213幸運終了のお報せ
次の日。
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日程
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× × × × × ×
× × × × × ×
× 休 7 休 8
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今日は中休み
明日は七回戦(準決勝)
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ダークエルフ「双星、今日お客を招いていい?」
双星「うん、構わないよ。」
双星「俺はしばらく外に出てるから。」
ダークエルフ「ううん、双星に用なの。」
俺?
双星「そうなんだ・・了解。いつでも構わないから。」
ダークエルフ「そう思って、宿の食事処にいるわ。」
俺たちは、宿の食事処へ移動する。
すると、そこはいつもとは違う雰囲気だった。
男性陣は、ある女性をチラチラ見ている。
その女性は、るーしーさんを見ている。
るーしーさんは、食事をしている。
他の女性?呆れている。
ダークエルフ「双星はいつでもいいそうだ。どうする?」
問われた女性・・盗賊ギルドの長である”女王”は口を開いた。
女王「ならここで。どうぞお座りください。」
女王が席を立ち、俺のために椅子を引いてくれた。
双星「あ、ありがとうございます。」
俺は微妙にぎぐしゃくしながら座った。
女王「そう緊張なさらないでください。」
女王「今日の要件は・・るーしーさんについてです。」
俺は自然と食事中のるーしーさんを見た。
・・特に気にしている様子はない。
女王「双星様はるーしーさんのことをどれだけご存知でしょうか?」
と、言われても、すごい存在としか。
双星「ドラゴンのマラクさんより強いんだから、すごい存在としか。」
あとはさっぱり。
女王「・・そうですか。双星様なら何かご存知かと思ったのですが・・」
双星「すみません。」
女王「いえ・・盗賊ギルドは双星様に協力いたしますわ。」
女王「何かあればいつでも訪ねてください。」
双星「は、はい、ありがとうございます。」
女王は帰っていった。
双星「・・なんだったんだろう?」
ダークエルフ「女王は六回戦でるーしー殿に敗れたから。思うところがあるのね。」
なるほど・・とは言われてもねぇ・・
双星「るーしーさん、俺どうすればいいと思う?」
るーしー「明日の試合」
まずは明日の試合か・・
双星「よーし、ダークエルフさん、特訓お願いします。」
ダークエルフ「ええ。」
闘うかはわからないけどね!
・・
・・・・
次の日。
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日程
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× × × × × ×
× × × × × ×
× × 7 休 8
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今日は七回戦(準決勝)
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双星「今日こそは闘いたい・・でも今さら闘っても勝てる気がしないような・・」
バトル漫画とかってさぁ、普通弱いやつから順番に倒して成長していかない?
現実はそう都合よくいかないのは知っているけど・・
ダークエルフ「闘いたいの?」
双星「せっかくダークエルフさんが訓練してくれたのに、まったく役立てていないから・・」
双星「まぁ俺自身が弱いから、闘ってもどうにもならないんだけどね。」
ダークエルフ「だったら・・今日の相手は練習台としてふさわしいかも。」
え?
対戦相手って、リカルドさんだよね?むっちゃ強いような。
メイド「まだ一昨日の試合で受けた大怪我が治っていないそうですよ。」
双星「そうなんだ。それはちょっと申し訳ない気が・・」
ダークエルフ「そういうルールだから気にしなくていいわ。」
ダークエルフ「でも・・まるで、手負いの獣を狩りの練習台にするみたい・・」
そんなまさか。
怪我がひどいなら棄権するかもしれないし。
・・
・・・・
試合会場へ向かう。
いつもの受付のおねーさんを見るために。
試合?どうせまた何もしないで終わるんでしょ。
幸運「うーうー幸運警報発令。」
幸運「本日の幸運は終了しました。明日の営業までお待ちください。」
え!?
アスタ「双星様♪おはようございます。」
双星「あれ?王女様?おはようございます。」
なぜかアスタ王女が試合会場にいた。
アスタ「いつもの方は休暇です。」
双星「そうなんだ。」
アスタ「今日は私が実況をさせていただくことになりました。」
アスタ「光栄なことですが・・いつもすぐ終わってしまいますのでちょっと残念です。」
試合っていうか、大会としてあまりよくないことだよな。
観客のみんなを楽しませないと。
・・俺は控室に入った。
巴「双星さん!助けてください!」
双星「ど、どうしたんですか?」
巴「そこの窓から怪しい人が覗いていたんです!」
た、大変だ!
宇宙人「窓を調べたら、キミが突き落とされるよ。」
え?
突き落とすって、ここ1階なんだけど・・
巴「どうしたんですか?早く怪しい人がいないか窓を調べてください!」
双星「窓を調べたら、俺を・・突き落とすんですか?」
巴「・・どうしてわかったんですか?」
!?
むしろ俺が知りたいよ!
