209五回戦
次の日。
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日程
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× × × × × ×
× × × × 5 休
6 休 7 休 8
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今日は五回戦
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双星「おはようございます受付のおねーさん。」
受付「おはようございます。今日は対戦相手が降参する程度にぼっこぼこにしてくださいね。」
双星「い、いや、俺にはどうすることも・・」
受付「信じていますから。」
信じられても。
双星「あーそういえば、超神さんとか悪魔王さんとか、るーしーさんって味方なんですよね?」
受付「どうしてそう思います?」
双星「一昨日悪魔王さんと闘ってというか一方的にやられて思ったんです。」
双星「マラクさんは結構大雑把な闘い方で、面で相手をとらえている感じがするんですよね。」
双星「でも悪魔王さんて、すごく繊細な闘い方だなって。土の槍で俺が死なないようすごーく微調整していたと思うんですよ。」
双星「だとすると・・首をきゅっとするだけで俺を殺せたはずです。殺すならあんな派手な闘い方は必要ないんですよね。」
つまり悪魔王さんは、ただ遊んだか、からかっただけで、殺意はまったくなかった。
双星「殺す気がないなら、敵じゃないのかなーって。」
悪魔王さんが敵じゃないなら、知り合い?の超神さんもそうなのかと。
るーしーさんは・・まぁ元々敵対している感じはない。まったくない。
受付「敵ですよ。」
え?
受付「超神も悪魔王もるーしーとやらも、全員敵です。」
えーと。
受付「・・控室に案内しますね。」
もうこれわけわかんないな。
どこかに嘘が混じっていると疑いたくなる。
・・
・・・・
控室に行くと、いつものふたりが出迎えてくれた。
双星「おはようございます。」
ヒミカ「おはよう。」
巴「おはようございます・・双星さん、何か気付きませんか?」
なにかって・・新しいお酒でも入った?
これだけお酒があれば多少増えてもわからないかな。
髪を切ったとか?うーん、わからない。
強いて言えば・・
双星「今日のヒミカさんの着物、これまでと毛色が違う気がします。」
双星「こう・・素材から違うような、もしかして高級品?」
巴「そう!そうなんですよ。今までのはいわば”既製品”」
巴「今日のヒミカ先輩のは、一点もの。いわゆるオーダーメイドなんです。」
ヒミカ「洗濯する時機の都合で、そうなっただけだ。」
これは・・ヒミカさんが俺を意識している?
巴さんはそれを教えようと・・
巴「ヒミカ先輩素敵ですよね~・・私のために着飾ってくれるなんて。」
あれ?そっち?
こんこん。
受付「そーせーじさーん。出番ですよー。」
俺、食材になっていませんか?いやソーセージおいしいけど。
ヒミカ「双星、お前の闘いが終わったら・・るーしー殿とマラク殿の闘いだ。」
双星「は、はい。」
ヒミカ「だが・・今は目の前の相手に集中しろ。遠くばかりを見て、近くを疎かにせぬようにな。」
双星「はい!」
俺は控室を出て、試合の舞台へ向かう。
受付「今日は対戦相手を【降参】させてくださいね。」
双星「ああ、”優勝者を当てよう券”ですね。優勝する人がどうやって勝つかぴったり当てると賞金1億でしたっけ。」
受付「うまく相手を追い込むんですよ。絶望を与えちゃってください。」
受付「私が全部当てて1億手に入ったら、100くらいはあげてもいいですよ。」
やったぁ!・・しょぼすぎません?
双星「勝てるかもわかりませんよ。それでも、できる限りのことはしますが。」
受付「意思表明なんかいりません。結果だけ出して。」
それも寂しいけど、やっぱり結果が大事なのかな。
双星「それでは行ってきます。」
受付「ふぁーいと♪」
・・
・・・・
試合会場へ行くと、佐藤さんは既に来ていた。
佐藤「おはようございます。」
双星「お、おはようございます。」
佐藤「では幸運同士の闘いという・・茶番でもしますか。」
双星「昨日は驚きましたよ。俺は何も計画していない。佐藤さんはわかっているでしょう?」
佐藤「もちろんです。」
双星「ならなんで・・」
俺なんだ?
佐藤「すべては、計画通り進んでいます。」
佐藤「決勝戦の舞台、そこでわかりますよ。」
決勝戦・・そこまで残れるだろうか・・というより。
双星「佐藤さん対戦相手じゃないですか!」
負けること前提ですか?
