215決勝前
次の日。
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日程
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× × × × × ×
× × × × × ×
× × × 休 8
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今日は中休み
明日は八回戦(決勝)
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まだるーしーさんは戻って来ていない。
もし、るーしーさんと闘うにしても、普通の訓練じゃどうにもならないよな・・
俺は、受付のおねーさんのところへ向かった。
・・が、受付のおねーさんはいなかった。
超神さんも悪魔王さんも、どこにいるかわからない。
明日の試合・・どうなるんだろう?
太陽だけはいつも同じ姿を見せていた。
・・
・・・・
武闘大会最後の日。
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日程
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× × × × × ×
× × × × × ×
× × × × 8
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今日は八回戦(決勝)
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メイド「今日勝てば優勝ですね!」
双星「そうだね。ただ・・るーしーさんには勝てないでしょ?」
メイド「闘う前に諦めてはいけません!」
うっ、その通りだ。
昨日のリカルドさんは立派だったじゃないか!
俺が諦めたら幸運だって逃げ出してしまう!
ダークエルフ「もしかして、自分だけ護衛がつかなかったから拗ねてる?」
え?護衛?
そういえば・・前回大会はベスト4になったら護衛がついたっけ。
双星「ど、どうして・・?」
ダークエルフ「双星より強い人がいないから、だって。」
双星「ヒミカさんでいいのでは!?」
ダークエルフ「一回戦で倒したでしょ?」
双星「じゃあ土門将軍は?」
ダークエルフ「前回大会で倒したでしょ?」
あれはハチさんの功績だと思う。
ダークエルフ「それに双星には信者がいるからね。よっぽどのことじゃない限り、護衛いらずよ。」
それもどうなんだろう?俺のプライバシーは?
双星「まぁ、国もお金を節約したいだろうからいっか。」
ダークエルフ「それで納得しちゃうのも不思議よねぇ・・」
メイド「権利なんですから主張したってよいはずですよ。」
それだけ俺のことわかっててくれているんだよ。
よーし、試合がんばろう!勝てるかはともかくとして!
・・
・・・・
受付「ふふふ、じゃーん♪」
受付のおねーさんは、”優勝者を当てよう券”を俺に見せた。
受付「どうですこれ。七回戦まで的中しているんですよ!」
双星「あとは八回戦が当たれば億ですか。」
受付「はい♪というわけで、今日は対戦相手の【棄権】で勝ってください。」
俺がどうこうできる話じゃないな。
双星「さすがに無理ですよ。棄権は相手都合ですから。」
受付「うへへ、相手は子供ですから。お菓子のひとつでもあげて試合に出ないよう説得すればいいんですよ。」
双星「完全にルール違反!というかるーしーさん舐められすぎ!」
受付「おっく、おっく♪億のお金が入ったらどうしよっかなー♪」
捕らぬ狸の皮算用を始めたので、俺は控室へ行くことにした。
試合が始まるまで心を落ち着けよう。
がちゃ。
双星「・・」
控室の中では、巴さんがヒミカさんに迫っていた。
双星「失礼しました。」
ヒミカ「誤解するな!というか出ていくな!」
巴「あ、双星さんいいところに!ヒミカ先輩を抑えつけてください。」
双星「・・たぶん力負けするから無理です。」
まぁ、これはやる前から諦めてもいいよね。悪いことだもん。
巴「双星さん、ヒミカ先輩ってばひどいんですよ!」
双星「どうしたんですか?」
巴「今日の試合、双星さんが勝つって言ってるんです!」
んーと。
双星「それはヒミカさんが悪いですよ。」
ヒミカ「お前の試合だろうが!」
そうですけど。
双星「いや常識で考えてくださいよ。マラクさんを倒した相手にどうやって勝てと?」
ヒミカ「お前に常識などない。」
ひどい。
巴「なら双星さんが負けたら、ヒミカ先輩は私と結婚してください!」
ヒミカ「構わんぞ。」
双星「えええええ!?」
巴「もし双星さんが勝ったら、私はヒミカ先輩の奴隷になります!」
どっちに転んでも巴さんが喜ぶだけでは?
