156A国王の計画
A国。
国王「こうして集まってもらったのは他でもない。」
国王「双星と、そのメイドが貴族になった。しかもメイドは個人では最も多くの国土を所有している。」
国王「これは危険ではないか?」
王様主催の秘密?会合。
だがいつものメンバーとは違い、王以外はラッキー協会の男とヒミカだけ。
男「ああ危険だ。このままだと王制は潰える。」
国王「その通りだ!双星は危険だ!」
ヒミカ「お待ちください。双星は一度も王制を脅かそうとしたことはありません。」
ヒミカ「いつもこの国のために力を尽くしてきたではありませんか。」
国王「ええい黙れ!脅かされたら危険なのだ。ならその前に対策するのは当然のこと。」
国王「なぜヒミカまでここにいるのだ?」
ヒミカ「それは私も聞きたいです。」
王様は訝しそうな顔をし、ヒミカは困った顔をした。
男「オレが呼んだ。嫌なら帰っていいぞ。」
ヒミカ「ならそうさせてもらう。双星が危険など言われなき話だ。」
男「はいヒミカ脱落~。」
ヒミカ「・・なんだそれは。」
男「真実に辿り着く権利だ。この地で起きた様々な謎、その結末は選ばれた者しか見られん。」
ヒミカ「・・」
男「出て行かないなら座れ。我が主はお前のことも評価しているぞ。」
ヒミカ「そいつは何者だ?お前らラッキー協会は一体・・」
男「全ては神の御心のままに。」
ヒミカ「神・・?」
彡⌒ミ「髪の話した?」
男「知りたければ最後までついて来い。答えはその先にある。」
ヒミカ「・・」
国王「な、何の話だ?」
彡⌒ミ「髪の話。」
男「気にすんな。それより大事なのは双星の問題だろ?」
国王「おおそうだ!なにか案はないか?」
男はニヤッと笑った。
ヒミカ「(双星の幸運、C国での悪魔騒動、そして10年前と70年前に起きたこと・・もしかしたら他にも・・)」
男「簡単な話だ。あいつがこの国にいなければいい。国外からじゃ碌に何もできない。」
国王「追い出すのか?」
男「んなことしたら双星の信者が反発する。役割を与えるんだよ。」
国王「それではこちらの意図がバレないか?」
男「仕向ける程度でいい。」
男「E国の内戦騒ぎはあっという間に終わらされちまったな。だがもっと複雑に混乱している国がある。」
国王「G国か?H国か?I国?J国?K国?どこもそれなりに問題を抱えておるぞ。」
男「G国だ。」
国王「G国・・皇帝を中心とした君主制の国か!」
男「皇帝とは名ばかりで力のあるやつらがバラバラに勝手な政治をしている。群雄割拠というやつだ。」
男「そこに双星を放り込む。」
国王「自然にできるか?」
男はヒミカを見た。
ヒミカ「(全部何者かの手によるものとしたら・・やはり悪魔は・・)」
男「まず王さんが双星に休暇を与え旅行を進める。」
男「どこへ行くか迷っている双星に、こいつがG国を勧めればいい。」
ヒミカ「ん?」
国王「そんなことで双星が都合よく動くのか?」
男「結構双星に信用されてんだぜこの女。」
男「それにこの作戦のキモは失敗してもペナルティがないとこだぞ。」
男「成功したらおいしくて、失敗しても困らない。なら成功率が多少低くても気にすんな。」
国王「ふむ・・なるほど、それは重要だ。」
男「双星がG国の戦乱に首を突っ込んだら・・ここからが重要だ。」
国王「なにをするのだ?」
男「使者を派遣する。A国の貴族でありながら勝手に他国の問題に首をつっこむとは許されない、とな。」
国王「呼び戻すのか!?」
男「まさか。G国を見捨てるの?苦しむ人たちを放っておくの?と煽って戻らないようにする。」
男「その上で罰として貴族の地位と土地を没収する。もちろんメイドのもだ。」
国王「うまくいくか?双星のところには狡猾なダークエルフもいるのだぞ。」
男「こいつの働き次第だな。」
男は顎でヒミカを指した。
ヒミカ「・・」
男「オレの見立てでは成功率60%といったところだ。」
国王「もし双星が戻らず、メイドが戻ったら?メイドの土地没収の正当性を失うぞ。」
男「双星のいないメイドなんかどうとでもなる。20歳にも満たない小娘のなにを恐れる?」
国王「・・それもそうだ。お主の言う通りだ!」
男「さあ決断の時だ。王さんよ、この策・・やってみるか?」
国王「もちろんだ!期待しておるぞ。」
男はニヤリと笑った。
国王「よしヒミカよ、双星を呼べ!」
ヒミカ「・・はい。」
・・
・・・・
馬「なぁなぁ双星、いいこと教えてやろうか?」
馬「すっげえいいことだぜ。」
馬「もしくはエロいこと教えてやろうか?」
エロいことでお願いします。
馬「オレの厩舎の牝馬な、夜になると色っぽい声で誘ってくるんだぜ。」
お前馬肉決定。
馬「双星はビッチに興味ないんだぜ。」
馬「マジかよ・・清楚な黒髪ストレート以外は女じゃないとか言うつもりか?」
馬「ビッチはいいぞ~楽しいぞ~」
俺・・そういうのよくわからないから・・
馬「そっか。もっと大人になってからだな!」
もう29です!
