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20ラッキー協会2


双星「はーい(泣)」

佐藤「夜分遅く申し訳ございません。私、ラッキー協会に所属している佐藤と申します。双星さんの泊まっている部屋はこちらでしょうか?」

双星「・・ラッキー協会?」

佐藤「はい。この度は手違いがありまして・・少しお話よろしいでしょうか?」

さっきも来たのに。

メイドさんとダークエルフさんを見て首をかしげてみた。

メイドさんとダークエルフさんも首をかしげた。

とりあえずドアを開けた。

いたのはイケメン・・なんだけど、顔立ちが中性的で性別がわからん。

男ならすぐ閉めてもよかったんだが・・女の子ならいつまでもいてくださいと土下座する準備はできてる。


佐藤「こんな時間にすみません。できるだけ早目の方がよいと思ったのですが・・」

双星「ま、まぁどうぞ。えーと、メイドさんお茶淹れてもらえるかな?」

メイド「は、はい。」

お茶が入り、少しリラックス。


佐藤「突然のことで驚きでしょうが、あなたが試合で偶然勝利していたのは、私たちの仕業だったんです。」

双星「わーびっくり(棒)」

佐藤「すみません、本当は別の方に強運を授ける予定だったのですが、なぜかあなたを対象にしてしまったらしく・・」

なんかさっきと話が違うな。


双星「なんでまたそんなことを?」

佐藤「国王からの依頼です。優勝賞金100億を出すのは辛いとのことで、優勝者を無くしてくれと私たちラッキー協会に依頼が来ました。」

佐藤「そこで私たちは、2名の出場者に強運を授け、このふたりを決勝で棄権させようと考えました。」

なるほど、決勝で両名とも棄権すれば、優勝者なし・・ひいては賞金100億の支払いも必要なくなると。

そういやヒミカさんが軍の予算絞られたとか言ってたな。

お金厳しいのかなこの国。


佐藤「事前に話をつけた2名に任せていたところ、ひとりが負けたと報告が来まして。」

佐藤「調べてみると、間違えて双星さんに強運を授けていたことがわかりました。」

双星「それで俺がなぜか勝ち進んだわけですか。」

佐藤「ええ。しかしあなたでよかった。強運なんてものを悪用すれば大変なことになりますから。」

女子更衣室を覗いてもバレず、女風呂を覗いてもバレず、寝ている女の子の胸を触ってもバレないな。

・・って、んなわけないか。国家転覆とか大量殺人とかだよな。


佐藤「女子更衣室や女風呂が覗き放題ですし、眠っている女の子の胸をつんつんしてもバレません。こんな卑劣な犯罪は決して許されないのです。」

もっと他にないんですか!?いや俺が言うのはあれだけどさ。


佐藤「急いで双星さんのこれまでの行動を追跡してみましたが、特に問題となる行動はありませんでした。」

双星「宝くじ買ったらえらいことになりましたけど。」

佐藤「知らないでとりあえず買ったら大当たりしただけのようですので。味を占めて買い占めようとしたりしなければ構いませんよ。」

佐藤「悪意の有無と、程度の問題です。」

双星「1億9000万当てるのが程度の問題なのか・・」

佐藤「国中のギャンブルに手を出せば、その1000倍は稼げますよ。」

1000倍・・優勝賞金超えてる!


佐藤「それでですね、非常に勝手な話なのは重々承知なのですが・・双星さんにご協力をお願いしたいのですが・・」

双星「要するに決勝戦を棄権してくれということですよね。いいですよ・・まぁ、決勝まで行ければの話ですが。」

佐藤「ありがとうございます!ええ、ご安心ください。決勝までは問題なく行けます。強運を妨げることはできません。」

佐藤「あ、ですが、双星さんが負けたいと思ったら負けることができます。そのあたりはご注意ください。」

負けたいと思ったら負けられる、か。

ほんと俺を助けてくれるサポートスキルなんだな強運は。


双星「・・明日の対戦相手は神の子と呼ばれ、一切攻撃できない相手と聞いていますが、それでも勝てますか?」

佐藤「絶対に勝てます。運というのは、実力とはまったく別の力ですから。相手の強さは関係ないんですよ。」

双星「でもそれって・・神を超える力ということですよね?」

佐藤「違います。神様を超えることはできません・・ああ、明日の対戦相手ですが、あれ、神の力じゃないんですよ。」

双星「ん?」

神の子と言われているのに?