受付「みんなー、来てくれてありがとう!ちゅっちゅっ。」
受付「今日は異色の闘い!激運の双星選手VS幸運の佐藤選手!」
受付「より運のいい者が勝者となる!」
モブ「宝くじ買って当たったやつが勝利でいいんじゃね?」
モブ「ならオレが資金出すわ。だから当たったらオレがもらうぜ。」
モブ「お、おい!オレも金だしたい!絶対やばいことになるって!」
受付「うーん、皆さんの意思も尊重したいですが、既に双星さんは宝くじ購入できないんですよ。」
受付「去年当たりすぎて勘弁してくださいと王宮に陳情が来るほどでして。」
俺なにも聞いていないんですが!
モブ「・・常識が崩壊していく。」
モブ「・・もうなにがなんだか。」
モブ「・・悪い夢かなんかだろ?」
俺も悪夢かと思う時があるんですが、たまに天国になるんですよね。
受付「申し訳ないですが、普通の闘いです。さぁ、レディー・ゴー!」
俺は右手に短剣を持ち、左手は魔法アイテムをすぐ取り出せるよう準備する。
運の良さ勝負なら、魔法アイテムが暴発する可能性も考えなきゃな。
メインは短剣、いざとなったら魔法アイテムか?
ダークエルフさんに鍛えてもらった成果をようやく発揮だ!
チュドーーーーーン!
佐藤さんが宙を舞った。
まぁ俺が雲まで到達したのに比べたら全然な高さだけど。
ドンッと佐藤さんが地面に落下した。
佐藤「こ、これが激運の力・・参りました、降参です。」
受付「あれ?もしかして前の試合の残り・・?あれ?不祥事?」
受付「・・そんなことありませんよね。えー、佐藤選手ギブアップ!」
受付「双星選手の見事な作戦勝ちです!六回戦進出おめでとうございます!!」
不祥事ですよね?
というかわざとですよね?
佐藤「わかりますか?」
それなりに。
佐藤「・・双星さん、気を付けてください。」
双星「え?」
佐藤「今回の計画は今までと違います。」
佐藤「超神や悪魔王、るーしーさんは、あなたに幸運を与えた者と同クラスの相手です。」
佐藤「それぞれの思惑が交錯してどんな結果になるか誰もわかりません。」
双星「・・そんなやばいの?」
佐藤「はい。決勝戦は高い確率で双星さんとるーしーさんになるでしょう。」
佐藤「しかし・・それがどの様な結果になるか、もはや神にしかわからない領域です。」
怖いしすごく逃げたい。
でも、俺も何か役に立ちたいって・・そう思う気持ちもある。
何ができるかわからないけど。
・・
・・・・
試合の舞台から出る。
観客のみんなは、何もわからず見ていることしかできない。
俺は・・多くのことを知った。知ってしまった。
だからこそ、俺にできることがあるのではないだろうか?
受付「おめでとうございます。五回戦の賞金3200万とトロフィーです。」
双星「ありがとうございます・・受付のおねーさん、俺にできることって何かありますか?」
受付「じゃあ次の試合は、対戦相手の【失格】で勝利してください。」
いやーそういうのは・・できるのかなぁ。
ヒミカ「あまり無理を言うな。」
双星「ちなみに、どうすれば対戦相手は失格になりますか?」
ヒミカ「大会規則を破れば失格になる。犯罪もだめだ。」
ヒミカ「連絡もなく試合時間になっても来ない。」
ヒミカ「自分の意思で試合中にいなくなる。」
ヒミカ「ひとりで闘わない。」
俺がどうこうできるものじゃない気がする。
というか、受付のおねーさんが言ってるのは、”優勝者を当てよう券”ですよね。
六回戦は【失格】、七回戦は【戦闘不能】、八回戦(決勝)は【棄権】で購入したって言ってたはず。
ヒミカ「少し控室で休むか?お酒もあるぞ。」
双星「いえ、観客席で試合が始まるのを待とうと思います。」
双星「俺も・・この大会には真摯に向き合わないといけないので。」
ヒミカ「そうか・・」
受付「双星さん。ヒミカさんはせっかく着飾ったんだから自分を見てほしいんですよ。」
双星「え?」
ヒミカ「違う!双星には色々・・その、怒鳴ったり拷問したり迷惑かけたから・・その詫びだ。」
拷問って・・言葉だけ聞くとすごいことされてるなぁ俺。
でも大丈夫ですよ。なんでもエロいこと話させてください。
あれ?
・・
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