あああ30が近いぃぃぃ。
馬「・・あ、ごめん。」
馬「話題変えよっか。」
そうやって気を遣われるのも辛いぃぃぃ。
馬「じゃあさっき言ってたいいことな。」
馬「お前休暇もらえるから。」
馬「王様から休みとれって言われるぜ。」
そうなの?
馬「んでヒミカ様がG国への旅行を勧めてくるから。」
馬「行ってらっしゃい。」
馬「お土産は外国産の牝馬でいいよ。」
いや行くとは限らないんだけど・・
馬「いいかよく聞けよ?」
馬「お前とメイドが超土地持ち貴族になって王様不安なんだよ。」
馬「んでなんとか取り上げたいからって、G国の問題に首を突っ込んでもらいたいんだ。」
馬「んでA国の貴族なんだからG国に首を突っ込むとは何事だ!って怒られるわけよ。」
馬「んでA国に帰らないなら土地取り上げるよ。でも帰ったらG国で苦しむ人を放っておくの?って感じで迫るわけ。」
馬「んで帰らないよう仕向けて土地と貴族の地位を取り上げて王様にっこりってわけ。」
・・ねぇ、そこまでネタバレしていいの?
馬「どうせG国行って首突っ込むことになるから。」
馬「そこでお前は小さな勢力に協力して大勢力に引き上げるわけだ。」
馬「みんなに言われるままG国の王になり、統一するまで戦い続けるんよ。」
え、それ決まっているの?
馬「これからの流れを見てろ。オレらの言った通りになるから。」
なにそれ怖い。
ヒミカ「双星。」
双星「あ、ヒミカさん。」
ヒミカ「王が呼んでいる。すぐ来るように。」
あ、はい。
・・え?マジ?本当に馬の言ったようになるの?
馬「馬は嘘つきません。」
今まで嘘ついたことなかったっけ?
・・
・・・・
国王「よくぞ来た双星。貴族になってからは初めてだな。」
双星「貴族とは言っても、礼儀作法とかわからないままですが・・」
国王「なに気にすることはない。必要があればこれから覚えればよい話だ。」
国王「なんなら我の教育係を紹介しようか?厳しくて泣くほどだぞ。」
いえお気持ちだけで・・
国王「お主もこれで立派にこの国の一員だ。今までより働いてもらうことになるだろう。」
え・・今まで以上・・(困惑)
魔王退治するより働くの・・?とはいえ・・
双星「が、がんばります。」
国王「よい心がけだ。だが、がんばりすぎても辛いだろう。人間は消耗品ではない、休みも必要だ。」
本題入った?
国王「そこでお主に休暇を与えようと思う。旅行でもして疲れた体と心をリフレッシュするといい。」
双星「お気遣いありがとうございます。」
で、ヒミカさんがG国を勧めてくれるんですよねわかります。
短い謁見が終わった。
玉座の間を出ると、ヒミカさんがいた。
ヒミカ「王からはどんな話だったのだ?」
双星「休暇と取れって。旅行を勧められたよ。」
ヒミカ「そうか。ゆっくり休んで来い・・その・・」
空気を読む!
双星「旅行先ですが、どこかお勧めありますか?」
ヒミカ「そうだな・・G国なんかどうだ?」
双星「いいですね(知ってた)」
ヒミカ「(・・これでよいのだろうか・・)」
G国ってどんなところなんだろう?
天井「G国は皇帝を中心とする君主制の国。」
天井「だけどみんな言うこと聞かなくて群雄割拠になってるよ。」
天井「皇帝陛下もほぼ幽閉状態。謁見は制限され政治に口出しできない。」
・・行きたくないなぁ。
超やばそう。
天井「諦めろ。お前は必ずG国へ行く。」
壁「群雄の一角となり勢力を広げ王となる。」
床「・・そして皇帝を倒しお前がG国を支配する。」
え、そこまで決定済み?
柱「すべては運命として決まっている。お前はただその通りにすればいい。」
他の道は?
カーペット「ない。」
花瓶「運命に従え。運命に逆らうことは、神に逆らうこと。」
照明「運命に従え。神によってすべて決められている。」
絵「愚かな人間よ、神に従え。」
・・全部運命が決まっているんだ・・
なら俺がこれからどうなるかも、俺の最後もすべて・・
・・ちょっと泣けてきた。
生きるってなんだろうな。
双星「あの、ヒミカさん。」
ヒミカ「・・なんだ?」
双星「もし・・もしですが、運命が決まっていたら・・ヒミカさんは運命に従いますか?」
ヒミカ「なんだそれは・・そうだな、気に入らない内容なら逆らうかな。」
双星「運命ですよ?逆らって大丈夫ですか?」
ヒミカ「望まぬ道を運命と言われても困る。私は・・私の・・・・信じた道を歩みたい。」
はー、ヒミカさんかっこいい!
ヒミカ「(なのに私はなにをしているのだろうな・・)」
双星「ありがとうございます。それと変な質問すみません。」
ヒミカ「いや、構わん。」
俺も運命に逆らって・・・・あれ?どうすればいいんだ?
こう、運命に従ったら運命に逆らうことになりました的な楽な方法ない?
壁「あると思う?」
ないですよね、ごめんなさい。
壁「まぁお前がそうしたいなら、その方向でもいいよ。」
親切ここに極まれり。優しい世界に乾杯。
・・
・・・・




