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211失われた昨日


―――――――――――――――

日程

―――――――――――――――

× × × × × ×

× × × × × ×

6 休 7 休 8

―――――――――――――――

今日は六回戦

―――――――――――――――


五回戦まで終わったから、ベスト8か。

六回戦勝利でベスト4、七回戦(準決勝)勝利でベスト2、八回戦(決勝)勝利で1番。


前回大会はもうちょっとがんばったはずなんだけどなぁ。

今大会は、一回もまともに闘っていない。

別に闘いが好きなわけじゃない。みんなが誠実に闘っている中、俺だけズルしているんじゃないかって気がするだけ。


朝食をいただきながら、六回戦は無理にでも闘った方がいいかなと思案する。


双星「六回戦の相手って誰だっけ?」

ダークエルフ「・・そういえば、わからないわ。」

メイド「私もです。双星様の対戦相手は毎回チェックしているはずなのですが・・」

双星「まぁいいや。どんな相手でも、全力で闘って来るよ。」

ダークエルフ「ここまで勝ち残ってきた強敵だと思うわ。気を付けてね。」

メイド「応援に行きます!」

ありがとう。

今日こそ俺のいいところを見せたいな!

・・あれ?なにか違和感がある。


部屋を出て宿の食事処へ行くと、るーしーさんが色んな人に話しかけられていた。


記者「今日の試合の意気込みをお願いします!」

るーしー「もぐもぐもぐ」

歩美「対戦相手は盗賊ギルドの長である”女王”ですが、自信のほどは?」

るーしー「もぐもぐもぐもぐ」

おいしそうに食べるよなぁ。

ところで・・


双星「今年は俺の取材しないの?」

記者「双星の?なんで?」

なんでと言われたよ。

おかしいなぁ。優勝賞金100億の大会でベスト8に残ったのってしょぼいの?


歩美「今年は絶対るーしー選手の優勝ですから!」

歩美さんも久しぶりだね。

以前一度取材受けたっけ。


モルダー「まーしゃあねえよ。美少女とおっさん、どっちを記事にしたい?」

双星「美少女」

モルダー「だろ?」

俺は納得してしまった。

納得しちゃったんだから文句は言えないな。


くい、くい。

いつの間にか、るーしーさんが食べるのをやめて俺の服を引っ張っている。


双星「なに?」

るーしー「昨日」

それだけ言うと、るーしーさんは食事に戻った。

昨日?


昨日は五回戦を・・いや違う!

中一日空けて次の試合だから、今日試合日なら昨日試合しているはずがない。

あれ・・昨日なにしたっけ・・?


双星「モルダーさん、昨日なにしましたか?」

モルダー「昨日?さあ・・いつも飲んでるからなあ。昨日も飲んだんじゃね?」

双星「お金大丈夫なんですか?」

モルダー「まあ、高く売れるし。」

双星「何が?」

モルダー「もごもご、まあ双星の・・ん、まあ色々なあ。」

双星「あの!?」

俺の何!?


信者「ファンがいますからねえ。あとメイドさんの料理レシピとか知りたいって人おおいですよ。」

ファンって・・あなたとは別にですか?

メイドさんの料理レシピも人気なのか。

まぁ、メイドさん自身じゃないならいいのかな?


双星「ちなみにダークエルフさんは?」

信者「ファンはいますが直接見たいって方ばかりなので・・扇情的な格好をした場合くらいですね欲しがる情報は。」

信者「この間の着物姿はファンが狂喜乱舞して小説を書き始めるくらい・・あ、なんでもないです。」

やっぱりダークエルフさんはそっち系か。

まぁ俺から見ても魅力的だもんな。


双星「・・信者さんは、昨日なにしていましたか?」

信者「それが、覚えていないんですよね。どうしてでしょう・・?」

昨日なにがあったんだ?

