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182数百年前、B国にて


どうして僕がこんな目に遭うの?

どうして僕だけみんなと違うの?

どうして僕だけが・・


アレクス「ここは・・?」

何気なく感じた違和感。

そこを調べると地下への階段が見つかった。

王子として生まれて15年。

生まれ育った城にこんな場所があったなんて知らなかった。


好奇心の赴くまま階段を下りる。


アレクス「埃に偏りがある。それも人が通る場所だけ埃が少ない。」

この地下室は今も使われているのだ。

そして一般に公開されていないもの・・ごくりと喉がなった。


?「・・」

誰かの気配がした。

暗闇の先。そしてここが地下牢だと判明した。


アレクス「キミは誰?」

?「・・ジェフ。」

アレクス「俺はアレクスだ。キミはどうしてここにいるの?」

ジェフ「僕はいてはいけないから。呪われた子だからここにいないといけないの。」

アレクス「呪われた子?」

ジェフ「生まれてはいけなかったんだって。」

忌み子か?

不吉な日に生まれた子。双子として生まれた子。

これらは凶兆の象徴として殺さなければならないとされている。

・・生きているということは、殺せなかったが表には出せないということか。

まてよ。


アレクス「キミは何歳だ?」

ジェフ「15。」

アレクス「そうか、そういうことか。」

誰の忌み子なのか。ここの主は父上である国王。

ならば当然この子は・・


ジェフ「ねぇ、ここから出たいよ。外の世界を見てみたい。」

?「そこにいるのは誰だ!!!」

背後からの声。

見つかってしまった。


アレクス「どこにいようが俺の勝手だろう?」

?「王子様!?ここにいてはいけません!ささ、早く出ましょう!」

ジェフ「おうじ・・?」

その日、俺は初めて弟が・・双子の弟がいることを知った。


・・

・・・・


みんな外の世界を知っている。

僕は知らない。

こんな世界嫌い。滅びてしまえばいいのに。


人目を忍んで再びやって来た。


アレクス「ジェフ、俺だ。アレクスだ。」

ジェフ「アレクス?怒られたのにまた来たの?大丈夫なの?」

アレクス「何度でも来るさ。弟に会うためなら。」

ジェフ「おとうと・・?」

アレクス「もっと近くで顔を見せてくれ・・ああ間違いない、お前は俺の弟だ。」

ジェフ「兄さん・・?僕の兄さんなの?」

アレクス「ああ。」

ジェフ「兄さん、僕ここから出たいよ。外の世界を見たい!」

アレクス「今は無理だ。」

父上が認めないだろう。

忌み子を隠し育てていただけでも問題だ。

最悪ジェフを殺すことになってしまう。


ジェフ「そんな・・どうして僕だけここにいなくちゃいけないの?外に出たい!」

アレクス「すまない。」

今はまだ。だがいつの日か必ずお前をここから出してやる。


・・

・・・・


滅びろ。滅びろ。

みんな滅びろ。

力がほしい。すべてを滅ぼす破壊の力が。


「力をあげましょうか?」


誰?


「滅びをもたらす者。」


力がほしい。みんな嫌い!

みんな滅びればいい。


「あなたも滅びるわ。それでもいい?」


構わない。

すべて滅びちゃえばいい。


「ならあげる。滅びの力を。」

「力を使いたくなったら呼びなさい。キーを教えるわ。」

「”**** ***”」


カツン、カツン。

重い足取りで階段を下りる。


アレクス「よお。」

ジェフ「兄さん?どうしたのその顔・・ボコボコじゃない。」

アレクス「お前をここから出してくれって父上に言ったら超怒られた。」

アレクス「・・ごめんな。こんな・・不甲斐ない兄で。」

ジェフ「泣いてるの?どうして?どうして僕なんかのために泣くの?」

アレクス「ずっと辛かっただろう。悲しかっただろう。ごめんな頼りにならなくて。」

ジェフ「そんなことないよ。兄さんがいてくれて僕嬉しいよ。」

アレクス「必ずお前をここから出してやるからな。お前は俺が守る。」


・・

・・・・


「世界を滅ぼさないの?」


もう少し・・もう少し待って・・


「ええ。いつまでも待つわ。」


・・

・・・・


アレクス「・・ジェフ。」

ジェフ「兄さん?どうしたの顔色が悪いよ。」

アレクス「牢の鍵を持ってきた。出られるぞ。」

ジェフ「ほんと!?」

アレクス「ああ。」

ジェフ「ありがとう兄さん!!!」

牢から出られるなんて!


ああ、外はこんなにも明るかったんだ!

・・まぶしい><


アレクス「あまりはしゃいで迷子になるなよ。」

ジェフ「・・兄さん。やっぱり顔色が悪いよ?病気じゃないよね?」

アレクス「最近あまり寝ていないだけだ。A国とC国が攻めて来そうでな・・」

ジェフ「父さんは?」

アレクス「父上は・・亡くなった。」

ジェフ「え?」

アレクス「そのおかげでお前を出してやることができた。」

父さんが・・


・・

・・・・


大臣「A国とC国が連合で攻めて来ています。どう考えても勝ち目はありません。」

軍人「戦は数ではない!戦う前から結果などわかるものか!」

官僚「負けても降伏しても、厳しい要求が突きつけられるでしょうね。」

アレクス「・・」


ジェフ「兄さん?」

アレクス「ジェフ!どうした?なにかあったのか?」

ジェフ「ううん・・兄さんが大変そうだから僕もなにかできないかなって・・」

アレクス「ははは、気にしなくてもいいさ。」

アレクス「・・お前はずっと苦しんできたんだ。これからは幸せになるんだ。」

ジェフ「・・」


・・

・・・・


”兄さんへ”