巴「双星さんって全然ダメそうなのに、変なところで鋭いですよね。なんでですか?」
双星「なんか声が聞こえて、全部教えてくれるんです。」
巴「1回戦だけ・・ヒミカ先輩の時だけあんなに本気で闘っちゃって、それ以外は雑すぎるとか、おかしくありません?」
双星「ヒミカさん相手に雑とか無理でしょ!?」
巴「それもそうですね・・ねぇ、双星さんって何者なんですか?絶対おかしいですよ。」
双星「俺は・・普通の人・・だよ。」
むしろ、普通よりだめな方。
がちゃ。
ヒミカ「双星来てたのか・・何かあったのか?」
巴「双星さんがむかつくので〇〇〇切ろうと思ったんです。」
いやー、一生童貞が確定しちゃう!
双星「ひ、ヒミカさんはどこ行ってたんですか!?」
ヒミカ「休暇もらったからと、ここの酒を飲もうとしたバカがいたからつまみだしてきた。」
うーん、誰だろう(すっとぼけ)
バーン!
ドアが勢いよく開いて受付のおねーさん(着物姿)が入ってきた。
受付「双星さん大変です!」
双星「え、どうしたんですか?」
受付「急病人です!アルコール消毒が必要なのでお酒をください!」
双星「それは大変だ!とりあえず1本あればいいですよね?」
受付「5本くらい欲しいですね。あ、届け先は私の自宅へお願いします。」
・・おや、何かがおかしい。
ヒミカ「おーまーえーはー。」
受付「だってーくすんくすん。ここにはお酒がいっぱいあるのに、飲みたい人が飲めないなんておかしくないですか!?」
受付「お金持ちしか飲んじゃいけないんですか?特権を持った人しか許されないんですか?」
受付「人は皆平等でしょう!?私だって飲みたい!」
俺は部屋の中を見回した。
高いお酒がたくさんある。
もしこれら全部買うお金があれば、それだけで救われる人もいるのではないだろうか?
正しいお金の使い方って、なんなんだろう?
ヒミカ「文句があるなら、100万分の1の確率を引いた双星に言え。」
ふぁ!?確率おかしくない?
最初の抽選で大吉当てる確率ですよね?え、そんな低確率なの?
ヒミカ「権利を明確にしなければ、他者の物を奪う輩ばかりになってしまう。」
ヒミカ「権利として認められたものは、その人のものとして扱わなければ秩序が乱れてしまうのだ。」
受付「つまり、ここにあるものは双星さんのものであって、私のものじゃないと?」
ヒミカ「言っとくが、双星に与えられたのはここで飲む権利であって、お前に譲渡する権利はないぞ。」
受付「読まれてた!」
俺もわかったよそれ。
受付「・・双星さん、おいしいお酒の飲み方って知っていますか?」
双星「知りません。」
受付「実はですね・・女の子から口移しで飲ませてもらうと、すごくおいしいんですよ。」
そ、それは・・・・すっごくおいしそう!
受付「さ、座ってください。たくさん飲ませてあげますから・・あれ?もう座っている?」
べ、別に期待しているわけじゃないし、口移しと見せかけて受付のおねーさんが自分で飲むんだってことはわかっている。
でも、一縷の望みをかけたっていいじゃないか!
人類は皆平等なんだから、俺だって幸せになりたい!
ヒミカ「・・」
受付のおねーさんは、ヒミカさんにつまみ出された。
あと俺もつまみ出された。
アスタ「そろそろ試合のお時間ですが・・どうされましたか?」
双星「・・何が許されることで、何が許されないのか・・それを知りたいです。」
アスタ「双星様のすることはすべて正しいのです。」
その理論だと、俺が自分のすることを否定したら矛盾することになる。
受付「私に貢ぐ!それが正義です!」
なら俺は悪でいいや・・しかし・・
受付のおねーさんも着物姿とは・・実にいい!
これこそ正義ではないだろうか?
アスタ「正義とは実に簡単で誰でもできます。」
アスタ「かわいそうな人を助けろ、みんなの幸せを祈ろう、差別はやめよう。」
アスタ「自分は声を出すだけで、すぐ正義の人です。」
アスタ「悪を貫くのは本当に難しいです。」
アスタ「悪事がバレれば正義の人から猛批判を浴びます。」
アスタ「嬉々として石を投げられたり、嫌がらせをされます。」
アスタ「だから殆どの悪人は正義の人に偽装しています。」
アスタ「真の悪にはなれない卑怯者の悪です。」
アスタ「あまりの醜さに、殺したくなりますね。」
テロ時代のアスタ王女に戻っちゃだめー!
双星「えーっと、試合の時間なので行ってきまーす。」
受付「行ってきまーす。」
・・ん?
双星「受付のおねーさんは試合しないでしょ?」
受付「今日は、自分の力で闘ってくださいね。」
えっと・・それって・・
受付「がんばってくださいねー。勝ったらお酒でお祝いしましょう。」
双星「・・はい。」
俺は、試合の舞台へ足を踏み入れた。
自分の力・・か。
・・
・・・・




