協会に依頼して、強運のついた人を2人用意。

この2人が決勝戦まで行って棄権すれば優勝者なし。国は100億の出費を免れるというもの。

ただ、間違えて強運をつける対象のひとりを俺にしてしまった。

予定と違う人が勝ち残ってしまったので、急きょ俺にコンタクトを取った・・っていうのが王女様と戦った後(五回戦終了後)の出来事だったっけ?


佐藤「双星さんにとっては100億を得られるチャンス。こちらとしては無理を言っているのは重々承知しております。」

佐藤「しかしそこをなんとかできないかお願いに参った次第であります。」

双星「以前来てくださったときも言いましたが、明日の決勝は棄権しますのでご安心ください。」

佐藤「おお!ありがとうございます!ありがとうございます!」

ああ、普通の人だ。さっきの横暴なのとは全然違う。


双星「手違いだったってことですし、こちらとしてもここまでの賞金やらなんやらで助かりましたし。もう十分ですよ。」

佐藤「本当にありがとうございます。また決勝の後でお礼に伺います!」

双星「お構いなく。誰にだって間違いはありますよ。あとは間違いを認め、許し合うことが大切かと。」

佐藤「そう言っていただけると助かります。いえ協会内で結構怒られまして・・無関係な一般人を巻き込むとは何事だ!・・って。」

双星「いやーおいしい思いしかしてないので、むしろラッキーでしたよ。」

佐藤「それならよかった。ああ、でもなにか問題とかありましたら次来たときにお伝えください。こちらとしても全力でお助けしますので。」

問題・・あったっけ?

佐藤さんは穏やかな人でよかった。

話もスムーズに進んだし、強運の原因もわかったし、これで解決!

なにせもう試合しなくていい!いやー気が楽だ。

和やかにお話は終わり、佐藤さんは帰っていった。


双星「いい会談だった。」

ダークエルフ「そう?」

双星「なにかあるの?」

ダークエルフ「あなたが言った通り。運を操作できるなら、自分たちを強運にするって。」

双星「うん。」

ダークエルフ「じゃあ、強運を与える相手を間違えるなんて運の悪いことが起こる?」

・・そういえば、なんか変だな。


双星「じゃあ佐藤さんも偽物!?もしかしたらラッキー協会自体存在しない可能性もある?」

だとしたら俺の強運がまた説明つかなくなるけど。


ダークエルフ「それが、ブラスト様にお仕えしていた頃に聞いたことある・・ラッキー協会のこと。」

双星「えええ?」

ダークエルフ「強運を授ける組織として、確かに存在している。だけど詳細は謎。謎。謎。ブラスト様も実態はつかめずにいた。」

双星「強運だから誰も調べられないとか?」

ダークエルフ「・・もしかしたら、強運のある今のあなたなら調べることができるかも・・どうする?」

双星「もちろん調べない。そんな危険なこと嫌です。」

ダークエルフ「そう、了解。」

双星「あ、軽蔑した?」

ダークエルフ「いや。勇気と無謀は違う。」

ラッキー協会に手を出すのは無謀か。


ヒミカ「ラッキー協会か。そんな組織があったとはな。」

双星「起きたんですか?」

ヒミカ「最初の男からずっと寝たふりしていた。しかし強運を授けるなどおかしな話だ。」

双星「そうですか?」

ヒミカ「他人に使う必要性がない。自分が使えばよいだろう。金も、名誉も、思いのままだ。」

双星「他人に感謝されたかったとか?」

ヒミカ「強運があれば感謝もされるだろう。だが他人に強運を授ければ強運の持ち主が増え、ライバルになりかねない。」

ヒミカ「他人に強運を授けるメリットはなんだ?」

双星「うーん?」

そういや変な話ばかりだ。


ダークエルフ「逆の可能性もある。強運にはデメリットがあって、だから他人に強運を授けおいしいところだけ搾取する。」

双星「え、デメリット?」

ダークエルフ「例えば強運とは将来の運まで使うとか。なら効果が切れたらずっと不幸になる。」

ヒミカ「ふむ。それなら他人を利用する必要性が出てくる。そんな恐ろしいもの自分には使わぬな。」

ダークエルフ「だとしたら選ばれたのは偶然ではなく狙って付与された可能性もある。」

偶然・・間違えて強運にしたわけじゃないってこと?


ヒミカ「なるほど、強運のデメリットが明るみになれば誰もこんな話には乗らなくなる。だから口の堅い真面目の人物が選ばれた・・と。」

ダークエルフ「その方が搾取も楽だろうし。」

双星「あのー、俺不運で死ぬ?」

ダークエルフ「これらは予想でしかない。実際どうなのかは・・やはり結果を見なければわからん。」

ヒミカ「うむ。もっと他に狙いがある可能性も捨てきれぬからな。それに・・強運を授けること自体まともではない、ということだ。」

ヒミカ「信用できん。強運を授けるなど常識的にありえない。」

神様の手のひらの上・・そんな気がしてきた。

人間には高度すぎる力だよ。

そんな中、すやすやとメイドさんは平和そうに寝ていた。


・・

・・・・


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