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176研究所


研究所ってどこにあるんだろう?


壁「案内するよ!」

天井「お任せあれ!」

あ、いつもありがとう。助かるよ。


壁「ここは右だよ。」

天井「違うよ、ここは左だよ。」

・・おや?

意見が分かれるなんて珍しい。


壁「右行って左行って左に行けば研究所!」

天井「左行って右行って右に行けば研究所!」

え?え?どっちが正し・・・・待てよ。

右・・左・・左・・

左・・右・・右・・

これどっちも正しいんじゃないかな。道のりが違うだけで目的地一緒っぽい。


イメージ

+―――――――+

|→→→↓←←←|

|↑+―G―+↑|

|↑|研究所|↑|

|↑|   |↑|

|↑+―――+↑|

|↑←←S→→↑|

+―――――――+

S:スタート

G:ゴール(研究所入口)


壁「ふふふ、これはどちらが愛されているか試されるとき。」

天井「お前が選ばれなくても恨むなよ。」

仲良くしてよ。とりあえず右から行く。


壁「I WINNER!(俺の勝ち!)」

天井「WHY!?(なぜ!?)」

壁の方が先だったからね。

時間をかければ正しい結論に達しやすい。

だから同じ内容でも早い方が価値のあることなんだよ。


壁「つ、つまり早漏が正しいと・・?」

天井「双星お前まさか・・」

いや違うから!それは違うから!

下ネタ禁止!


・・

・・・・


研究所に着いた。

壁と天井が道中下ネタ言いまくってたけど。


壁「禁止されたら言いたくなる。」

天井「強制されると言いたくなくなる。」

面倒な。


こんこん。

とりあえず扉を叩く。


?「誰じゃ?」

双星「突然の訪問申し訳ありません。俺は双星と言います。」

?「申し訳ないと思うなら来るな。」

いやこういうのって、礼儀というか儀式的なものじゃないの?

・・単に機嫌悪いだけかも・・出直すか。


?「・・いや待て!双星!?」

双星「あ、はい双星です。」

がちゃ。

扉が開いた。


?「・・入れ。」

入室許可が出たので研究室に入る。

まず目に入ったのは・・武闘大会で闘った改造人間・・

そして・・銅像?でもその姿は・・受付のおねーさん・・しかも羽がある。


?「よく改造人間の欠点に気付いたな。」

双星「あーいや、あれは偶然で・・」

?「偶然だろうとお主が勝った。それだけじゃ。」

双星「あの・・改造人間ってことは、元々は人間なんですか?」

?「・・ああ。まだ10代前半の子供じゃった。」

?「B国は貧しい国じゃ。食べていくことができず盗みを働く者も多かった。」

?「その子は運悪く権力者の愛人から盗みを働き、怒りを買ってここへ送られた。」

?「モルモットとして使っていいと言われたよ。殺しても構わないと。」

それって、人体実験・・


?「バカなことだと思った。適当な理由をつけて逃がそうとした・・だがその子は断った。」

?「生きているのが苦しい。どうせならここで殺してほしいと言われたよ。」

?「死にたがる者には2種類いる。本当は生きたかったが死んだ方がよいと思う者と、ただただ死にたい者。その子は後者だった。」

?「儂にはどうすることもできなかった。それでも・・殺したくないと思ってしまった。」

?「非人道的だからと封印していた改造人間の計画を使うことにした。人の記憶は脳に残る。脳さえ生きていれば・・救いはあると・・」

改造人間なら脳を残せたのか。

でもそれって、生きていることになるのだろうか?


