180悪魔王
再びイプシロン・コピーのところへ行く。
科学者さんは、助手さんたちとイプシロンのチップの搭載作業に入る。
第一王子「ついに・・イプシロン・コピーが完成するのですね。」
第二王子「どんくらい強いんだろうな。」
オリジナルのイプシロンを作った超神さんならわかりますか?
・・あれ?いない?
?「オリジナルのイプシロンなら、敵の王都へワープして焦土にするくらいは簡単ね。」
それはすごい!・・どちら様ですか?
ぱっと見、色素の薄そうな女の子がいた。
髪も、目も、肌の色も薄い。
?「そんなことより、あれ、うまくいかないわよ。」
そうなんですか?
?「超神の悪い癖なのよ。自分は左右逆にこだわるのはいいけど、他の人が使う場合は元に戻さないといけないの。」
?「あのこだわりはだーれも理解できないわ。」
俺は目をぱちくりした。
えーと・・超神さんのことを・・知ってる・・?
?「私は悪魔王。ねぇ、あなた。間違っていることは好き?」
す、好きじゃ・・ないです・・
この人も、超神さんと同じでやばい相手だ・・
悪魔王「世界は正しくなければならないわ。私と一緒に世界を正さない?」
そう言って、悪魔王さんはにっこり笑った。
体の色素が薄いからか、はかなげな印象だ。
・・だけど、俺の足はがくがく震え、体全体が緊張している。やばい相手だとわかってる。
悪魔王「早くあの人たちの間違いを指摘しないと。お願いね♪」
は、はい。
なんで俺ばかりこんな目に遭うのか自問しながら科学者さんのところへ行った。
助手「チップがうまく作動しません!」
科学者「向きはあってるか?魔力反応は?」
助手「認証で弾かれてるっぽいですが、詳しいところまではわかりません。」
双星「あの、チップは左側じゃないとだめみたいですよ。」
科学者「なんと!?・・・・ふむ、左に変更じゃ!」
助手「えー、右についてたんじゃないですかぁ?そんな素人の意見で大丈夫ですか?」
科学者「なに、間違っても爆発するわけではあるまい。うまくいったら儲けもんじゃ。」
助手「なるほど了解っすー!」
助手さんたちが、慌ただしく動き回る。
そしてチップを左側にはめた。
助手「魔力反応オールグリーン!」
助手「エネルギー反応オールグリーン!」
助手「可動域反応オールグリーン!」
助手「イプシロンチップ、反応オールグリーンです。」
科学者「よし。イプシロン・コピーを起動せよ!」
イプシロン・コピーの体がぼんやり光だした。
ゆっくりと・・イプシロン・コピーは立ち上がった。
第一王子「異常はありますか?」
科学者「今のところは問題ない。」
第一王子「性能を見せてください。耐久力や破壊力、持久力に機動性も、あと稼働時のコストも知りたいですね。」
科学者「ひとつずつ確認しようかの・・ふむ、ダークエルフのお嬢さん、こいつに魔法を撃ってくれんかのう?」
ダークエルフ「壊れても構わないと言うのなら。」
科学者「壊れるくらい全力で構わんぞ。」
ダークエルフ「双星、構わない?」
双星「え?う、うん、いいって言ってるんだから構わないかと。」
イプシロン・コピーは100体くらいあるっぽいし、代わりはあるよね。
ダークエルフ「では・・」
ダークエルフさんが詠唱を始めた。
悪魔王「爆発系の魔法ね。小規模な爆発を相手の全身で発生させる危険な魔法よ。」
危ないんですか?
悪魔王「人間に使ったら、体中の皮膚が焼けただれ呼吸困難になるわ・・大体死ぬわね。」
こ、怖い・・あ、でも、全身をってことは、弱点チェックにもなるのか。
弱い部分があれば、そこだけ大きくやられるだろうし。
悪魔王「足の裏は対象外になっちゃうから、後で別途確認が必要よ。」
なるほど。
悪魔王さんの言う通り、イプシロン・コピーの全身が爆発で覆われた。
第二王子「えぐい魔法を使いやがる・・すげーなダークエルフは・・」
記者「双星で目立たないけど、この人も記事映えしそうだなぁ・・美人で強くて経歴も秀逸。」
爆発が終わり、灰色の煙がもくもくとあがる。
煙の中から・・無傷のイプシロン・コピーが現れた
第一王子「おお!!」
第二王子「すげー!」
記者「き・・記事にしたいぃぃ。」
色々検閲させられそうだからか、記者さんが禁断症状でそう。
・・って、記事書きたくなる中毒なんかないよね?
