221星恋ちゃん登場
佐藤「双星さん、時間がありません。手短に説明します。」
双星「あ、はい。」
佐藤「異世界・・神様の領域外から敵が来ました。」
佐藤「敵の先制で地上の天使たちは動きを封じられています。」
敵?
佐藤「神様の領域外から敵が来たら、まずは精霊が対処します。」
佐藤「精霊が対処できない相手なら、天使が動きます。」
佐藤「大抵はそれで解決します・・が、稀に危険なスキルを持つ敵がいます。」
佐藤「人はランク1、亜人はランク2、ドラゴンはランク3、精霊はランク4・・」
佐藤「そして天使、あと超神さんや悪魔王さんもですが、ランク5にカテゴリされています。」
佐藤「まぁランクは強さだと思ってください。厳密には違いますが。」
佐藤「さて・・敵がランク5でありながら、ランク5キラーのスキルを持つ場合、とても危険な相手となります。」
双星「天敵ということ?」
佐藤「はい。太古からこのスキルを持つ敵を天使はこう呼んでいます。」
佐藤「【天使殺し】と・・」
双星「・・やばい状況ってこと・・ですよね・・?」
佐藤「はい。ですが既に天界の天使たちが動き出しました。」
佐藤「敵は陣を張り天使を待ち受けています。今、攻め込めば天使の被害は大きくなるでしょう。」
佐藤「その陣地とは・・双星さんの過去です。」
え?
佐藤「敵は双星さんの過去を変え、そこを己の陣地としたようです。」
双星「それで・・みんな俺のこと忘れたりしたの・・?」
佐藤「はい。」
双星「なんで俺なの?」
佐藤「さぁ。それは敵に聞いてください。」
・・まぁそうだよね。佐藤さんが知るわけない。
佐藤「さて、ここからが私たちの出番です。」
佐藤「双星さんの過去を取り戻します。私たちも世界に合わせた年齢になっているでしょう?」
俺は自分の体を見てみた・・・・子供に戻っている!
佐藤「初等部です。この辺りから双星さんの過去は奪われていたようですね。」
佐藤「これを私たちが奪い返します。」
・・正直、昔のことは考えたくない。
双星「あんまり気が乗らないんですが・・」
佐藤「やめても構いませんよ。そしたら天界の天使たちが動きだすだけですから。」
双星「俺の過去はどうなります?」
佐藤「敵を倒せば元通りです。」
なら俺が無理にやる必要なんてないよね?
双星「・・じゃあ俺たちが過去を奪い返す意味って・・?」
佐藤「敵の陣地を奪い返すことになりますので、天使の危険が減りますね。それだけです。」
あ、相手は・・天使でも危険なんだから、人間なんかがどうやったって・・無駄だよね?
だけど・・なにもしないなんて・・
双星「・・できるんですか?俺たちで奪われた過去を取り戻すなんて・・」
佐藤「未来がわかればいいですよね。ですが、今日の夜お布団で寝ているかすら保障されていないのが世の中です。」
佐藤「どうします?やりますか?やりませんか?」
やりたくない。やりたくないけど・・逃げたくない!
勇気をふり絞れ!この30年間なにして来たんだ!?
双星「・・無理だと思うまでやってみます。」
俺は30年で、曖昧を学習していた・・はて、無駄な30年だったかな?
?「言質はとった~。もう後には引けないお♪」
なんか、にこにこした女の子が出てきた。
佐藤「星恋さん、呼ぶまで待っててくださいよ。」
星恋「あ、初めまして。美少女です。」
俺は気付いた。この子・・人の話を聞かないタイプだな。
佐藤「風の精霊である星恋さんです。この方が私たちをサポートしてくれます。」
星恋「美少女精霊の星恋です。名前は忘れても、美少女だということは忘れないでください。」
星恋「え?見ればわかるって?やーんてれてれ。」
何も言ってない!
