150助けを求める者
ひとまず解散して宿に戻る。
さてどうしようかな。
ばんばん!ばんばん!
なんだろう。でかい虫が窓でも叩いてる?
メイド「双星様!窓に・・」
窓には・・羽の生えた小さな女の子がいた。
小さいというかあれは・・
ダークエルフ「妖精!」
ダークエルフさんが窓を開ける。
妖精「エルフ!エルフ!お願い助けて!仲間が魔物に捕まったの!」
双星「それは大変!」
ダークエルフ「双星。」
俺は頷いた。助けないと!
メイド「場所はどこですか?」
妖精「あっち!」
どうやら案内してもらわないといけないっぽいな。
地名とか人間用だもんね・・〇〇の山とか〇〇の街とか通じるのは人間系だけ。
ダークエルフ「方向と距離は?」
ダークエルフさんが地図を広げて妖精に尋ねる。
妖精「あっち!たくさん!」
意思疎通の難しさを感じています。
もしかして人間がここまで繁栄したのって、名前をつける生き物だったからかも。
ダークエルフ「ここまで何回夜が来た?」
ダークエルフさんは、妖精が飛んで来た日数と指差す方向から場所を割り出した。
すごい・・
ダークエルフ「まずいな。元暴風地帯だ。」
双星「まずいの?」
ダークエルフ「開発イベントのせいであまり勝手なことはできない。」
双星「別にイベントに参加しないって言えばいいんじゃないの?」
ダークエルフ「そうすると入場自体制限される恐れがある。」
双星「事情を話すのは?」
ダークエルフ「人間が妖精の事情を優先するならいいけどね・・」
・・まぁ、人間の事情を優先するよね・・
ダークエルフ「妖精をペットや人形みたいに扱う人間も多い。悪い人間に見つかればそれこそ厄介だ。」
双星「そっか・・俺がイベントにちゃんと参加できればよかったんだけどなぁ。」
一部の土地しか・・だもんな。
ダークエルフ「私も人間ではないからな。イベント参加は難しいだろう。」
ダークエルフ「誰か他の人の手伝いという名目なら大丈夫だと思うが・・」
双星「この国の人間で、公務員じゃない人か・・」
メイド「知り合いあたってみますか?」
双星「そうしよっか。」
ダークエルフ「いた。」
どこに?
ダークエルフさんは、メイドさんを見た。
メイド「?」
・・あ、メイドさんがそうだった。
・・
・・・・
再び広場へ行き、メイドさんをイベント参加登録。
メイド「イベント参加の手続きに来ました。」
登録員「はい。ではこちらの書類に記入をお願いします。」
手続きを終わらせて、ちょっと休憩してから元暴風地帯へ・・
なお妖精さんは、ダークエルフさんの肩に乗ってもらっている。
堂々としていれば、案外気付かれないもんだね。
登録員「(妖精いたけど、まあ双星なら普通か)」
賭け窓口「(妖精いたけど、双星の計画が始まった?)」
通行人「(妖精いたけど、双星またなにかするのかしら?)」
猫「みゃぁ・・(訳:妖精いたけど、双星と一緒だし間違いなくなにか起こるわ・・)」
犬「わんわん(訳:妖精いたけど、それはそうとエサちょうだい)」
・・
・・・・
開発イベントでは、現地で再度説明を受け、審判として役人をひとり連れていくことになる。
インスペクター「細かいことはしおりを見てください。」
インスペクター「簡単に説明すると、魔物をなんとかする、毒の池を綺麗にするなどしてください。」
インスペクター「人が住めるようになったと審判が判断したら、印を立てます。」
インスペクター「その印が開発を行ったかの目安となります。」
ごめんなさいイベントに参加するフリなんです。
ほんとごめんなさい。
インスペクター「双星殿たちも参加されるんですね。ありがとうございます、王も喜ぶと思いますよ。」
双星「あーえーと・・ねぇ、事情説明してもいい?」
インスペクターさんの笑顔が辛い。
ダークエルフ「双星が話したいならどうぞ。そいつならそう問題にはしないだろう。」
インスペクター「・・?なにかあったのですか?」
双星「実は・・」
妖精のことを話した。
インスペクター「ああ、それで肩に妖精を乗せているんですね。なんでだろうって気になっていたんですよ。」
まさか妖精に気付いていたとは・・さすがインスペクターさん!
インスペクター「別に構いませんよ。イベントの方はついで程度でいいので。」
双星「いいんですか?重要なイベントじゃあ・・」
インスペクター「王様が思いつきで始めたイベントが重要なわけないじゃないですか。」
おおう、意外と辛口だ!
インスペクター「軍のうわさでは、双星殿の国民集権に向けた準備じゃないかって話になってますよ。」
双星「なんで?」
インスペクター「国民集権では国民が政治参加することになりますから。このイベントで国の仕事がどういうものか見たり体験できます。」
インスペクター「また選挙しても誰に投票していいかわかりませんよね?こういうイベントで活躍した人は、それだけでアピールになります。」
双星「なるほど。あ、でも王様は国民集権やめるって新聞に載ってたような・・」
インスペクター「それも、もう撤回する準備していますよ。」
マジかー。
政治って大変なんだな。
ダークエルフ「振り回されるお前らも大変だろうに。」
インスペクター「慣れていますので。」
ダークエルフ「あまり王を甘やかすなよ。」
インスペクター「気をつけます・・では審判がひとり同行しますので。」
双星「あまり・・厳しくない人がいいな。」
インスペクター「事情が事情なので、あまり仕事に熱心じゃない人がいいですかね。」
インスペクターさんは、若い女の子を連れてきた。
インスペクター「やりたくない仕事はしない。遅刻早退当たりまえ。コネ入社のこの子ならうるさく言わないと思いますよ。」
あの・・ちょっと極端じゃ・・
審判「審判役です。すぐバックレる予定。よろしく。」
双星「大丈夫なんですか!?」
インスペクター「いつものことですから。」
いつもなのか・・
双星「えっと・・よろしくお願いします。」
不安だ・・大丈夫だろうか?
・・
・・・・




