表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
169/227

1687年前、G国にて


昔のG国にて・・


兵士「将軍!敵は部隊を分けました。」

将軍「地図を広げろ!・・こちらを挟撃する腹づもりだろう。」

兵士「どうしましょうか?」

将軍「先に動く。各個撃破するぞ!」

兵士「はっ!!!」

伝令「しょ、将軍!大変です!将軍の奥方が倒られました!!」

将軍「なっ、詳しく話してくれ。」

伝令「陛下主催のパーティで毒を盛られたようです。他にも数人病院で治療中です。」

将軍「陛下は?陛下は大丈夫なのか?」

伝令「はい。陛下は無事です。」

兵士「将軍!早く奥方様の元へ!」

将軍「・・・・いや、このまま戦闘を続ける。」

兵士「将軍!?」

将軍「私の使命は敵兵をG国へ入らせないことだ!すぐ準備しろ!今動かねば敵の思うつぼだぞ!」

兵士「は・・はい・・」


・・

・・・・


皇帝「よくぞ敵軍を退けた。お主の働き実に見事であった。」

将軍「ありがたき幸せ。」

皇帝「しかし・・将軍よ、お主の妻のことは誠に残念だった。何もできなかった我を許してくれ。」

将軍「いえ、悪いのは毒を盛った犯人です。陛下が気にすることなどありません。」

皇帝「毒を盛ったのはこの国の元帥だった・・」

将軍「・・」

皇帝「将軍の忠義には心を打たれた。よければお主が新しい元帥となり、この国を守ってくれぬか?」

将軍「・・申し訳ございません。妻を犠牲にして出世したと思われる恐れがあります。」

将軍「誰かを犠牲にして国を守る・・それは、間違っていると・・思うのです。申し訳ございません!」

皇帝「いやこちらこそすまない。気持ちを汲んでやれなかった我が悪いのだ。」

皇帝「・・・・お主にはまだ娘がいる。遠くの地で戦っていては何かと不安だろう。」

皇帝「我の親衛隊になってもらえぬか?娘も皇都で暮らせば安心であろう。」

将軍「しかしそれでは、やはり出世になってしまうのでは・・」

皇帝「軍のトップである元帥が裏切った今、我は何を信じていいかわからぬ。」

皇帝「信用できる者に近くにいてもらいたいのだ。頼む。」

将軍「わ、わかりました。わかりましたから、お顔をあげてくださいっっっ」


・・

・・・・


兵士「将軍!」

将軍「ふぅ、堅苦しい話は疲れる。」

兵士「しばらく休んでいてください・・お疲れでしょう。」

将軍「いやいや馬車馬のように働かぬとな!まだ娘も小さい、父親は父親らしさを見せてやらねば。」

兵士「将軍・・」

将軍「それより陛下より多くの恩賞を賜った。お前たちの好きにするがよい。」

兵士「え?将軍が賜ったものでは・・」

将軍「私は十分な恩給をいただいている。これはお前たちに使ってもらえると助かる。」

兵士「しょ、将軍・・ありがとうございます!」


・・

・・・・


兵士「将軍!皇都の防衛隊を突破した敵の特殊部隊ですが、将軍のおっしゃられた範囲を捜索したら発見できました。」

将軍「ご苦労。長引かせると陛下の安全が危ぶまれる。早々に片付けるぞ。」

兵士「はい!・・しかし、どうして敵の位置がわかったのですか?」

将軍「敵の狙いは陛下だ。ならば隠れやすく、皇居を狙いやすい位置を陣取ると踏んだまでだ。」

将軍「あとは・・お前たちががんばったおかげだ。」

斥候「た、大変です!敵の特殊部隊が市民を人質にとりました!」

将軍「なんと!」

斥候「それも・・その・・しょ、将軍の・・一人娘を・・・・」

将軍「・・」


・・

・・・・


皇帝「将軍よ、敵の特殊部隊が皇都に潜伏していると聞いた。」

将軍「はい。」

皇帝「お主の一人娘が人質にとられているとも聞いた。」

将軍「・・はい。」

皇帝「心苦しいであろう。だが粘り強く説得を続け助け出すのだぞ。」

皇帝「くれぐれも早まった真似はせぬようにな。」

将軍「・・はい。」

皇帝「我も思うのだ。誰かを犠牲にして国を守るなど、間違っていると。」

将軍「・・」


・・

・・・・