”僕を自由にしてくれてありがとう。”

”外に出られて嬉しかった。”

”今度は僕が兄さんを助けるよ。”

”神様が僕に力を与えてくれたんだ。”

”すべてを滅ぼす力を。いつでもこう呼べばいいって。”

”**** ***”


・・

・・・・


馬「ぼっちゃんどちらまで?」

ジェフ「A国とC国の軍までお願い。」

馬「がってん!」


ジェフ「お馬さん喋るの上手だね。絵本で見た通りだ。」

馬「へぇ、どんな絵本で?」

ジェフ「火を囲ってね、人間と色んな動物たちが楽しく話したり踊ったりする話。」

馬「かわいい牝馬はいた?」

ジェフ「わかんない。」

馬「じゃあいたことにしよう。人間と色んな動物たち(※牝馬もいます)が楽しく話したり踊ったりする話だ。」


ジェフ「まだ遠い?」

馬「疲れた?」

ジェフ「ううん。僕、自分で決断するの初めてだったから不安で・・」

ジェフ「でもこれが自由なんだね!」

ジェフ「決められたことに従うんじゃなく、新しいことに挑戦できるんだ。すごいよ!」

馬「飼われている馬にはわかりません。」

ジェフ「お馬さんは自由がないの?」

馬「はい。人間に束縛されています。」

ジェフ「自由がほしくないの?」

馬「自由でいたいけどエサもほしい。エサだけちょうだい。」

ジェフ「エサだけもらうのってダメなの?」

馬「エサがほしければ働けって。」

ジェフ「そうなんだ・・僕、なんにもわかんないんだ。」


馬「そろそろ着きますよ。明かりが見えるでっしゃろ?」

ジェフ「うん。もういいよ、ありがとう。」

馬「ご乗車ありがとうございました。またのご利用お待ちしております。」

ジェフ「ごめんねもう乗れないと思う。僕も滅びちゃうから。」

馬「そっかー。気を付けてね。」


ジェフ「・・神様、お願いです。兄さんとB国を助けてください。」

ジェフ「あなたを呼びます。」

ジェフ「”CALL GOD”」


・・

・・・・


アレクス「ジェフはいたか!?」

兵士「いえ・・近隣の村々を当たっていますが、立ち寄った形跡はないようです。」

兵士「A国C国の駐屯地へ行くなら寄るはずですが・・」

アレクス「あんなところへ行って無事で済むわけがない!道に迷ったならその方がいい。」

兵士「王!大変です!A国とC国の兵が・・」

アレクス「どうした?まさかもう来たのか!?」

兵士「いえ・・全滅しています・・」

アレクス「そんな、まさか・・」

兵士「ジェフ様でしょうか?」

アレクス「・・」

兵士「近くの住人の話では、夜遅くにひとりの少年が訪れたようです。」

兵士「その少年がなにかをつぶやくと、背中に白い羽が生え、駐屯地は嵐に見舞われたそうです。」

兵士「嵐が去った後に少年の姿はなく、兵士たちはみな倒れていたと。」

アレクス「ジェフ・・」

兵士「白い羽・・天使でしょうか。」

アレクス「我が国の守護神である超神は天使を使役したという。」

アレクス「きっと超神様が天使を遣わせてくださったのだろう。」

アレクス「だがジェフよ・・その力はお前の幸せのために使ってほしかった。」

兵士「王様。ジェフ様のために私たちもなにかしましょう。」

アレクス「・・ああ。ジェフと天使、そして超神様を祭ろう。そして双子が凶兆などという迷信も払拭させよう。」

アレクス「ジェフのおかげでこの国は救われた。残された者には残された役目があるのだ。」


・・

・・・・


ジェフ「はー、大きな街!」

馬「ご利用ありがとうございました。またのご利用お待ちしております。」


「世界は広いわ。もっと学び、もっと遊んで、もっと大人になりなさい。」


ジェフ「ありがとうございます神様。僕、がんばる!」

ジェフ「でも・・どうして僕は滅んでないの?」


「あなたも世界の一部だから、世界を滅ぼせばあなたも滅ぶと言っただけ。」

「世界は滅んでいない。ならあなたも滅ぶ必要なんてないわ。」


ジェフ「そっかー。B国へは帰らない方がいいんだよね?」


「双子が凶兆なのはね、跡継ぎ問題もあるからよ。」

「奇跡を起こしたあなたを王に担ぎ上げたがる者もいるわ。帰るにしても、悪い人たちの口車に乗せられないくらい成長してから・・真実を知る力を得なさい。」


ジェフ「僕が王になるとなにが問題なの?」


「お兄さんと殺し合いになるわ。」


ジェフ「それは絶対嫌!兄さんは僕に自由をくれたんだ。」


「なら学びましょう。多くのことを体験しましょう。私に頼らなくてもお兄さんを助けられるように。」


ジェフ「うん!」

ジェフ「頭のいい人になりたいな。学者とか、研究者とか!」

馬「とりあえず一般的に馬は喋らないって知った方がいいと思う。」


・・

・・・・


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