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15五回戦


試合会場へ!


受付「おはよ。」

双星「おはようございます・・なんか挨拶簡略していませんか?」

受付「難聴なんじゃない?」

そ・・そうなのか・・?


双星「そういえば新聞見たんですが・・俺の勝利は偶然って調査結果が出ていましたね。」

受付「国の連中は無能で困るわよねー。」

双星「いや国の調査を信用しましょうよ!」

受付「どうせお役所仕事で雑な仕事したんでしょ。」

双星「そう決めつけるのはどうかと・・」

受付「いつも通り酒飲む?」

双星「いえ。今日は酔っ払わない方がいいので飲みません。」

ダークエルフさんからもらったアイテムたちを使って見事な勝利を収めるぜ!

俺の最強伝説が今ここから始まる!


受付「へー今日の作戦は酒入ってるとまずいのねぇ。」

双星「作戦とかありませんから!」

受付「そうだ、なら飲む量少ないよね?私が少しお酒もらっても問題ないかな。」

雑なお役所仕事はしないでもらいたいなぁ。別にお酒は構わないけど。


・・・・


今日は普通に闘える・・はずだ。

・・あれ、このアイテムたちでどう闘えばいいんだ・・?

1.麻痺属性が付与された短剣。

2.呪い付与の水と、呪い解除の水。

3.逃走用の催涙煙幕玉。

麻痺が決まれば勝てる?


受付「みなさんお待たせしました。いつものエンタメが始まります。」

・・まぁ闘技大会はエンタテイメントだとは思うけど・・なんか違う意味で言ってない?


受付「青きコーナーからは隣国のお姫様!姫騎士シャルロット様!」

受付「赤きコーナーからは謎の勝利を続ける双星選手~!」

王女様だけ様付けかぁ。俺も受付のおねーさんに様付けで呼んでもらいたいですわくわく。


受付「闘いの行方は?さぁ試合開始です!」

シャルロット「貴様の”偶然”がいつまでも続くと思うな!」

そうだよな。いつまで続くんだろうこの偶然。

でも不戦勝にはならなかったから、それほど強運ってほどじゃないかと。


シャルロット「血のにじむ鍛錬と命を懸けた戦いの中で培ってきた力こそが栄光の扉を開く。」

双星「俺もそう思います。」

シャルロット「ん・・?」

双星「努力した者が泣く世の中なんて嫌です。」

シャルロット「ならば大人し・・な!?」

なんだ?王女様が武器を落として苦しみだした。

また蜂が鎧の中に入ったのか?

うらやましい俺と変われ・・いや変わってくださいどうかお願いします!

キィィィィン。

ポケットの中が光ってる・・ダークエルフさんからもらった呪いの解除水だ。

呪いの解除水が反応してるってことは・・まさか王女様の異変って、呪い!?

俺はなにもしていない。なら外部から?

このままなら俺が勝利する。トロフィーもそうだが、これに勝てばおそらく3200万・・

・・いや、こんな勝利認められるか!


双星「ごめんアイテム使わせてもらいます!呪い解除!」

呪いの解除水を王女様にふりかける。

王女様の体から紫の混じった黒いものが飛び出し、観客にいるローブの人のところへ吸い込まれていった。

ローブの人は呪いを受け苦しみだした。

これは・・そうか、呪い返しだ!術者のところに返ったんだ。


双星「外部から呪いがかけられてたぞ!術者はそいつだ!!」

俺はローブの人を指差す。

周りの観客が避難を始める。


受付「え・・あ、東13番ゲートの警備員さん捕まえてください!」

警備員さんがローブの人を捕まえに行くが、魔法で軽く吹き飛ばされた。

ローブの人は苦しみながらも逃げようと出口へ歩き出した。

他の警備員さんが向かうが、ローブの人の魔法は強力で近づくことができない。

このままじゃ逃げられちゃう!


ヒミカ「・・神聖な大会を汚すとは、許せぬな。」

双星「ヒミカさん!」

ローブの人はヒミカさんに魔法を放つも、刀で魔法弾を真っ二つにされ一気に距離を詰められた。

そしてあっという間にヒミカさんはローブの人を拘束した。

呪いで動きがままならないとはいえ、ヒミカさんつえぇ。魔法弾真っ二つって・・あの刀、魔法剣なのか?


ヒミカ「双星!後ろだ!!!」

観客席からヒミカさんが叫んだ。

え?

後ろを振り向くと、男が闘技場に降りてこっちに走って向かっていた。


男「死ね王女おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

狙いは王女様?刺客は他にもいたのか!?

・・ってまぁそうだよな。ずっと王女様狙いだったし。

王女様は・・まだ呪いのせいか立ち上がることもできずにいる。

俺が・・やるしかないのか。

どうする?どうする?素人がどう戦えばいい?