ヒミカ「必要ない。どうせ双星にとって都合のいい結果になるのだ。賭けにすらならん。」
双星「どこをどうすれば俺にとって都合のいい結果になると?」
ヒミカ「無難なところでは、対戦相手が棄権したり失格だろうな。」
巴「それずるいですよ!正々堂々勝負してください!」
双星「そう言われても、棄権や失格は俺の介入する余地ないですけど・・」
巴「なら、るーしーさんが棄権や失格して双星さんが勝ったら、ヒミカ先輩は私と結婚してください!」
ヒミカ「それはちょっとな・・」
巴さんかなり強引な。
双星「巴さんどうしちゃったんですか?そんな無理やり結婚してもヒミカさん喜びませんよ。」
巴「だってヒミカ先輩ってば双星さんの話ばかりするんですよ!おかしくないですか?」
ヒミカ「双星が決勝戦まで残ったのだ。そうなるのが自然だ。」
巴「いいえ、ずーっと双星さんのことばかりじゃないですか。私だけを見てほしいです!」
巴「あんな運ばかりの人のどこがいいんですか?」
ヒミカ「双星の功績でも調べて来い。」
巴「じゃあ私が魔王を倒したり、武闘大会で優勝したり、他国の問題解決しまくれば私だけを見てくれますか?」
ヒミカ「全然違う。双星は・・どれだけ功績をあげても他人に何かを要求したりはしない。」
ヒミカ「だが双星も人間だ。困難を乗り越えるたびに苦しい思いもしてきたはずだ。」
ヒミカ「はっきり言って双星は功績に見合う評価を受けていない。それでは双星の心がいつか壊れてしまう。」
ヒミカ「せめて周りの人間がわかってやらなければならないのだ。」
ヒミカさんには色々気を遣わせちゃってるなぁ。
とりあえず俺は、その結果が拷問なの?という言葉を飲み込んだ。
こんこん。
受付「双星さーん、私に億のお金をプレゼントする時間ですよー。」
双星「あ、はい。すぐ行きます。」
ヒミカ「また変な約束をしたのか?」
双星「違いますよ。ええと、”優勝者を当てよう券”です。」
巴「優勝者がどうやって勝つかを当てるやつですね。全部当たると1億でしたっけ。」
双星「はい。俺に賭けてて七回戦まで的中させているそうです。しかも10口買っているらしくて。」
巴「当たったらすごいですね!決勝の予想は?」
双星「俺の棄権勝ちだそうです。」
ヒミカ「なるほど。」
巴「・・私も買えばよかったかなぁ・・10億あったらヒミカ先輩私を見てくれますか?」
ヒミカ「なら双星が優勝して賞金100億手にしたら、双星を見ないといけないのか?」
巴「人間はお金じゃないです!」
なんという光速ブーメラン。速すぎて誰もキャッチできなさそう。
双星「じゃあ行ってきます。」
ヒミカ「どんな決勝戦になるか、楽しみにしているぞ。」
まぁ、がんばります。
巴「応援はしますからね。がんばってください。」
ありがとうございます。
俺は控室を出た。
受付「控室で休めましたか?」
双星「あああ、ずっと立ってた!」
受付「闘い以前にセルフコントロールを覚えた方がいいですね。」
ですね。
歩きながら受付のおねーさんと話す。
受付「・・今日の試合はどうなるかわかりません。覚悟はしてきましたか?」
双星「まぁ一応。」
俺は苦笑いをした。
受付「死ぬことだけはありません。あれは・・人間、というより、神様によって作られた存在すべてが大好きなんですよ。」
受付「あ、精霊と天使を除いてですが。神様への貢献が足りないそうです。」
よくわからないですが、命だけは助かるならよかった。
受付「もし優勝したら・・なにか望みはありますか?」
双星「そうですね・・じゃあ、俺なんかでも神様に貢献できるなら、何かやってみたいですね。」
受付「ふふ、人間如きがおこがましいですね。」
え?
どういうことか聞きたかったけど、試合の舞台まで来てしまった。
受付のおねーさんは、廊下から手を振っている。
・・
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