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186依頼


国王「おお!双星よ、よく来た。」

国王「新聞記事を見て驚いたぞ。まさかあの様な遠大な計画をしていたとはな。」

でまかせだって言っていいのかな・・つ、罪には・・ならないよね?


双星「い、いえその、実は・・あれは違うんです。」

国王「ん?どういうことだ?」

双星「お・・私は、新聞記事のような計画なんて立てていません!」

大臣「なっ、どういうことだ?」

大臣「双星は計画を立てていない・・?」

大臣「また騙された・・?」

騙したわけじゃ・・いや、今回は俺が騙したことになるのかな・・?


国王「ははは、お前たちは何をうろたえている。」

国王「我はすぐにわかったぞ。」

ん?なにを?


大臣「わかった・・とは?」

国王「B国での出来事は聞いている。あれは・・過程でしかないのだ。」

大臣「過程・・?つまり、まだ先があると・・?」

国王「人々が手を取り合い、3国がひとつになりました。ちゃんちゃん・・もしこれが物語であれば、そこで終わりだろう。」

国王「だが我らは現実の世界を生きておる。双星は、平和になった先の計画も既に立ててあるのだ。」

大臣「おお!」

おお?


国王「簡単に言えば、大計画があり、新聞記事はその途中の・・中計画程度の話なのだ。」

大臣「な、なんと!」

びっくりだよ!


国王「双星にとって計画とは最終目的である【大計画】のみで、細分化された途中の【中計画】や【小計画】など計画とは呼べないということだ。」

大臣「なるほど。」

大臣「大計画を果たすことが大事であり、中計画程度は双星殿にとってそれほど価値はないのですね。」

大臣「それをいつもの話し方で惑わそうとした・・が、王には通じなかったわけですな!」

なるほど!

俺は大計画を立てていて、途中の計画はあまり興味を持っていない。

それを王はわかっていたと・・・・知らなかった!


国王「はっはっはっ、その程度わかって当然であろう。」

大臣「さすが王様!」

大臣「さす王!」

大臣「給料あげてください!」

国王「はっはっはっはっはっ・・給料はダメ。」

俺の給料って変わらないのかな?


国王「双星が変なことを言うから本題に入るのが遅れたではないか。」

国王「さて、近いうちに武闘大会が開かれる。お主は前回優勝者として挨拶をしてもらうことになるぞ。」

国王「何を話せばいいかわからないのであれば、こちらで原稿を用意することもできる。」

双星「私が考えなくてもよいのですか?なんとなくみんなを騙している気がするのですが・・」

王「(なにを今さら・・?)」

大臣「(なにを今さら・・?)」

ペット「(みゃーみゃー・・?)」

なんとなく、お前が言うなって思われている気がする。


国王「武闘大会は国家事業だ。変なことを言われて盛り下がっても困るからな。」

双星「と、いうより・・あの様な新聞記事が出た後では、みんな私が激運で勝利したと思うかと。」

双星「運のいい人が勝ちますって話以外は信じてもらえず、運のいい人が勝ちますって話は参加者をバカにしていることになりませんか?」

国王「激運で勝利したならそれでいいではないか。大切なのは強さでなく、勝利することだ。」

国王「自信を持つがよい、お主は前回大会優勝者だ!文句を言えるのは、勝者のみ!」

国王「精々参加者をバカにしてやれ・・期待しているぞ。」

・・まぁ、こういう挨拶はそんな苦手じゃない。学生時代に入学式で挨拶したこともあるし。


双星「わかりました。前回大会優勝者として恥じない挨拶を務められるよう力を尽くします。」

国王「よろしく頼むぞ。ああ、やっぱり話す内容が決まらなかったらいつでも申し出るといい。」

国王「実はもう作っていてな。いや久しぶりに熱くなってしまった・・ちらっ。」

・・あれ?王様が作ったの?

どう考えてもそれを使わないといけない気がする。


双星「ええと・・・・既に案があるのでしたら、それを使ってみたいと思うのですが。」

国王「おお!是非使ってくれ。多少手直しくらいは構わぬが、2文字以上変えたら死け・・おっと、強制はいかんな。」

変更は1文字まで・・うん、がんばって王様の原稿を丸読みするか!

うやうやしく原稿を受け取り、謁見を終えた。


・・

・・・・


ヒミカ「ちゃんと原稿を受け取ったようだな。」

受付「遅いですぷんぷん!」

双星「遅くなってすみません。えっと、王様がこれ作っていたの知っていたんですね。」

ヒミカ「色んな人に自慢してたからな。双星が自分の作った挨拶をするって。」

双星「・・あれ?既定路線!?」

ヒミカ「さぞ今年の大会は爆笑で始まるだろうな。」

え?

俺は、嫌な予感をさせながら原稿に目を通した。


双星「別におかしくないですよ?まともな挨拶ですよこれ。」

ヒミカ「読むのはお前だ。」

はい。

え?これ変なの?どこか直した方がいいのかな?


双星「・・王様に書き直しお願いすることってできますか?」

ヒミカ「前回大会優勝者不在で大会が始まるかもしれぬが・・」

俺の存在消されちゃう!?


受付「”読んでやるからお金よこせ”で、いいと思います!」

双星「で、もらったお金はどうしますか?」

受付「恵まれない人に寄付するといいですよ。」

いつもと違う。


受付「ところでここに恵まれない人がいるんですが。」

ああ、いつも通りだ。

でも・・なんかわざとらしい感じがする。


アスタ「そ」

アスタ「う」

アスタ「せ」

アスタ「い」

アスタ「さ」

アスタ「ま」

アスタ「!」

え?