俺は・・逃走用の催涙煙幕玉を男に向かって投げた。

催涙煙幕玉は地面に落ち、広範囲の煙幕をはった。


男「ウェッ、はくしょっ、はくしょっっ、はくしょっっっ!」

男は目と喉をやられて煙幕から出て来た。

続いて第二弾!呪い水(ビン入り)!

男の目がやられているうちに、呪い水の入ったビンごと投げつける。


男「くそぉっ!」

キィィン!

狙いはよかったのだが、届く直前・・男は手に持ったナイフで呪い水の入ったビンを割った。


双星「不発?・・いや。」

ビンが割れ呪い水が体にかかったのだろう、男が苦悶の表情をする。


双星「これで終わりだ!」

ダークエルフさんからもらった最後のアイテム、痺れナイフを男に投げた。

ナイフは男の手をかすり・・男が倒れ動かなくなった。

痺れナイフつええ。

・・おおお、これが俺のまともな初勝利じゃないか!?(一回戦の急所攻撃は黒歴史にした)

パチパチパチ・・見るとヒミカさんが拍手してくれている。

やがて他の観客たちも拍手してくれて・・ちょっと照れくさくなった。


受付「ええ!?ちょっとそれは・・」

なんか放送席の方がガヤガヤしてるなぁ。


受付「・・え、えーと・・し、試合はこのまま続行とのことです。」

え?

俺もう・・手の内全部出しちゃったんですが。

このまま闘っても負け確定じゃないか!


双星「ま、待ってよ!このまま闘っても結果は目に見えてるじゃないか!」

受付「そんなこと言われても~、上の判断なんです~。」

双星「仕切り直しさせてください!こんな闘い納得いきません!」

シャルロット「・・いやいい。私の負けだ、降参する。」

双星「え?」

なんで?このまま闘ったら王女様が勝つのに。


シャルロット「新聞や、色んな人に聞いたが、誰もが彼のことを”素人がたまたま勝ち続いただけ”と言っていた。」

シャルロット「だが実際はどうだ!?突然のアクシデントを速やかに解決し、乱入者も倒してしまった。」

シャルロット「素人?偶然の勝利?彼は綿密な準備をして、どんな状況にも対応できるようにしていたではないか!」

買いかぶりだと思うけどなぁ。ぶっちゃけ手持ちはあれだけです。


シャルロット「これまでの闘いも全部計算だったのだろう。そして私のように素人だと思って闘いを挑めば・・素人が運よく勝利した・・そのような結果になっただろう。」

シャルロット「立つのが精一杯な私に、これ以上惨めな敗北をさせないでくれ・・相手が素人だと思いながらここに来た時点で、私の負けは決まっていた。」

マジ買いかぶりだと思うけどなぁ。本当にただの素人です。


受付「え・・えー、シャルロット様の降参により、双星選手の勝利です!」

観客が歓声に沸く。

まともな歓声も初めてかな・・

いつもはすぐ戻るのだが、今日は少しこの気分を味わった。


・・

・・・・


控室に戻ろうとすると、受付のおねーさんとヒミカさんが待っていた。


受付「五回戦突破おめでとうございます!これでベスト8ですね。」

双星「ありがとうございますというか、いつの間にかベスト8なんですね。」

ということは、次の六回戦に勝てばベスト4、七回戦勝利でベスト2、八回戦に勝てば・・優勝か。

なんか現実的に勝てそうな気がする!あとたった3回勝てばいいんでしょ?


ヒミカ「見事な手際だったぞ。正直王女になにかあったら、ちと面倒なことになってた。」

双星「ヒミカさんのおかげで敵の接近に気付けましたよ。助かりました。」

受付「ふふふー、でもこれで双星さんの嘘がバレちゃいましたね。まあ私たちはわかっていましたが。」

双星「嘘?」

ヒミカ「試合で”なにもしていない”なんてよく今まで言えたものだ。全部計算だったのだろう。」

双星「いやいや偶然ですって。今日のアイテムは知り合いが持たせてくれたんですよ。」

ヒミカ「はははなるほど、偶然知り合いが持たせてくれた道具で不意の出来事に対応したということか。」

双星「はいそうです。」

ヒミカ「・・誰がそんな話を信じると?」

受付「もう誰も信じませんから、本当のことを言っていいんですよ。」

双星「いや本当に本当に本当なんですって。」

ヒミカ「その姿勢は評価してもいいが、今更なんの意味があるのだ?」

受付「もうバレバレですよ♪」

なんで信じてもらえないんだああああああああああああああああああああああああああああ


・・

・・・・


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