?「その子は改造される前に言ったよ。力がないから不幸だったんだって。」

?「意志がなくても、力があれば幸せだよね?・・と喜んで改造に応じた。」

?「儂にはどうしてもそれが正しかったとは思えん。だが死を望む者に対して他にどうすることもできんかった。」

改造人間は・・・・この子は今、幸せなのだろうか。

意志が無ければ幸福も不幸もないのだろうか。


双星「あのー、もしかして武闘大会で負けたからここにお蔵入りってことは・・」

?「それはない。調整中というだけじゃ。」

?「・・改造人間は予想以上に強かった。戦場でも圧倒的に強く、武闘大会で準優勝したこともあった。」

あー、俺が参加する前の武闘大会で準優勝だったんだっけ。クリなんとかさんに決勝で負けて。

精霊魔法じゃ仕方ない。攻撃不可とかやばいってあれ。


?「だが強すぎた。お偉方によって、改造人間の量産計画ができるほどに。」

双星「量産計画ってことは・・人間を改造しまくるってこと?」

?「それも改造に適応しやすい・・子供を使ってな。」

ごくり・・俺は背筋が寒くなった。

B国はなんてことをしようとしているんだ。


?「が、お蔵入りになった。お主に負けて欠点が見つかったからな。」

?「元々は無力な一般市民を襲わないための措置だったが、単純に無抵抗なら敵兵も襲わなくなるとはな。」

双星「でも戦争で使われたら関係なさそうですけど・・」

武闘大会みたいな1対1ならともかく、戦争で敵兵が完全無抵抗はありえなさそう。


?「実は他にも弱点はある。ここの、左の腰の後ろ辺りを攻撃されると全身の動きが極端に鈍くなる。」

?「改造人間が反乱を起こした場合を想定して敢えて用意した弱点なのだが・・」

?「無抵抗なまま近づき、背後からいきなり攻撃したらすぐ弱点をつけてしまう。」

?「一度そのことが知られたらいくらでも対策をとられてしまう。それで量産計画は頓挫した。」

?「ありがとう。おかげで助かった。」

双星「あ、いや俺は別に・・そういうことなにも知らなかったし。ああそう言えば、この銅像って誰かモチーフとかいるんですか?」

俺は受付のおねーさんに似た銅像を見た。

見れば見るほど似ている。なんで羽が生えているのかはわからないけど。


?「儂の祖先が天使によって救われたことがあったそうじゃ。その祖先が作ったらしい。まぁ・・守り神様のようなもの。」

受付のおねーさんに似た天使によって祖先が救われた・・え、それって・・


双星「それはいつ頃のことですか?」

?「100年単位で昔の話じゃ。B国が建国してそれほど時が経っていない頃のな・・」

・・そんな昔からいたんだ。

ずっと人間を見ていたのかな・・


壁「この爺さんの祖先は、双子の弟で地下牢に軟禁されてたんだぜ。」

壁「それが国王の子だったから闇だよなぁ。」

え?つまり・・王族!?


双星「あ、あの、もしもですよ、その天使様が今もいるってわかったらどうしますか?」

?「・・どうもせん。いつも通りの生活をするだけじゃ。」

双星「会ってみたいとか、お礼を言いたいとかはないんですか?」

?「会いたいなど人間のエゴでしかない。そんなことで天使に迷惑をかけるなど言語道断。」

?「人のルールを人以外の者に押し付けてはならん。人はどうあがいても天使と同列にはなれぬのじゃ。」

・・なんか、俗っぽい自分がちょっと恥ずかしくなった。

人のルールを人以外の者に押し付けてはいけない・・か。わかっていたはずなのに、わかっていなかった。


?「お主に会えてよかった。どんな男かと思ったら、ははは、普通の若造だな。」

双星「普通ですみません・・」

若造と言われてちょっと嬉しい。

まぁこの年齢で若造と言われるのは恥ずかしいことなんだろうけどさ!精神的に幼稚って意味な気がする。


?「いやその方がいい。うちの王子たちときたら思想ばかり立派で地に足がついていない。」

?「理想に合わせて現実を捻じ曲げようとする。それは歪みを生む、無理が生じる。それをなんとかしようとまた無茶をする。」

?「いずれどうしようもないところへ行ってしまう。もう少し自然を知ってもらいたいものじゃ。」

俺には意味がよくわからなかった。


?「そうじゃ、お主がちょいと王子たちに説教してくれんか?ビシッときつーく頼む。」

双星「おおお俺なんかが王子様に説教したら一発で不敬罪ですよ!」

?「大丈夫大丈夫。”無能王子共が俺様の爪の垢でも煎じて飲めやゴルァ”でいいから。」

無茶ぶりすぎる。

B国怖い。


・・

・・・・


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