アスタ王女が後ろから抱きついてきた。

神様呼びは止めたの?


アスタ「会えて嬉しいです。もう離しません♪」

双星「は、離してもらわないと困りますよ・・ん?」

ヒミカさんと受付のおねーさんが真顔で見ている。


ヒミカ「・・」

受付「・・」

双星「あの?」

ヒミカ「ずいぶん楽しそうだな。」

受付「女なら誰でもいいんですか?」

双星「いえ、その・・」

ヒミカ「お前があの記事の人物とは思えんな。」

受付「きっと別人ですよ。」

ごごごごめんなさい!かわいい子に抱きつかれたら嬉しいんです!本能なんです!


アスタ「うらやましいならヒミカ様も抱きつけばよいのですわ。」

ヒミカ「な!?」

アスタ「人は自由であるべきです。やりたいことをやれないなんておかしいのです。」

ヒミカ「し、しかし・・私なんかが抱きついても・・」

受付「じゃあ私が抱きつきまーす!」

こ、これは・・!?

前は受付のおねーさん、後ろはアスタ王女。

く、前代未聞の事態に俺の体がびっくりしてる!

・・あ、ヒミカさんが見たこともないほどの真顔をしている。


ヒミカ「・・」

双星「あ、あのですねヒミカさん。こ、これにはわけが・・」

わけもなにも、ヒミカさんは見ていたのだから事情はわかるだろう。

だが・・・・なぜか言い訳しないといけない気がした。


ヒミカ「・・」

双星「えっとですね。これは不可抗力で・・」

女の子を無理やり引きはがすのはどうかと思うと言いますか。

えーと、俺が望んだことじゃないというか、あーでも嬉しい。


ヒミカ「・・」

双星「なんとか言ってくださーーーーああああーーーーい。」

ヒミカ「なんとか。」

好感度が音を立てて崩れ落ちている気がする!

というかヒミカさんにはインスペクターさんがいるじゃないですかあああああ。


アスタ「んふふ・・あら?何か落ちてますわ。」

落ちていたのは、宿で小さな女の子から渡された依頼書だった。


ヒミカ「なんだこれは。」

双星「い、依頼書です。」

ヒミカ「見てもいいか?」

双星「あ、はいどうぞ。」

よかった。ヒミカさんがいつもの顔に戻ってくれた。

ありがとう依頼書!


ヒミカ「・・ふん、やはりお前もこれが気になったか。」

双星「え?」

ヒミカ「この宗教団体の異常性は王も気にしていたからな。」

アスタ「ヒミカ様、私にも見せてください。」

ああ、アスタ王女が離れてしまった。

く、だがまだ受付のおねーさんが残っている!これだけでも超幸せ!


受付「そんなの捨てちゃえばいいんですよ。」

・・なぜか受付のおねーさんは、また機嫌を悪くしたようだ。


アスタ「ここですか・・確かに、異常なところですね。」

双星「・・えっと、危ないとこ?」

アスタ「いえ、一般的な危なさはありません。」

アスタ「むしろ・・平和を追求した宗教団体です。」

平和を追求・・まともそうな気がするけど、異常・・なの?


アスタ「人々が争う理由に、【異質性】があります。」

アスタ「異なる国、異なる民族、異なる宗教、異なる思想、異なる趣味、異なる性別、異なる人種・・違うことが許せない、受け入れられないことがあります。」

アスタ「では、その逆であれば争わなくなると思いませんか?」

なるほど。


双星「同じ国、同じ民族、同じ宗教、同じ思想、同じ趣味、同じ性別、同じ人種?」

アスタ「その条件を満たせば、争いは無くなると思いますか?」

双星「・・いや、遺産相続で争ったりはするかな。」

アスタ「では、絶対争わない相手を御存じでしょうか?」

絶対争わない相手?

親?親友?恩人?孫?・・いや、争わないとは限らないと思う。


双星「わかりません。」

アスタ「自分です。絶対に誰もが自分とは争いません。」

双星「・・自殺は違うの?」

アスタ「あれは”外の世界”が原因です。むしろこれ以上の苦しみから自分を守るために死を選ぶのです。」

双星「なるほど。ところで、その宗教団体とどんな関係があるの?」

極力みんな同じになろうとか?


アスタ「人格を統一したそうです。」

人格!?


アスタ「人格とは”個”です。これを統一したとは、”他人=自分”になるということ。」

アスタ「私も誘われたことがあります。もちろん断りましたが。」

双星「ちょ、ちょっと待って!そんなの無理でしょ?」

アスタ「はい。どうやっても他人を自分だとは思えないでしょう。」

アスタ「しかしそれをやったのが、その宗教団体”ONLY ONE”だそうです。」

ONLY ONE・・ただひとりの存在ってことか。


ヒミカ「宗教団体”ONLY ONE”の信者のひとりに逮捕状が出ているが、出頭に応じないそうだ。」

ヒミカ「依頼内容は、逮捕して来いとある。」

双星「・・なんで俺に依頼したんだろう?」

受付「こんな依頼やめてもいいんですよ!」

ヒミカ「お前が頭ごなしに否定するなんて珍しいな。」

受付「その依頼は危険です。双星さんによくない影響を与えます!」

受付のおねーさんがそう言ってるならそうなんだろう。

でも・・今までは・・その、どんな危険なことでも無事だった。

戦争よりも、ドラゴンの棲む山へ行くよりも、死にかけて生霊になるよりも危険なこと・・?


・・

・・・・


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