なんというか、受付のおねーさんと似ているけど違うベクトルでやばい人・・あ、精霊か。
双星「えーと、双星です。サポートしていただけるということですが・・」
星恋「もっちろーん。はい、佐藤ちゃんは魔剣をどうぞ。」
佐藤「ありがとうございます。子供の姿でも使えるくらい軽いですね。」
佐藤さんが魔剣を持つと、その周囲にオーラが発生した。
身体能力が上昇する珍しいタイプの魔剣だ。
星恋「佐藤ちゃんに合わせた調整じゃないから、強すぎたらごめんね♪」
佐藤「加減して使いますよ。」
・・強すぎる分には構わないんじゃ・・?
星恋「双星ちゃんはこれ!ヘルメットをどうぞ。」
おお!これもすごい力を持っているはず!
俺はヘルメットをかぶった。
・・ヘルメットを脱いだ。
双星「普通のヘルメットやんけーーー!!!」
星恋「素人にはそう見えるよね。」
双星「え、じゃあ俺にはわからないだけで、実はすごいヘルメット・・?」
星恋「ううん、普通のヘルメット。」
双星「なんなんじゃーーー!!!」
星恋「電子ジャー!!!」
佐藤「・・遊んでいる暇はないんですよ?」
遊んでいるつもりじゃないんですけど・・
星恋「もうひとつあるの。手を出して。」
双星「は、はい。」
ヘルメットと組み合わせると本来の力を発揮する的なのとか?
・・どうしよう、つるはししか頭に浮かばないや。
星恋「ツルハシじゃないよ。」
心を読まれた?
星恋「はい完了。双星ちゃん、目を閉じて。」
俺は目を閉じた。
星恋「さっきのヘルメットに意識を集中して。なにか見える?」
双星「うっすらと、青く弱い炎が揺らめいているような・・」
星恋「その炎は力の強さを表しているの。強い力ほど炎も力強く見えるよ。」
星恋「さぁヘルメットの力を解放して。その力は、【創造の力】・・」
双星「そ、創造の力よ。」
すると、ヘルメットが姿を変えていく・・ヘルメットは、女の子の姿になった。
星恋「ふふふ、これが創造の力!」
双星「・・物を人に変えてくれるんですか?」
星恋「うん、これでいくらでも戦力補充できるのだ~。
星恋「すごいでしょ。星恋ちゃんを褒めたたえてもいいよ。」
これはすごい!彼女作り放題だ!
星恋「キャー双星ちゃん変態だぁ♪」
双星「・・なぜ楽しそうなんですか?というか、そういう使い方は禁止ですよね。」
星恋「え、なんで?女の子はべらせれば楽しいよ。」
双星「いえですから、欲望のまま行動するのはよくないんじゃないですか?」
星恋「生きたいと思うのも欲だよ。何が良くて何が悪いか・・星恋ちゃんが決めていいの?」
星恋「星恋ちゃんが死ねと言ったら死んでくれるの?」
双星「いや・・死にたくはないです。」
星恋「なら使い方はそっちで決めて。それとも人間は自分で決められない自立できない子供なの?」
・・俺は何も言えなかった。
忘れてしまいそうだけど、精霊様なんだよな。
佐藤「準備はいいですか?天界の天使様たちが待っていますよ。」
双星「はい。この力があれば戦え・・あれ?俺が強くなるわけじゃない!?」
星恋「あ、アニメの時間だ!ごめーん星恋ちゃん帰るね。」
星恋さんは消えた。
・・思い出した。B国でオリジナルのイプシロン探しに行った時に、ダークエルフさんが言ってたっけ。
自分勝手で、精霊のルールを破り、人間を使って色々実験する型破りな精霊だって・・・・
いやまぁあの時は助かりましたが。
佐藤「深く考えても仕方ないですよ。人間以外を人間と同じように見てはいけません。」
双星「・・精霊様って、みんなあんな感じなんですか?」
佐藤「まさか。大抵の精霊様は、星恋さんに輪をかけて自分勝手ですよ。」
佐藤「少なくとも、格下の人間に気を遣う精霊様なんて極めて珍しいです。」
星恋さんは、俺たちに気を遣っていた・・?
ん!?この感じは・・
双星「すごく強い力を感じる!これなら創造の力で強力な仲間になってもらえる!」
強大な力の発信元は・・・・佐藤さん!?・・が持っていた魔剣だった。
・・うん、まぁ、そりゃあね・・当たり前かな。
・・
・・・・