俺は疑問を抱えながら試合会場へ向かった。


・・

・・・・


受付「あ・・そ、双星さん・・・・」

なんか受付のおねーさんの様子がおかしい。

ある意味いつも通りとも言う。


双星「どうしたんですか?しおらしいというか・・」

なんかこう、手を出したくなるというか・・あーいえごめんなさい。


受付「どうしたって・・昨日のこと覚えていないんですか・・?」

双星「な、なにを・・?」

受付「私を無理やり安宿に連れ込み、暴虐の限りを尽くしたのを!」

双星「え?い、いや、さすがにそれは・・」

受付「違うと言うのなら、私が納得する釈明をしてください!」

双星「・・学校で習っていないから・・女の子を安宿へ連れ込むやり方も、暴虐のやり方もわかりません・・」

受付「なんかごめんね。」

みんなどこで犯罪のやり方を習うんだろう?


双星「というか、昨日のこと全然覚えていないんです!」

受付「ふーん。」

双星「ふーんって!」

受付「私は別に覚えていますから、何も問題ありません。」

受付「双星さんは、なにか問題あったんですか?」

双星「そりゃ・・・・あれ?」

受付「そんなに価値のある人生を送っていたんですか?」

いいえ・・


双星「特に問題はありませんでした。」

受付「そんなことより試合に集中しましょう。」

はい!

俺は控室に入る。

・・価値のある人生・・か。


巴「双星さん!助けてください!」

双星「ど、どうしたんですか?」

巴「そこの窓から怪しい人が覗いていたんです!」

た、大変だ!

俺は窓を開け怪しい人がいないか調べる。

・・特に怪しい人はいないっぽい。


ん?

巴さんが俺の背中を押さえつけた。


巴「どうしてみんな双星さんを評価しているんでしょうね。」

双星「えーと?」

巴「私が押せば双星さんは窓から落ちます。ここが上層階なら大変なことになりますよ?」

双星「いやーでも、ここは1階だから・・うわっ!?」

本当に窓から外に放り出された。

顔から地面に落ちて・・痛い。


巴「弱すぎませんか?どうして双星さんみたいな人にヒミカ先輩はなびいているんでしょうね。」

双星「な、なびいてなんかないですよ?」

巴「それは双星さんが命令しないからですよ。」

巴「今ではインスさんより双星さんの方が信頼されているくらいです。」

・・よく大事なことを言わずに怒られたり、このあいだ拷問されたのは信頼されていないからだと思うけど・・

がちゃ。


ヒミカ「おや、双星もう来ていたのか・・ってどういう状況だ?」

巴「双星さんにイラっとして窓から突き落としました。」

ヒミカ「ああ、そういうことか。」

双星「問題じゃないんですか!?」

ヒミカ「懐かしい話だ。私も双星が土門将軍に勝ったことが信じられず、ボコボコにした。」

ヒミカ「耐性がついていないのに双星と会いすぎたのだろう。すぐ慣れる。」

俺はウィルスかな?


巴「一生わかりません。」

ヒミカ「すぐわかる。どうせ最後は双星にとって都合のいい結果になるからな。」

双星「いや今回ばかりは違うんですよ。」

ヒミカ「ほぉ、説明してみろ。」

双星「俺に幸運を与えた方と、超神さん、悪魔王さん、るーしーさんは同クラスの存在なんです。」

双星「この方たちの思惑が交錯して、最後どうなるかはもはや神にしかわからない状態だそうです。」

ヒミカ「そうか、まぁ試合がんばって来い。」

完全に信じていない!

やっぱ巴さんの認識はおかしい。俺は信頼されていないよ。

こんこん。


受付「そーうせーいさーん。試合の時間ですよー。」

ヒミカ「ほら行ってこい。」

双星「もー本当なのにー。」

巴「・・」

俺は控室を出て試合会場へ向かう。


双星「そういえば・・対戦相手がわからないままだった。」

受付「ああ、さんですよ。」

ん?


双星「”ああ、”さんですか?」

受付「いえ、さんです。」

???

なんて?


・・

・・・・


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