佐藤「あれは精霊魔法を封じたアイテムを使っているんです。」

精霊魔法というと、エルフたち妖精族が得意とする魔法だっけ。

強力な魔法だって聞いたことがあるけど・・使っているのは見たことない。


佐藤「ですから神の力ではありません。もし神の力が相手だとしたら・・それはさすがに勝てないでしょう。その場合は気にしないでください。」

双星「じゃあもうひとつ質問いいですか?」

佐藤「なんなりとどうぞ。」

双星「あの、俺がこの町に来てから・・女の子が俺に仕えてくれたりしたんですが、それも・・強運の力・・ですか?」

メイド「・・」

ダークエルフ「・・」

佐藤「強運の力で試合に勝ち、それによって得た賞金で人を助け、結果あなたに仕えたのだから、元を考えれば強運があったからとは言えます。」

双星「・・」

佐藤「しかし強運は人の心を歪ませたりはしません。彼女たちがここにいるのは強運の力ではなく、あなたの行動の結果です。」

佐藤「というか資料見るとずいぶんお人好しのようですが、詐欺とか大丈夫ですか?」

双星「大丈夫です。もう何度も騙されながら旅を続けてきましたが、こうして生きています。」

佐藤「大丈夫じゃないですよ!」

そうなの?多かれ少なかれ、みんな騙されているんじゃない?お金じゃなくても嘘つかれたりとか。


佐藤「他になにかありませんか?今回ご迷惑をかけてしまいましたから、できる限りのことは致しますよ。」

双星「では最後に・・失礼かとは思いますが、あなたの性別は?」

佐藤「見たままです。」

その見たままでわからないから聞いてるんだーーーーーーーーー

結局教えてくれなかった。

性別聞くのって、できる限りの中に入ってないの?


・・

・・・・


ラッキー協会の佐藤さんが帰り、いつもの三人になった。


双星「なーんか厄介事に巻き込まれた予感。」

メイド「ラッキー協会自体が怪しいのに、その使者がふたり来て、さらに言ってることが食い違っていましたものね。」

双星「共通しているのは、強運があればこのまま勝ち進めるってことくらいかな。」

メイド「どうするつもりですか?決勝戦。」

双星「今のままなら出ないつもり。国の予算が厳しいのは軍の予算が削られたことから間違ってなさそうだし、さすがに100億は悪いよ。」

メイド「でもですよ。最初の男の話が正しければ、必ず優勝できて、8割渡しても20億は手に入ります。」

メイド「後に来た佐藤さんの話が正しければ、対戦相手は棄権しますので、必ず優勝して100億手に入ります。」

メイド「出場した方が圧倒的に有利です!」

双星「佐藤さんが正しかった場合、報復とかないかな?」

メイド「その時は100億を国に渡せばいいんですよ。目的は達成するでしょう?」

まぁ、国は優勝賞金100億を払うのが惜しいんだから、100億がそのまま返ってくるなら文句ないのか?


メイド「でも棄権したら一銭も入って来ません。それに理由不明で棄権なんかしたら他の人の期待を裏切ることになります。」

メイド「棄権してもいいことありません!」

うーん・・


双星「ダークエルフさんはどう思う?」

ダークエルフ「・・」

双星「ダークエルフさん?」

ダークエルフ「え?あ、悪い、聞いてなかった。」

双星「いやいいけど、なにか気になることでもあった?」

ダークエルフ「明日対戦する神の子クリストファーだが、精霊魔法と言ってたよな?」

双星「うん。精霊魔法を封じたアイテムを使っているとかなんとか。」

ダークエルフ「その魔法に心当たりがある。カウンター・バインドという相手の敵意や攻撃に反応して拘束する精霊魔法だ。」

双星「そんなのあるんだ。」

エルフは精霊魔法が得意なら、ダークエルフさんも使えるのかな?

・・あ、ダークエルフさんは、エルフとダークエルフのハーフだっけ。


ダークエルフ「その対策を考えていた。まぁ夜のうちに作っておくからふたりは先に寝ていてくれ。」

双星「そう?でも無理はしないようにね。強運があれば負けはしないってラッキー協会の人がふたりとも言ってたし。」

ダークエルフ「もしかしたら両方怪しいかもしれないからな。油断して負けさせる罠かもしれない。」

双星「え?」

ダークエルフ「もっともな話、それっぽい話、辻褄の合う話が真実とは限らない。例え信じられないようなことでも真実なこともある。」

ダークエルフ「片方が間違っていたら、もう片方は正しいか?そんなことはない。両方間違っている場合もある。」

ダークエルフ「最善を尽くせ。手を抜く理由など考えるな。」

双星「は、はい!」

ダークエルフ「・・困ったらいつでも頼れ。お前には私がいる。」

メイド「私もいますよ!」

双星「ふたりとも・・ありがとう。」

よし、今日は寝て、明日に備えよう!

絶対勝つぞ!!!


・・

・・・・


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