第一王子「破壊力も確認したいですが、外で確認するわけにはいきませんからねぇ・・機密ですから。」
第二王子「軍の屋内訓練場でいいんじゃねーか?」
第一王子「そうですね・・とはいえ、イプシロン・コピーのサイズでは通れない場所がありますね。」
科学者「一度稼働を停止して、横に寝かせて移動させるしかないかのう。」
でかいってのは面倒なんだな。
ここは・・人間用の建物だから。
悪魔王「平気よ。場所を伝えればワープできるから。」
えええ?便利すぎる。
双星「あのー、イプシロン・コピーはワープできるみたいですよ。」
第一王子「さすが幸運の持ち主ですね。それも教えてもらったのですか?」
双星「はい。」
科学者「・・これは・・少し慎重になった方がよいのではないか?誘導されている気がするのじゃ。」
科学者「ワープできるなど、設計図にも載っておらぬ。」
第一王子「新しい機能がわかったのですから、よいではありませんか。私たちが使い方を誤らなければよいのですよ。」
科学者「・・なにやら胸騒ぎがする・・」
とはいえ、第一王子さんの命令でイプシロン・コピーにワープさせてみる。
目の前に黒い空間が生まれ、イプシロン・コピーはその中へ入っていった。
第二王子「おおお、すげえ!」
第一王子「双星殿、あれは人間も使えませんか?」
さぁ・・悪魔王さんどうですか?
悪魔王「途中を経由する異空間の状態によるわね。」
悪魔王「もし人間が溶岩の中だろうと深海だろうと平気って生き物なら、どんな異空間も通過できるから問題ないわ。」
つまり、無理なんですね。
双星「あのワープは異空間を経由するそうなんですが、人間が生きていけない場所を経由する可能性があるそうです。」
第一王子「それは残念です。」
人間はワープできないのか・・
悪魔王「異空間を経由しないやり方ならできるわよ。え?原型をとどめないワープをやってみたいって?」
やりたくないです!
原型をとどめないって・・なに・・?
・・
・・・・
やってきました軍の屋内訓練場。
うーん、目立つなぁイプシロン・コピーさん。
ダークエルフ「ここで大丈夫なのか?使い方を誤ると建物が壊れる気がする。」
科学者「・・いや実は、攻撃性能はよくわかってないのじゃ。」
科学者さんが、俺を見た。
科学者「あれもこれも頼るのは心苦しいのだが、なにかいい感じのやり方はないかな?」
悪魔王さんすみませんお願いします。
悪魔王「人間の建物は脆すぎて、まず壊さないやり方は無いわ。」
悪魔王「最低限の被害で性能を見せることはできるけどね。」
俺は、悪魔王さんの話をそのまま伝えた。
第一王子「なら、最低限の被害で性能を見せてもらえませんか?」
双星「あ、はい。」
悪魔王さん、何度もすみませんお願いします。
悪魔王「ええ、ならコピーの前に立って。」
俺はイプシロン・コピーの前に立った。
悪魔王「はい発射」
発射?
イプシロン・コピーの手がこちらに向き、光ったのに気付いたときには既に遅く・・
ドドドッドドドドドドドドドドドドドドドドオオオン。
メイド「双星様!?」
ダークエルフ「双星!」
双星「だ、大丈夫、生きてるから・・」
イプシロン・コピーの攻撃は、斜め上から床に向かって放たれた。
的の中央には俺がいたわけだけど・・ちょうど俺の周りだけクレーター状になっていた。
悪魔王「やばさがよくわかったでしょ?」
当たってないけど痛いほどわかりました!!!!!
悪魔王「にひひ・・あっ!」
超神「なーに勝手なことしてるのかしら?」
悪魔王「ちっ、もう戻ってきたのね。」
超神「私のイプシロンなんだから、あんたは引っ込んでなさい!!!」
悪魔王「私が何をしようと勝手でしょ!そっちこそ引っ込んでて!!!」
えっと・・仲、悪いの?
超神さんと悪魔王さんは、いがみ合いながらいなくなった。
・・
・・・・