兵士「あ、将軍!敵の特殊部隊から要求が来ました!・・陛下を差し出せと・・」

将軍「・・親衛隊に伝えよ。突入する。」

兵士「し、しかし!」

将軍「これは命令だ。すぐに突入の準備をするのだ!」

兵士「は・・はい!」

将軍「(・・すまぬ・・)」


・・

・・・・


皇帝「将軍よ、我はくれぐれも早まった真似はせぬよう伝えたはずだぞ。」

将軍「言い訳は致しません。どんな罰でもお受けします。」

皇帝「・・お主を罰したいわけではないのだ。むしろよく守ってくれた・・だが!」

皇帝「そのせいで・・お主は・・うぅ・・妻と娘を・・ずずずっ」

将軍「そ、そんな!陛下がお泣きになることでは・・」

皇帝「お、お主のような・・者こそ・・う・・し、幸せになるべきであろう!そ、それなのに、うう、すまぬ、我が不甲斐ないせいで、将軍に苦労ばかり・・」

将軍「ちち違います!私が勝手にやったことであって、陛下には何の咎もございません!」

皇帝「・・無様な姿を見せた。忘れてくれ。」

将軍「は、はい。」

皇帝「のう、やはり・・元帥になってもらえぬだろうか?」

将軍「それは・・」

皇帝「この国を想う者にこそ要職についてもらいたいのだ。」

皇帝「娘が亡くなったことで出世したと思われては将軍も辛いだろう。」

皇帝「しかし、他に将軍以外にふさわしい者はおらぬのだ。誰よりも強く誇り高いお主が軍のトップになってもらえれば、我も安心できる。」

将軍「・・」

皇帝「兵士たちからも将軍を元帥にとの声をもらっておる。今の元帥も退役した者に戻って来てもらったからな。老人に鞭を打つのがお主の趣味ならまぁそれもよいが。」

将軍「そのような・・・・わかりました。お受けします。」

皇帝「やったぜ!いえい!」


・・

・・・・


元帥「(・・陛下が亡くなられた。人の命は・・いや、私は次の陛下をお守りするだけだ)」

元帥「なにやら騒がしいな・・何事だ?」

兵士「あ、将軍!」

元帥「お前はいつになってもその呼び方を変えられぬな。」

兵士「えへへ、すんません。」

元帥「それで、何があった?」

兵士「そうでした!陛下の遺品を整理していたら、不正が見つかったんです!」

兵士「他国が攻めてきて軍備が必要だからって重税を課していたのに、自分は不正して蓄財してたんですよ!」

元帥「・・」

兵士「みんなブチ切れてます!皇族は皆殺しにして新しい国造りをするって。」

元帥「ま、待て!それはいかん!」

兵士「なんでですか?陛下は私たちを裏切ったんですよ!」

兵士「将軍が私たちの王になってください!クーデターです!」

元帥「・・止めることは・・できないのか?」

兵士「無理ですよ!国民にも伝わって大騒ぎですから!」

元帥「・・・・状況は?」

兵士「亡くなった陛下の一族を”はずれの塔”まで追い込んだところです。囲んでいますから逃げられる心配はありません。」

兵士「あとは殺してみんなに見せれば古い時代は終わりです。将軍の下で新たな時代を作りましょう。」

元帥「・・いや、陛下の一族はそのままはずれの塔に幽閉しておくのだ。」

兵士「な、なぜですか!?」

元帥「これからこの国は乱れるだろう。地方は指示を聞かなくなり、他国の動きも活発になる。」

元帥「皇族が生きていれば、陛下の威光を使い有利に事を進められる。殺すより生かす方が利用できる。」

兵士「なるほど!既に新たな統治方法を考えていたんですね!失礼しました!」

兵士「ではそのことをみんなに伝えて来ます!」

兵士は駆け足で包囲している仲間のところへ向かった。


元帥「(・・止められなかった・・だが、亡くなった陛下のお子が生きてさえいれば・・)」

元帥「(私ではどうすることもできぬ・・陛下を守り、この国の未来を本気で考えてくれる者がいれば・・)」

元帥「(もしそのような者が現れたら・・この命をもって乱世終結の旗印にしよう)」

元帥「(だが・・妻よ、娘よ・・お前たちと同じところへは行けそうもない・・すまぬ・・)」


・・

・・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